1. NHK
  2. 首都圏ナビ
  3. もっとニュース
  4. コロナ第7波 東京都の病床使用率上昇 救急患者受け入れ困難の病院も

コロナ第7波 東京都の病床使用率上昇 救急患者受け入れ困難の病院も

  • 2022年7月20日

東京都では新型コロナの患者用の病床使用率が40%を超えました。感染の急拡大で都内の救急病院では、コロナ疑いの患者が殺到し、要請を受けた患者の半数程度しか受け入れられなくなっているところも出てきています。また、ほかの医師グループには往診依頼が急増しているということです。感染者の急増に直面している医療現場の状況をまとめました。

東京都の病床使用率 40%超に

新型コロナウイルスの「第7波」の感染急拡大で東京都内では新型コロナの患者用の病床使用率が上昇しています。
7月1日時点では18.9%だった病床使用率は、その後、病床を2000床増やして、およそ7000床に拡充しましたが、19日の速報値で40%を超えました。

増床も埋まりこれ以上の受け入れ厳しい

東京・八王子市にある2次救急の指定病院、「南多摩病院」は新型コロナの専用病床を23床確保し、中等症までの患者に対応してきました。
コロナ病床は、7月初めの段階ではほとんど使用されていませんでしたが、先週からコロナ疑いで救急搬送される患者が急増し、先週末の時点でほぼ埋まりました。

さらに18日にかけての3連休の間、患者が殺到したため、別の病棟の一部を閉鎖して19日朝の時点で31床に増やしましたが、すぐに埋まり、これ以上コロナ患者を受け入れるのは厳しいということです。

また、コロナと症状の見分けが難しい熱中症の疑いで搬送される患者も相次いでいるということです。

救急受け入れ 通常9割 現状は半数程度

病院では、ふだんは要請を受けた救急患者の9割以上を受け入れてきましたが、いまは病床が足りないため、一般の救急も含めて半数程度の受け入れを断らざるを得ないとして、現場の医師は危機感を募らせています。

救急部門の責任者 関 裕 副院長
「夏場は熱中症のほか、若い人のけがも増える傾向にある一方で、感染のピークはまだなので、救急の受け入れはさらに厳しくなると予想される。この感染状況で職員も家族などから感染してしまい、働ける人が少なくなっていて危機的な状況を迎えている」

往診も急増 陽性率50%超 目立つ10歳未満

夜間や休日に登録した医師たちが往診を行う「コールドクター」によりますと6月下旬から発熱などを訴える患者からの往診依頼が急増し、17日までの1週間では、2週間前の1.7倍まで増えました。
検査で陽性と判断される患者の割合を示す「陽性率」も2週間前より18ポイント高い51%となり、半数を超えています。

往診した患者の症状 3回目接種せずの人も

このうち、東京都内に住む3歳の男の子は、7月16日、38度の発熱やせきの症状がみられたため、家族がコールドクターに往診を依頼しました。
診察の段階では、熱は37度台に下がっていて、肺炎の疑いはありませんでしたが首のリンパ節が腫れていました。男の子はPCR検査を受け、翌日、陽性が確認されたということです。

同じ16日、東京都内に住む「30代」の男性は、38度の発熱やせきの症状がみられたため、コールドクターに往診を依頼しました。
診察の段階では、解熱剤で熱は36度台まで下がっていましたが、けん怠感があり、検査を受けたところ、陽性が確認されました。一方、男性の血液中の酸素の値に問題はなく、肺炎の疑いもないことなどから、医師は軽症の範囲だと判断し、自宅療養を指示しました。

この男性は、3回目のワクチン接種は受けていなかったということです。

陽性と判断された患者のうち、「10歳未満」が全体の3割を占め、最も多いということです。
また「コールドクター」によりますと、「10代」から「30代」までの若い世代では、3回目のワクチン接種を受けていない人の感染が目立つとしています。

往診を担当した丸山浩司医師
「若い世代を中心に感染が広がっているが、患者に対応する医師が感染したり、濃厚接触者となって勤務できなくなったりする状況も出てきているので、基本的な感染対策を改めて徹底してほしい」

ページトップに戻る