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第7波オミクロン株 急増のBA.5 重症化や病原性 感染者数の見通しは

  • 2022年7月14日

新型コロナウイルスの感染再拡大の要因のひとつがオミクロン株の1つで感染力が強いとされる「BA.5」と考えられています。この「BA.5」の広がりや感染した場合の重症度はどの程度なのでしょうか。第7波に入ったという認識が専門家から示されるなか、今後、感染はどこまで拡大するのか、最新の研究や専門家の見方をまとめました。

国内のBA.5 “8月第1週にほぼ置き換わり”

感染再拡大の背景について専門家は、免疫効果の低下や接触機会の増加とともに、オミクロン株のうち、感染力がより強いとされる「BA.5」が主流になってきていることがあると指摘しています。
新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合では7月13日、「BA.5」の国内での広がりなどについての資料やデータが示されました。

〇27%速く広がる(BA.2比)
京都大学の西浦博教授が、東京都内のデータをもとに分析した結果として示した資料によりますと、「BA.5」はこれまで主流だった「BA.2」と比べて27%速く広がっているとみられるとしています。

〇1都3県 推定57%(7月第1週)
国立感染症研究所の鈴木基感染症疫学センター長が示したデータによりますと、全国の「BA.5」による感染の割合は、7月第1週の時点で全体のおよそ36%とみられるということです。地域的にみますと、同じ7月第1週時点で首都圏の1都3県では、およそ57%と推定されています。
国内の「BA.5」は、今後も増加を続けるとみられ、8月第1週には、全国的にほぼ全体が「BA.5」に置き換わると推定されるということです。

〇WHO BA.5が52%
現在、世界で検出される新型コロナウイルスのほとんどはオミクロン株ですが、WHO=世界保健機関によりますと「BA.5」は6月25日までの1週間で、前の週から15ポイント増えて52%を占めています。

症状を引き起こす力 高まっている可能性

置き換わりが進みつつある「BA.5」について、東京大学などのグループは、症状を引き起こす力がこれまでのオミクロン株に比べて高まっている可能性があるとする動物などでの実験結果を発表しました。
この研究は東京大学医科学研究所の佐藤佳教授が主宰するグループ「G2P-Japan」が正式な査読を受ける前の論文として、インターネット上で発表しました。

〇培養細胞に感染では
グループでは、オミクロン株の「BA.2」と「BA.5」の特徴をそれぞれ再現したウイルスを作製し、培養細胞に感染させて増え方を調べたところ、24時間後には、「BA.5」のウイルスは「BA.2」に比べて34倍の量に増えていたということです。

〇ハムスターに感染では
さらに、ハムスターに感染させる実験では「BA.2」では、体重が減少しなかったのに対し、「BA.5」では10%程度減少し、体重以外にも肺などの炎症が強まっていたということです。

グループでは、実際にヒトでの症状についてはさらに調べる必要があるとした上で、「BA.5」は病気を引き起こす力が同じオミクロン株の「BA.2」よりも高まっている可能性があるとしています。

東京大学医科学研究所 佐藤佳教授
「ウイルスの毒性は必ずしも弱まっていく訳ではない。今後もウイルスは変化していくため、注意が必要だ」

BA.5で重症化 “はっきりわかっていない”

一方、「BA.5」に感染した場合に重症化しやすいかどうかについて、WHOは7月6日の週報で「『BA.2』と比べて重症度が変化しているという証拠はない」としています。
ただ、複数の国で、感染者数が増えたため、入院や集中治療室での治療に至った人の数、それに亡くなる人の数が急増しているとしています。

東京医科大学 濱田篤郎特任教授
「いまのところ、『BA.5』はそれほど重症化を引き起こさないのではないかと見られているが、まだはっきり分かっていない。
フランスやイタリア、ドイツなどでは『BA.5』に置き換わってきていて、ここ1、2週間で感染者数がかなり増えている。これらの国々で感染者数がどのように推移して、重症者がどのくらい増えるかということは、今後の日本の状況を予測する上で、非常に重要だと考えられる」

国内の感染状況 全国で前週比2倍超

厚生労働省の専門家会合で7月13日に示された資料によりますと、12日までの1週間の新規感染者数は全国では前の週と比べて2.14倍とすべての都道府県で増加し、関東地方の1都6県でも、いずれも2倍を超えています。

すべての年代で新規感染者数が増え、特に50代以下での増加幅が大きくなっていて、学校や自宅で感染する割合が増加傾向にあるほか、東京都では飲食の場や職場での感染も増えているということです。
専門家会合では、「BA.5」への置き換わりが進み、今週末からの3連休や夏休みの影響もあり、今後も急速な増加が続くことが懸念されるとして、ワクチン接種を進めることや基本的な感染対策の徹底を求めました。

濱田特任教授
〇感染者数の見通し

「秋以降の感染拡大はいまよりも本格的なものになる可能性がある。多くの人がワクチンの3回目の接種を受けていることや、寒い時期ではないことなどを踏まえると、ことしの年明けにオミクロン株が流行し始めたときほどまでは感染者数は増えないと考えられるが、以前経験したより拡大することも想定して対策を準備すべきだ」

〇予防対策は
「3回目のワクチン接種をまだ受けていない人は、早めに受けていただきたいし、高齢者の方は4回目の接種を受けることが一番大事だ。感染者数が特に増えているときは、一人ひとりの予防対策をある程度強めに行うことが大切で、感染を疑うような症状があれば早めに検査したり、医療機関を受診したりしてほしい。多くの地域では病床はまだひっ迫していないが、行政機関は前もって準備し、医療従事者や介護施設の職員などへの4回目の接種も検討してもらいたい」

国内でも「BA.2.75」 免疫逃避の性質

さらに、7月12日には国内でも検疫以外で初めて、オミクロン株の一種「BA.2.75」(ビーエー・ツー・セブンファイブ)が検出されました。ことし6月に最初にインドから報告された変異ウイルスで、イギリスやドイツ、アメリカなどでも見つかっています。
「BA.5」などと同様に、免疫を逃避する性質があり、インドでは「BA.5」よりも増加のスピードが速いということです。

濱田特任教授
「これまで主流だった『BA.2』よりも免疫を逃避しやすい、免疫がある人も感染しやすい可能性が高いということで、WHOも注目して監視をしている。日本で皆さんが心配する必要はまだないと思うが、行政レベルでは、この新しいウイルスがどのような特徴を持っているのか、かなり厳重に監視したほうがいいと思う」

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