「勢いよく噴射した消毒液が頭からかかって子どもが泣いていた」
「ちょうど子どもの高さ。歩きたばこと同じ」
新型コロナウイルスの感染対策として、店の出入り口などいたるところで見かけるようになったアルコールの消毒剤。
噴射した際に誤って背の低い子どもの目に入るなど子どもが関係する事故が起きているとして、消費者庁が注意を呼びかけています。
消費者庁によりますと、子どもが関係する事故が相次いでいるのは、アルコールなどを使った消毒剤や除菌剤です。
このうち、代表的な事故のひとつが消毒剤を噴射した際、背の低い子どもの顔にかかってしまうケースです。
具体的には、2歳の子どもを連れた保護者が店のスタンド型のアルコール消毒剤を使った際、近くにいた子どもにかかって目を痛がったケースがありました。
誤って液体を飲んでしまうケースも報告され、保護者が目を離したあと、1歳の子どもが除菌剤のボトルとフタを持って苦しそうな顔をしていて、通院が必要になったケースなどがあったということです。
ネットでも同じような体験をした声が投稿されています。
消費者庁は、消毒剤などを子どもの手の届かないところに保管するほか、設置された消毒液のディスペンサーに子どもを近づかせないよう注意を呼びかけています。
こうした中、子どもの安全に配慮した製品も導入されています。
東京・江東区のIT企業が作ったのは、高さ50センチの場所に消毒剤を置くことのできるスタンドです。
店の出入り口などに設置された消毒剤の噴射口の位置は小さい子どもの顔と同じような高さになることが多いため、通常より低くする工夫がされています。
その名も「しょうどくえき」。
育児中の社員が発案し、バス停をイメージしたデザインになっています。子どもたちの興味をひく見た目ですが、工夫はその高さです。
「ペブルコーポレーション」広報担当 江原あすかさん
「子どもでも楽しく消毒できるようなスタンドになっています。設置されている台は、かなり低いです。床から50センチのところにアルコールスタンドを置くようになっている。歩き始めたお子さんでも顔にかからない高さに消毒液が使えるように設置しています」
去年の春に販売を始めてからこれまでに保育園や医療機関、それに商業施設からおよそ250台の注文が入っているということです。
東京・江東区の商業施設の一角には開発したスタンドが置かれ、子どもたちがすすんで手を消毒していました。
便利かなと思います。勢いよく噴霧されるタイプだと、手にあたって跳ね返って目に入ったというのが何度かあった。
この高さは安心感がある。
「ペブルコーポレーション」広報担当 江原あすかさん
「子どもが楽しく安全に、消毒ができるよう工夫しました。自発的に取り組んで消毒を習慣化してほしい」
万が一、消毒剤が子どもの目に入った場合などは、どうすればいいのか。
消費者庁や公益財団法人・日本中毒情報センターが勧める対策です。
目に入った場合
目をこすらないように注意して直ちに目を洗う。
目を洗ったあと、痛みや充血がある場合や、目を洗うことが難しい場合などは医療機関を受診。
一方、誤って飲んでしまった場合、成分や量によっては中毒症状が出ることがあります。
病院に行くかなどの判断に迷った場合は、日本中毒情報センターの「中毒110番」に相談してほしいとしています。
中毒110番 電話番号
大阪 中毒110番:072-727-2499 (24時間相談受け付け)
つくば 中毒110番:029-852-9999 (午前9時~午後9時)