栃木県足利市ゆかりの名刀で、国の重要文化財に指定され、刀剣を題材にしたオンラインゲーム「刀剣乱舞」でも人気の刀、「山姥切国広」。
栃木県足利市は、取得に向けて所有者と調整を進めていくことになりました。
所有者からは「私たちの元で眠らせておくには存在があまりにも大きくなりすぎていて、正直守りきれなくなってきています」などとするメッセージが寄せられたということです。
「山姥切国広」は、足利市ゆかりの刀工、堀川国広が当時の領主の依頼で安土桃山時代につくった名刀で、国の重要文化財に指定されています。
市の美術館によりますと、全体に雲がたなびくような文様が入り、特に、刀の顔とされる刃先の文様が美しいということです。また、刀の身幅が広く、厚みがあるのが特徴です。
刀剣を題材にしたオンラインゲーム「刀剣乱舞」でも人気の刀です。
ことし足利市立美術館で5年ぶりに展示された際は、全国から2万5000人余りが訪れました。
足利市立美術館で開かれた展示では、「山姥切国広」など、市にゆかりのある美術品や資料などが100点余りが紹介され、新型コロナの感染対策のため、事前予約制で行われました。
都内在住30代女性
「かっこいいです。久しぶりに見られたうれしさで胸がいっぱいです」
足利市立美術館 片柳孝夫館長
「足利の文化や歴史の豊かさを存分に体感してもらいたい」
足利市はこの「山姥切国広」について、取得に向けて所有者と調整を進めていくことになりました。
足利市の早川尚秀市長は8日開かれた市議会の一般質問で、取得に前向きな姿勢を表明しました。
これに対し刀の所有者から、「私たちの元で眠らせておくには存在があまりにも大きくなりすぎていて、正直守りきれなくなってきています。考え抜いた結果、信頼できる足利市にお任せするのが一番いいのではないかと思っております」という内容のメッセージが寄せられたということです。
足利市は今後、具体的な方法や費用などについて話し合いを進める予定です。
早川市長
「所有者様から丁寧なメッセージをいただき、たいへんありがたい。430年以上大切にされた足利ゆかりの刀を、責任をもって後世へ引き継いでいきたいという思いをお伝えしながら誠意を持った話し合いを続けたい」