新型コロナウイルスの感染拡大の影響に苦しんだ新潟県阿賀野市にある遊園地「サントピアワールド」がまた厳しい状況に直面しています。知恵を絞ったユニークなアトラクションで集客に努力してきた遊園地ですが、チケットを値上げすることにしました。エネルギー価格の高騰で電気料金が2倍になるという見積もりが出たということです。
新潟県阿賀野市にある「サントピアワールド」は開園して40年以上の歴史がある地域に根付いた遊園地です。新型コロナウイルスの影響で2020年には、春の行楽シーズンに休業せざるをえなくなるなどして、収益が大幅に悪化しました。
厳しい経営状況のなか、クラウドファンディングなどで支援を得たことに加え、スタッフ全員で知恵を絞り、「ぎりぎりアトラクション」という企画を打ち出して集客に努めました。
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しかし、エネルギー価格の高騰の影響で、遊園地はまた厳しい状況に直面しています。7月から、向こう1年間の電気料金が現在のおよそ2倍にあたる3500万円余りに跳ね上がるという見積もりが出たためです。
遊園地は、ことし6月14日、ツイッターに「やばい大ピンチです」というメッセージとともに、見積もりを示す文書を写真で紹介しました。
このツイートはこれまでに7600余りリツイートされ、励ましのメッセージが数多く寄せられています。
節電のため、遊園地ではメリーゴーラウンドの電球を、1つずつ間隔を空けて減らしたほか、屋内施設の一部の明かりを消し、噴水も停止していますが補いきれず、7月1日から乗り物の乗り放題チケットを一律400円値上げすることになりました。
福島県から家族できた40代の男性
「チケットの値上げはしかたないと思う。私が子どものころにも来た、思い出の場所なので、これからも営業を続けてもらいたい」
思い出を紡いでもらえる遊園地でいたいと、「ぎりぎりアトラクション」の企画では、「爆速メリーゴーラウンド」、「瞑想観覧車」など、コストをかけずにユニークなアイデアで集客に努めた遊園地が、改めて厳しい状況に直面しています。
園長の高橋修さん
「小規模の遊園地にとってコストに占める割合が大きく、死活問題です。補助金などの支援を行政にお願いしたい」