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電力需給ひっ迫警報とは 大規模停電のおそれ どんな節電対応が必要?

  • 2022年3月22日

東京電力管内などで、電力需給が極めて厳しい状況だとして、政府は初めて「電力需給ひっ迫警報」を出しました。3月16日の地震の影響で発電所の復旧が進まない中、気温が下がり、電力の需要が増えているためです。「電力需給ひっ迫警報」はどんな時に出され、どんな事態が考えられるのか。そして私たちにできることなどをまとめました。

初の「電力需給ひっ迫警報」で節電呼びかけ

政府は21日夜、東京電力の管内では、電力供給の余力、いわゆる「予備率」が安定供給に最低限必要とされる3%を大きく下回る可能性があるとして、初めて「電力需給ひっ迫警報」を出しました。

〇節電協力の対象(東京電力管内1都8県)
茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・
千葉県・東京都・神奈川県・
山梨県・富士川より東の静岡県

さらに、政府は、22日、東北電力の管内にも「電力需給ひっ迫警報」を出しました。家庭や企業にできるかぎりの節電に協力するよう呼びかけています。 

電力の供給力に対する需要の割合を示す「使用率」です。東京電力管内の厳しさ、ひっ迫度合いを示しています。午前7時台は86%でしたが9時台には97%、そして10時台は、101%となりました。さらに午後2時台の実績で107%となりました。データの上では、電力の需要実績が供給力を上回っている状況です。

〇具体的な対策
■家庭や職場などで不要な電気や暖房を消す
■暖房の設定温度を20度にする
■テレビ画面の明るさ設定を変える等

節電進まないと大規模停電のおそれ

東京電力管内では、想定される電力需要に対して供給力が十分確保できないという極めて厳しい状況で、政府は、東京電力管内では11年前の東日本大震災のあとに計画停電が実施された以来の厳しい電力需給だとしています。
家庭や企業の間で節電が進まなければ需要が供給力を大幅に上回って最悪の場合、大規模な停電につながるおそれもあります。

電力需給が厳しくなった理由は

電力の需給が厳しくなったのは、3つの要因が重なったことがありました。
まずひとつは、地震による火力発電所の稼働停止です。3月16日の地震の影響で、東京電力管内に電力を送る福島県にある広野火力発電所6号機、相馬共同火力発電の新地火力発電所の1号機は今も運転停止の状態が続いています。

さらに、東京電力の管内で電力の供給力が低下する中、関東地方では22日、低気圧と寒気の影響で気温が下がり、雪や雨となって暖房などの電力需要が増えています。太陽光発電による電力も期待できない天候です。

そして、国も電力会社もこの冬は電力需給が厳しくなることに警戒態勢をとっていましたが、2月末で対応の一部を解除していました。このため、ますます余力がなくなってしまいました。

停電を防ぐためにできること

東京電力では、火力発電所の出力を最大限引き上げているほか、他の電力会社から電力の融通を受けます。

ただ、東京電力は火力発電所の出力を最大限、引き上げるなど供給力の確保を進めていますが、運転を停止した発電所の復旧にはしばらく時間がかかり、想定される電力需要に対して供給力が十分確保できない状況が今後も続く見通しです。

また、東京電力は、東北電力から電力の融通を受けていますが、東北電力の管内でも電力がひっ迫し、「電力需給ひっ迫警報」出されました。東北電力も、東北6県と新潟県を対象に、節電への協力を呼びかけていて、非常に難しい対応を迫られています。

東京電力は「停電を回避するために、節電へのご協力をお願いしたい」としていて、また、自家用発電機を持っている企業などに対しては、発電機を最大限、稼働させるよう呼びかけています。

寒さで暖房を使う状況ですが、家で別々の部屋で暖房をつけないよう、可能な範囲で、1か所で暖をとる。使っていない部屋の照明や暖房は必ず消す。暖房をつける際にも設定温度をあげすぎずに20度にすることも節電には有効です。
停電を防ぐため、わたしたちも節電への協力が不可欠な状況となっています。

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