新型コロナウイルスの10日までの1週間の新規感染者数は、全国では、前の週と比べて0.98倍で、減少傾向だった大型連休前とは異なり、ほぼ横ばいとなっています。こうした中、PCR検査などを受けた人は連休前より増えているということです。
感染者数の動向や連休明けの検査の状況、専門家の見方をまとめました。
新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合は11日、現在の感染状況について、大都市圏を中心に全国では減少が続いているとした一方で、大型連休で診療や検査数が少なくなっているため、今の時点で感染状況を正確に評価することは難しいとしました。
さらに、大型連休で人の動きが活発であったことや全国でオミクロン株のうちより感染力が強いとされる「BA.2」に、おおむね置き換わったことなどから、今後の動向を注視する必要があるとしています。
脇田隆字座長
「大型連休の影響があるため今の時点で正確な評価は難しい。連休中は、検査や診療が減少しているため影響が出ている。ただ、人出は去年やおととしと比べてかなり多くなっているので、感染がさらに上積みされていくおそれがあり、しばらく経過を見ていく必要がある」
大型連休明けに新型コロナウイルスのPCR検査などを受けた人は連休前より増えていて、無料の検査所には住民などが検査に訪れています。
厚生労働省によりますと全国で新型コロナウイルスのPCR検査と抗原検査を受けた人は連休の間の平日となった5月6日は21万5284人で、連休前の4月25日と比べておよそ1.7倍、連休明けの9日は14万4463人で、およそ1.2倍に増えています。
このうち東京・大田区の商店街で無料の検査を行っている薬局にも近くの住民などが検査に訪れていました。薬局を運営する会社によりますと首都圏のおよそ670店舗では大型連休中が特に検査が増えていたということで、仕事などに復帰する前に感染の有無を確認しようと検査を受けに来るケースがみられたということです。
連休中に出かけて、まわりでも感染している人が出てきているので受けに来ました。
ウエルシア薬局調剤エリアマネジャー 高山紀子さん
「連休中に旅行や帰省で出かけた人が多かったので、不安を解消するために検査を受ける人が増えたのではないか。身近な場所で手軽に検査ができるので今後も活用して安心につなげていただきたい」
厚生労働省の専門家会合で示された資料によりますと、10日までの1週間の新規感染者数は全国では前の週と比べて0.98倍で、減少傾向だった大型連休前とは異なり、ほぼ横ばいとなっています。
首都圏の1都3県では、東京都で0.88倍、神奈川県で0.82倍、埼玉県で0.85倍、千葉県で0.78倍と減少傾向が続いています。
ただ、東京都では11日、1週間前の水曜日を1700人あまり上回る4764人の感染が確認されました。5日連続で前の週の同じ曜日を上回り、11日までの7日間平均は前の週のおよそ1.07倍(106.5%)となりました。1倍を上回ったのは4月14日以来で、今後の推移が注目されます。