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視覚障害者のホーム事故防止 案内アプリで電車を安全に 実証実験

  • 2022年7月8日

ホームから転落、ドアにはさまれるなど、視覚障害者が電車に乗る際の事故は、あとを絶ちません。電車を安全に利用してもらうために、スマートフォンのアプリを使って安全な歩行を支援する実証実験が埼玉県内の駅で行われました。アプリでどのような支援をするのか、その仕組みをまとめました。動画も掲載しました。

視覚障害者 電車の利用は危険と隣り合わせ

視覚障害者が電車に乗ろうとするときは、点字ブロックや音を確認しながら、電車の乗り場に近づきます。そして、ホームドアに触れるなどしてドアが開く位置を確認し、さらに乗車の際には、白じょうでドアの位置を探すなどして安全を確認します。
鉄道会社でもホームにモニターを設置するなどしていますが安全確認には限界があり、事故はあとを絶ちません。

アプリで周囲の状況を視覚障害者に伝達

視覚障害者の安全確認についてアプリを使って支援しようと、東武鉄道は、大手保険会社やアプリの開発会社と合同で実証実験を行いました。
アプリは、視覚障害者のスマートフォンからの映像を専門のオペレーターが見て、周辺の情報を伝える仕組みです。

埼玉県内の駅では、視覚障害者が実際に駅のコンコースやホームを歩いたり、電車に乗ったりして、アプリを使って安全に歩行できるか確認しました。
アプリでどう案内するのか、そのやり取りの動画です。

電光掲示板で確認とれました。3番線4番線ホームになりますので階段まで案内します。
階段の手前のところまでお願いできますか?通話しながら降りられないので

協力した全盲の女性2人は、白じょうをつきながら片手でスマートフォンを持ち、点字ブロックや階段の位置、電光掲示板の内容などについて、オペレーターとやりとりしていました。

1メートル先に下りの階段があります。ホーム続く階段です。
手すりはどちらにあるか見てもらえますか?

 

協力した視覚障害者
「いつも寄り添って声が聞こえてくるので怖いという感じはなかった。遠隔サポートサービスを使うことによって自分で確認できるという選択肢があるのは本当にうれしくてありがたい」

駅の騒音や通信環境 実証実験で課題検証

実証実験は来年1月まで続けられ、利便性や安全性を確認するほか、駅特有の騒音や通信状況といった課題についても検証することにしています。

東武鉄道お客様サービス課 椎木誠課長補佐
「目の不自由な人が、自分の力で鉄道に乗って新しい発見をするお手伝いができるよう、実証実験を生かしていきたい」

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