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脊髄性筋萎縮症 新生児マススクリーニングで早期発見 発症前治療を

  • 2022年6月2日

「新生児マススクリーニング」は、生後まもない赤ちゃんの血液を調べて、病気の早期発見につなげる検査です。栃木県で生まれた赤ちゃんが、この検査で、全身の筋力が徐々に低下していく難病「脊髄性筋萎縮症」だとわかり、治療薬の投与を受けました。どのような検査なのか、そして「脊髄性筋萎縮症」の治療に検査がはたす役割などを取材しました。

「脊髄性筋萎縮症」生後まもないうちに発症すると

全身の筋力が徐々に低下していく「脊髄性筋萎縮症」は、生後まもないうちに発症すると治療を受けない場合、2歳になるまでに9割が死亡、または人工呼吸器が必要になるとされる難病ですが、新たな治療薬で症状の進行を食い止めることができるようになりました。

「新生児マススクリーニング」で「脊髄性筋萎縮症」判明

栃木県内で5月に生まれた女の子の赤ちゃんが、「新生児マススクリーニング」と呼ばれる少量の血液を採取して先天性の難病について調べる検査を受けたところ、「脊髄性筋萎縮症」だとわかりました。赤ちゃんは6月1日、自治医科大学附属病院で治療薬の投与を受けたということです。

治療を終えた赤ちゃんの母親は「無事に治療が終わり、娘がミルクを飲んでくれたのでほっとしました。いつもと変わらない様子でした」と話していました。

治療を終えた赤ちゃんの母親
「病気も検査も詳しいことを知らなかったので、初めて難病かもしれないと聞いたときは驚いて動揺しました。いち早く治療につながってよかったです。新生児マススクリーニングの検査がなかったら子どもが脊髄性筋萎縮症だと気づけたかどうか心配です。すべての子どもが平等に検査を受けられるよう検査体制が全国に広がってほしい」

検査で早期発見・発症前治療を

「新生児マススクリーニング」は、国の制度のもと全国の都道府県などが実施している検査で、栃木県では、ことし4月からこの病気を含む2つの難病が独自に検査対象に追加されていたということです。

 病院の医師によりますと、「新生児マススクリーニング」で「脊髄性筋萎縮症」の赤ちゃんが見つかったのは県内では初めてで、全国では4例目だということです。

治療にあたった自治医科大学 山形崇倫教授
「脊髄性筋萎縮症は、治療法ができて治せる病気になったので、早期に発見して発症前に治療することが重要でそのためにはスクリーニングが大切だ。
(脊髄性筋萎縮症の検査の体制について)かけがえのない子どもたちの成長のために、今後も継続して実施できるよう県や国に支援してほしい」

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