ウクライナから日本に避難してくる人が増えるなか、都内の書店ではウクライナ語の入門書が売り切れになったり、語学学習アプリでウクライナ語を学ぶ人が増えたりするなど関心が高まっています。
東京 池袋の大型書店では、ロシアによる軍事侵攻が始まってすぐ、ウクライナやロシアに関する書籍を集めた特設コーナーを設けていて、客からの問い合わせが相次いでいるということです。
コーナーにはおよそ100点が置かれていて、ウクライナの歴史やロシアの軍事に関する新書などが売れているほか、最近では通常は半年に1冊ほどしか売れないウクライナ語の入門書も品薄や売り切れになっているということです。
ウクライナに対する関心が高まったり、深まったりしていると思います。日本に避難してくる人には過剰に気を遣うのでなく、自然体で接していきたいと思います。
特設コーナーを担当「ジュンク堂 池袋本店」安斎千華子さん
「いろいろな見方があるので、ウクライナもロシアも含め、今まで書かれてきたさまざまな本を冷静に見ていただきたい。今後、ウクライナの方と接する機会が増えるかもしれないので、その時の手助けになる1冊が見つかればと思います」
こちらはウクライナ語の日常会話を発信するSNSです。ウクライナ出身で20年余り前から日本で音楽活動を行っている歌手のナターシャ・グジーさんが3月22日から毎日、自身のSNSで「勝手にウクライナ語会話」というハッシュタグで、初歩的な日常会話について紹介しています。
この中では「こんにちは」は「ドーブリ デーニ」、「ありがとう」は「デャークユ」といった形で、ウクライナ語のスペルとともに発音をカタカナで伝えています。
ナターシャさんも6歳のときに原発事故で避難生活を送った体験から、今後、ウクライナへの支援は子どもたちの心のケアなど長期にわたって必要になると考え、まずはウクライナを身近に感じてもらおうと始めたといいます。
SNSでは、ウクライナでも和食が人気なことや、ウクライナの西部ではことばがポーランド語に近いことなど、豆知識も合わせて伝えています。
一方、語学学習アプリの中には、新たにウクライナ語を学ぶ人が、侵攻前に比べて最大で18倍に増えているものもあり、関心が高まっています。
このアプリは無料で、世界でおよそ5億人の利用者がいるということですが、世界全体でも新たにウクライナ語を学ぶ人はこの1か月余りで6倍以上に増加しているということです。語学学習アプリの運営会社によりますと、日本国内では英語などでウクライナ語を学ぶコースの新規の利用者数が軍事侵攻前と比べて大幅に増えていて、ウクライナのゼレンスキー大統領が国会でオンライン形式で演説した3月下旬の週には18倍になったということです。
デュオリンゴ 日本責任者 水谷翔さん
「避難してきた人とのコミュニケーションや簡単なあいさつなどに役立てるため学んでいただけたらと思う」
運営会社では広告収入の一部をウクライナへの支援活動に寄付するとしています。