「インターネット エクスプローラー」のサポートが終了し、一般の利用者は、ほかの閲覧ソフトを使うことになります。ただ「インターネット エクスプローラー」の使用を前提とした企業などのシステムやウェブサイトもあるということです。
サポートの終了にともなって必要となる対応や注意点などをまとめました。
青い「e」のマークのアイコンが特徴の「インターネット エクスプローラー」は、「ウィンドウズ95」とともに1995年に登場し、インターネット上のウェブサイトを閲覧するためのソフトとして家庭や企業で広く使われてきましたが、16日でサポートが終了します。
サポートの終了で、一般の利用者は今後、「インターネット エクスプローラー」ではなく、後継となる「マイクロソフト エッジ」のほか、グーグルの「クローム」やアップルの「サファリ」など、ほかの閲覧ソフトを使うことになります。
サポートが終了するのを前に、東京・府中市にあるパソコン教室では、ウイルス感染などの危険性が高まるおそれがあるとして、家庭のパソコンで、「インターネット エクスプローラー」が使われていないか確認をしたり、使用している場合には、速やかに別の閲覧ソフトに切り替えたりするよう呼びかけていました。
終了を知らなかった。パソコンを持ってきて、先生に確認をしてもらおうと思います。
パソコンを買い替えてからは使っていません。なくなることには少し寂しさを感じます。
マイクロソフトによりますと、ウィンドウズ10以降のパソコンには「マイクロソフト エッジ」が標準搭載されていて、新たにインストールする必要はなく、そのまま利用できるということです。
また、「インターネット エクスプローラー」でお気に入りに登録しているウェブサイトについては、「マイクロソフト エッジ」にデータを取り込むことができるということです。
ウェブサイトのほとんどは「マイクロソフト エッジ」「クローム」「サファリ」などで開くことができますが、
なかには「インターネット エクスプローラー」のみに対応したウェブサイトもあるということです。
この場合は「マイクロソフト エッジ」の「インターネット エクスプローラーモード」という機能を使えば閲覧できるということです。
また、企業の会計や出退勤管理などのシステムの中には、「インターネット エクスプローラー」の利用を前提に開発されたものも多く、改修などの対応が必要になるケースがあるということです。
こうした場合も同じく「マイクロソフト エッジ」の「インターネット エクスプローラーモード」を使えば利用を続けることが可能で、会社は7年後の2029年まではこの機能を提供するとしていますが、早めの移行を呼びかけています。
日本マイクロソフト 春日井良隆さん
「一般の方が使うウェブサイトのほとんどはインターネット エクスプローラー以外の閲覧ソフトに対応しているので、ほとんどのケースで問題ないと思う。
企業の方にはまだ7年ではなくて、もう7年しかないと考えてもらいたい。インターネット エクスプローラーでしか使えないということは、スマートフォンでも扱えないということだ。デジタル変革に後れをとることにもなるので、システムの刷新をぜひ検討してもらいたい」
「インターネット エクスプローラー」は、1990年代のインターネット黎明期から2000年代にかけて、圧倒的なシェアを誇りました。
その後、国際団体によってウェブサイトの仕様などに関する標準規格がつくられ、この規格に対応したグーグルの「クローム」やアップルの「サファリ」などの閲覧ソフトがシェアを伸ばす一方、対応していない「インターネット エクスプローラー」は次第にシェアを落とす形となりました。
マイクロソフトが利用を呼び掛けている後継の「マイクロソフト エッジ」は、標準規格に対応させているほか、セキュリティーを強化し、スマートフォンでの利用もできるようにしているということです。
「インターネット エクスプローラー」についてマイクロソフトは、今後、セキュリティー面で問題が発生した場合でも、更新プログラムを提供しないということで、「インターネット エクスプローラー」を示す青い「e」のマークのアイコンは数か月以内に画面上からなくなり、利用できなくなるということです。