大型連休の期間中の新幹線の予約状況は、去年よりは増加しているものの新型コロナウイルスの感染拡大前の水準と比べおよそ5割にとどまっていて、依然として厳しい状況が続いています。
また、3月の地震の影響で一部区間で不通となっていた東北新幹線は、14日全線で運転を再開しました。
JR各社は4月28日から5月8日までの大型連休を含む期間の新幹線の指定席の予約状況を13日時点でまとめました。
それによりますと、脱線事故などによる影響で予約の受け付けを始めていなかった東北・秋田・山形新幹線を除く各新幹線の予約席数はあわせて103万席で、去年の1.62倍となりましたが、新型コロナ感染拡大前の4年前の同じ時期と比べるとおよそ5割にとどまっています。
各新幹線の予約率は、対前年比で次の通りです。
新幹線の予約率(対前年比)
東海道新幹線:2.39倍
山陽新幹線:2.13倍
北陸新幹線:1.91倍
九州新幹線:1.58倍
JRグループ全体の予約率は対前年比でおよそ1.7倍となっています。
ことしの予約のピークは下りが4月29日、上りは5月5日となっています。
JR各社は「車内の換気や消毒など感染対策を行っているので、安心してご利用いただきたい」としています。
3月、震度6強を観測した地震で脱線し一部区間で不通となっていた東北新幹線は、14日全線で運転を再開しました。
1000か所に及ぶ鉄道施設が被害を受けた中、最低限の復旧作業を急いで大型連休前の運転再開につなげた形で、JRは今後、高速走行に必要な施設の点検を進めるなどして通常ダイヤでの運転を目指すとしています。
3月16日の地震で走行中に列車が脱線した東北新幹線は、不通となっていた福島駅と仙台駅の間の安全の確認が取れたとして、14日の始発からおよそ1か月ぶりに全線で運転を再開しました。
東京駅では、仕事や帰省で東北地方に向かう人たちが列車に乗り込んでいました。
仙台に向かう59歳男性
「全線で開通して良かった。自然災害なので難しい部分もあるかと思うが出張で利用する機会も多いので耐震対策はしっかり進めてほしい」
今回の地震では、沿線の広い範囲で1000か所に及ぶ鉄道施設が被害を受けていて、JR東日本は、架線やレール、高架橋など最低限の復旧作業を急いで利用者が増える大型連休を前に運転再開につなげた形です。
一方、被害の大きかった区間では、列車の振動を抑えて高速走行をするために必要な施設の点検や調整が完了しておらず、当面は運行本数を通常の8割から9割程度に抑え、一部で徐行運転をします。
このため、東京駅と仙台駅の間の所要時間がおよそ30分長くなるなど臨時ダイヤの編成となっていて、JRは今後、高速走行に向けた最終調整を進め大型連休明け以降の通常ダイヤでの運転を目指すとしています。
東北有数の桜の名所として知られる仙北市角館町にある角館駅にも、午前10時半すぎにおよそ100人が乗った東京発の新幹線が到着しました。
ホームでは、地元の観光協会や市の職員などおよそ30人が「おかえりこまち」などと書かれた旗や横断幕をもって出迎え、およそ1か月ぶりの全線再開を歓迎していました。
大宮駅から来た70代の男性
「今月初めに秋田に来たときは飛行機を利用しました。新幹線は便利なので再開して助かりました」
田沢湖・角館観光協会 安藤大輔会長
「桜の見ごろを迎える前に全線で再開したので喜ばしいです。感染対策をしたうえで全国から多くの人が桜を見に来てほしいです」