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高い電気料金 燃料や食品も ウクライナ情勢などで値上がりは序章?

  • 2022年3月31日

ウクライナ情勢の緊迫化などによる燃料の輸入価格の上昇が主な要因で、電気料金は過去5年間で最も高い水準となっています。新生活がはじまる時期ですが、電気料金の負担の増加だけでなく、身近なサービスにも影響が出てきました。食品の値上げも相次ぐ中、専門家に今後の見通しなどを聞きました。

ガソリン価格 円安やウクライナ情勢の影響も

今週のレギュラーガソリンの小売価格は全国平均で1リットルあたり174円となり、政府の補助金の効果で2週連続の値下がりとなりましたが、依然、170円を超える高値水準が続いています。

石油情報センター
「円安傾向やウクライナ情勢を受け、原油価格の調達コストは上がっていて、来週の小売価格は上昇に転じるとみられる」

原油調達コスト上昇 クリーニングにも影響

こうした中、石油系の溶剤を使うクリーニングの料金についても値上げの動きが出ています。
クリーニング大手の「白洋舍」は4月1日からクリーニング料金を平均で15%引き上げることにしています。値上げの背景の1つが石油などの資源の価格高騰です。
具体的には、紳士用のスーツの上下が2090円から2475円に、婦人用の袖なしのワンピースが1155円から1430円になります。

多くを占めるドライクリーニングで使われるのは石油系の溶剤です。大田区にある東京工場では1年間におよそ5万7000リットルを使用していて、去年1月時点で1リットルあたりおよそ120円だった価格がことし2月にはおよそ160円と3割あまり高くなり、ことし5月、さらに高くなる予定だということです。

また、クリーニングを終えた衣類に用いるハンガーやカバーも石油がもとになっているほか、集荷する車も130台あって、ガソリン価格の高騰の影響も受けているとしています。3年9か月ぶりの値上げに踏み切らざるを得ないということです。

東京工場 野口茂夫工場長
「これ以上原油価格が上がらないことを願いつつ、できるところのコストダウンはさらに徹底していきたい。お客様の大切な衣類を扱っているので、価格の上昇に負けない品質を維持して、支持をいただくことが使命だと思っています」

燃料価格上昇で電気料金も値上がり オール電化の家庭は

ウクライナ情勢の緊迫化などによる燃料のLNG=液化天然ガスや石炭などの輸入価格の上昇を背景に、電気料金も値上がりしています。

神奈川県厚木市に住む五味恵子さん(65)は夫と息子2人の4人家族で、東京電力と「オール電化」の契約をしています。

3月分の電気料金は1万3000円余り。去年の同じ時期と比べて6000円以上支払いが増えました。料金が上がっているうえに家族の在宅ワークが増えたことも要因です。

対策として暖房の設定温度を抑えたり、できる限りこたつで暖を取ったりして日頃から節電を意識しているといいますが、料金上昇分を抑えるにはいたっていません。

五味さん
「家計簿を長年付けていますが、こんなに上がったのは初めてで驚いています。電気やガソリンは必ず使うものなので、工夫するにも限界がありますが、使い方に気をつけようと思います」

5月分の電気料金 過去5年間で最も高い水準に

大手電力各社によりますと、ことし5月分の電気料金は10社すべてで値上がりし、ことし5月分の電気料金は比較できる過去5年間で最も高い水準となります。

料金の推移をみますと、最も利用者が多い東京電力管内では、使用量が平均的な家庭の去年5月分の電気料金は6822円でした。
しかし、去年秋以降、上昇傾向が続きました。コロナ禍からの景気回復で世界的に原油や天然ガスの需要が増え価格が高騰したことが主な要因です。

さらに中東で石油施設の爆発や火災などが相次いだこと、そしてウクライナ情勢の緊迫化によって燃料の価格上昇が続き、ことし3月は8244円、4月分は8359円、5月分は8505円と比較できる過去5年間で最も高い料金を更新する状況が続いています。

今後の見通し “値上げの序章とみるべき”

国内では、小麦や大豆など原材料価格の高騰や物流コストの上昇などで、すでに身近な食品の値上げが相次いでいるほか、さらに、即席麺など近く値上げが予定されている食品もあります
ウクライナへのロシアの軍事侵攻による小麦など農業生産への影響、さらに原油をはじめとしたエネルギー価格が上昇すれば、包装資材や物流コストが一段と膨らむことも予想され、身近な食品の分野でも、さらなる値上がりによる家計への影響が懸念されます。

第一生命経済研究所 永濱利廣首席エコノミスト
「今回の時期の値上げはロシアによるウクライナ侵攻の前から予定されていたものが多く、今後、ウクライナ情勢を受けて電気やガスの料金などが引き上げられることも考えられるので、『値上げの序章』とみるべきだ。小麦の売り渡し価格もさらに上がり食卓への影響が出ることも予想されるが、輸入食品ではなく米などの国産の食品を積極的に購入するなど、価格を見極めながら組み合わせの工夫を検討してほしい」

 
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