政府は4回目のワクチン接種の対象範囲を拡大する方針です。現在、60歳以上の人や18歳以上で基礎疾患がある人などに行っていますが、医療従事者と高齢者施設のスタッフなどにも拡大し7月22日に開かれる予定の厚生労働省の審議会で了承されれば、接種開始に向け速やかに必要な手続きを進める方針です。
ワクチン接種の対象範囲が拡大される方針をうけて品川区では準備が始まっています。
東京・品川区は医療従事者など対象者への接種について、これまでに先行接種したデータから抽出するなどして速やかに接種券を発送することを検討しています。
区内には1万人を超える医療従事者と数千人の高齢者施設のスタッフがいるとみられるということです。接種は、区が保管するワクチンで足りる見通しです。しかし、急激な感染者の増加を受けて3回目のワクチン接種についても予約が増えていることから、不足する場合はワクチンの追加配分を求めることにしています。
品川区 豊嶋俊介 新型コロナ予防接種担当課長
「医療従事者の方からは早くに4回目接種をしたいという声も聞いていました。できるだけ早く接種ができるよう接種券が手元になくてもワクチンが打てるように調整しています」
東京・江戸川区の東京臨海病院は主に中等症の新型コロナ患者を受け入れています。6月は、入院患者がいない日もありましたが、7月に入って急増。33床のうちおよそ6割が埋まっていて、70代以上が半数を占めるということです。
第6波の感染拡大時期には鼻水やのどの痛みなどを訴える患者が多かったのに対して、7月に入ってからせきや肺炎の症状がある患者もみられるということです。
このうち70代の女性は、7月上旬に感染が確認され自宅療養を続けていましたが、1週間たっても熱が下がらず呼吸が苦しくなったため入院したということです。
救急車で搬送されてきた当初の女性の肺のCT画像はすりガラスのような陰影があり肺炎が見られたということです。
女性「熱が下がらず自宅療養していたのですが、酸素飽和度が下がってきたので娘が救急車を
よんでくれました」
病院ではさらなる感染拡大に備えてコロナ病床を増やすことも検討していますが、医療スタッフの感染も増えているほか、子どもが感染して濃厚接触者になるなど出勤ができない人も相次いでいて人員の確保が厳しくなっているということです。
東京臨海病院 山口朋禎 副院長
「7月に入って急激に患者が増えて厳しい状況になってきている。肺炎の患者もちらほらみられていて予断を許さない状況だ。感染予防対策は続けているが医療スタッフの感染も後をたたない。4回目のワクチン接種ですべての感染が防げるわけではないが、安心して医療を提供するために、接種が可能になればすみやかに医療従事者への4回目接種を進めていきたい」