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大手の電気料金は過去5年で最高水準 新電力は事業撤退相次ぐ

  • 2022年4月27日

大手電力会社10社のことし6月分の電気料金は、比較できる過去5年間で最も高い水準となります。ウクライナ情勢の緊迫化で火力発電の燃料となるLNG=液化天然ガスなどの価格が高騰していることが主な要因で今後も高止まりが続く見通しです。

一方、「新電力」は、天然ガスなどの価格高騰で事業から撤退したり、新規の受付を停止したりするケースが相次いでいます。

6月分の電気・ガス料金↑

大手電力各社によりますと、ことし6月分の電気料金は10社のうち5社で値上がりします。
ウクライナ情勢の緊迫化を背景に、火力発電の燃料となるLNG=液化天然ガスや石炭の価格が高騰していることが主な要因で、10社の電気料金は、比較できる過去5年間で最も高い水準となります。

東京電力は60円上がって8565円となっています。

電気料金は、利用者の負担が大きくなりすぎないよう、契約によっては燃料価格の上昇分を小売価格に転嫁できる上限が定められています。
これまでに北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、沖縄電力が上限に達していましたが、6月分からは、東北電力もこの上限に達しました。

また、ガス料金も東邦ガス、東京ガス、大阪ガス、西部ガスの大手4社すべてで値上がりしています。
全社の値上がりは10か月連続で、燃料価格が高止まりする中、家計への負担が大きくなっています。

中小企業の経営も影響

電気やガス料金の値上がりで、中小企業の経営にも大きな影響が出ています。

東京・墨田区にある菓子の販売会社は、原材料価格なども高騰していることから、5月以降、すべての商品を10%程度、値上げせざるを得ないと考えています。

東京・墨田区にある明治43年創業の米菓の販売会社は、千葉県八千代市の工場であられやおかきなどを製造しています。

新型コロナの影響が長引き店舗での客足などが戻らず、売り上げが以前の水準まで回復しない中、おかきを揚げたりせんべいを焼いたりするのに欠かせない電気やガスの料金は値上がりが続いています。

このうちガス料金は、ウクライナ情勢や円安の影響もあり、おととし4月時点と比べて、単価が倍以上になっているということです。

また、電気料金の請求額は、ことしに入って去年の同じ時期と比べると、製造量が大きく変わらないのに30%から60%高い状況が続いているということです。

この会社では、照明器具をこまめに消すなど節約を心がけていますが、油や調味料、包装に使うフィルムなどあらゆる原材料が高騰していることもあり、5月以降、およそ100種類ある商品のすべてで10%程度値上げせざるを得ないと考えています。

「東あられ本舗」小林正典会長
「これからどこまで電気、ガス代が上がるのか不安だし、さまざまな物の値上げで中小企業を取り巻く状況は厳しさが続くと思う。丁寧においしい商品をつくって、値上げした分以上の満足を感じてもらえるよう一丸となって取り組んでいきたい」

新電力 事業撤退相次ぐ

天然ガスなどの価格が高騰し電気料金が高止まりする中、「新電力」と呼ばれる電力の小売事業を行う会社のうち、倒産など、事業の撤退を決めた会社の数がこの1年で31社にのぼったとする調査結果がまとまりました。

民間の信用調査会社帝国データバンクによりますと、2021年4月時点で国に登録されていた「新電力」の会社706社のうち2021年度、事業の撤退を決めた会社の数は、31社にのぼりました。

このうち倒産は14社で、2020年度の2社から急増して、2016年に電力の小売りが全面自由化されてから年度ごとの倒産件数としては最も多くなりました。

「新電力」の多くは、自前の発電施設を持たないため卸売市場を通じて電力を調達していますが、天然ガスなど燃料の輸入価格の高騰などで電力の調達コストが上昇し、経営が圧迫されたことが主な要因だと分析しています。

民間の信用調査会社 帝国データバンク
「新電力は安い電気料金を売りにして顧客を獲得してきたためコストを料金に転嫁するのが難しい。電力の調達価格は足元でも高止まりしていて、事業撤退の動きは今後も続くとみられる」

東京電力のグループ会社の「新電力」が提供する「あしたでんき」は、ことし6月末で電力の供給を終了すると発表しました。

会社は、発電に使う天然ガスや石炭などの燃料価格の高止まりで、電力の調達コストが膨らみ今の料金の水準を維持できる見通しが立たなくなったとしていて、6月末でこのサービスでの電力の供給を終了するということです。

このサービスを契約している家庭は全国で数万件に上っていて会社は電力の供給を受け続けるために、新たな小売事業者に契約を切り替えるよう呼びかけています。

ロシアによるウクライナへ侵攻の影響などで新電力が安定的な価格で電力を調達するのは難しい状況が続いていて、今後も影響の広がりが懸念されます。
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