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プラスチック資源循環法 リサイクル容易な製品や生分解性樹脂の活用も

  • 2022年4月5日

施行された「プラスチック資源循環法」では、使い捨てのプラスチック製品の削減だけでなく、製造するメーカーや、処理をする自治体に対してもリサイクルに向けた取り組みを求めています。リサイクルしやすい製品の開発のほか、なかには微生物が分解する「生分解性」の樹脂を活用する取り組みもありました。自治体の対応とあわせてまとめました。

プラスチック資源循環法 求められるリサイクルは

「プラスチック資源循環法」ではプラスチック製品の製造から廃棄、リサイクルにいたるまで、それぞれの段階での対策が定められています。

このうち、リサイクルについては、製造段階では、メーカーに対し、リサイクルしやすい設計でプラスチック製品を生産することを求めています。
また、市区町村に対しても、さまざまなプラスチックごみをまとめて回収する「一括回収」と呼ばれる取り組みを行うなどしてリサイクルを促進するよう求めています。

プラごみ一括回収 年間2500トンがリサイクルへ

東京・日野市は先行して取り組みを進めている自治体の1つです。リサイクルを強化するために必要な処理施設を独自に整備し、おととし1月から、容器や包装のほか、日用品やおもちゃなどプラスチック製品のごみを一括回収しています。

整備した施設では、一括回収したごみを選別し、破砕や圧縮をしたあと、パレットという荷物を載せる台や燃料などとして再生利用されているということです。

以前は、「資源ごみ」とするペットボトルと食品トレー類以外のプラスチックごみは「不燃ごみ」として回収し、選別したあと、焼却処分していたということです。

日野市では一括回収を始めてから、年間でおよそ2500トンのプラスチックごみをリサイクルに回すことができるようになり、家庭ごみ全体のリサイクル率は5%ほど向上したということです。

原料の種類を減らしリサイクルを容易に

リサイクルを容易にするための取り組みも進められています。化学メーカーの間では、これまでよりリサイクルに回しやすいよう、原料の種類を極力少なくしたプラスチック素材の開発が相次いでいます。

このうち住友化学は、洗剤の詰め替え用のパッケージなどに使われるプラスチック素材を新たに開発しました。
新たな素材は、ひとつの種類の原料から出来ているためリサイクルがしやすいうえ、十分な強度もあるとしています。

〇従来のパッケージ
複数の原料 → 分離・抽出難しく焼却

〇新パッケージ
ひとつの原料 → リサイクル容易

これまでのパッケージには、強度などを保つため複数の原料が使われていますが、リサイクルに回す際は原料を分離したり抽出したりすることが難しく、コストもかかるので、焼却してごみにするのが一般的だったということです。

住友化学 伊藤瑛子さん
「パッケージにはプラスチックが多く使われているので、ごみ問題を解決するためリサイクルにつなげていきたい」

このほか三井化学なども、同じような方法で原料を少なくしたリサイクルしやすい製品の開発に取り組んでいて、化学メーカーの間でプラスチックごみの削減に向けた製品開発が相次いでいます。

微生物が分解「生分解性」樹脂の活用も

群馬県沼田市に工場があるプラスチック製品の加工メーカーでは、大手化学メーカーの三菱ケミカルと共同で、時間がたつと微生物によって分解される「生分解性」の樹脂だけで作ったスプーンなども開発し、4月から販売を始めることにしています。

また、このメーカーでは、コーヒーチェーンや大手コンビニ向けにスプーンやフォークを製造しています。原料のおよそ30%を植物由来のものに置き換えた製品も手がけていて、法律の施行前から注文が相次いでいるということです。
これまでの製品と比べて1.5倍から2倍近くと割高ですが、昨年度は生産量が前の年のおよそ3倍となり、工場では連日フル稼働で注文に対応しています。

東商化学 開発担当者 岩辺元さん
「新たな法律は当たり前のように使われてきたプラスチック製品を見直す機会になったと思う。環境に配慮した製品を開発し、発信していきたい」

ごみの出し方次第でリサイクル量も増加

プラスチックのリサイクル率の向上のため、日野市では、汚れがひどいごみは焼却処分せざるを得なくなるため、多少汚れを落としてからごみに出すことや、可燃ごみや不燃ごみにプラスチックごみを混ぜて捨てないよう分別の徹底を呼びかけています。
日野市クリーンセンター施設課の細谷雄二課長補佐は「ごみの出し方がよりよくなればリサイクルに回る量もより増えるので、啓発に力を入れていきたい」と話しています。

脱プラスチックの動きは身近なところで進んでいます。事業者だけでなく私たち消費者の行動も変えるきっかけになることが期待されます。

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