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東京の人口 女性「転入超過」に 20代前半が3割近く占める

  • 2022年2月28日

総務省が発表した去年1年間の東京の人口の動きは、男性が「転出超過」となった一方、女性は依然として「転入超過」となっています。女性の東京への転入者のうち、20代前半の人が3割近くを占めています。専門家は「大学を卒業した女性にとって魅力ある職場が地方に少ないことが大きな要因ではないか」と指摘しています。

東京都の転入超過 女性が多く

総務省が1月発表した住民基本台帳に基づく、外国人を含む東京都の「転入超過」は、去年1年間で5433人と、現在の方法で統計を取り始めた2014年以降、最も少なくなりました。

男女別で見ると、男性は、転出者数が転入者数より1344人多く、初めて「転出超過」となりました。
一方、女性は6777人の「転入超過」となり、人数は減っているものの依然として東京に入ってくる人が出て行く人を上回っています。

年代別は

東京に転入してきた女性を年代別に見ると、20歳から24歳が5万8355人で29.5%と、前の年に続いて全体の3割近くを占め、就職などで、東京に転入する女性が引き続き多いことが見てとれます。

・20歳~24歳 5万8355人(29.5%)
・25歳~29歳 4万6152人(23.3%)
・30歳~34歳 2万3803人(12%)
・35歳~39歳 1万3319人(6.7%)

1都6県の状況は?

「転入超過」(人数が多い順)               
・神奈川 1万7555人           
・埼玉 1万4535人
・千葉 8473人
・東京 6777人
・茨城 36人

「転出超過」(人数が少ない順)
・群馬 296人
・栃木 447人

首都圏では女性の「転入超過」が各県で見られています。
「転入超過」の人数が最も多かったのが神奈川で、1万7555人、次いで、埼玉が1万4535人、千葉が8473人などとなっています。

人口問題に詳しい ニッセイ基礎研究所 天野馨南子人口動態シニアリサーチャー
「女性にとって大学への進学が当たり前となった今、自らのキャリアを大切にしながら生きていきたいと考えている若い女性が非常に増えている。しかし、大学を卒業したばかりの女性が自己実現できるような魅力ある労働市場が地方には少ない。結果、自らのスキルを生かせる選択肢が多く、多様な働き方もできる東京に、20代前半の女性が集まる傾向が続いている。人の移動が減ったコロナ禍ですら、その傾向は変わらない。いまだに地方では『この仕事は男性の仕事、この仕事は女性の仕事』といった雇用者側の古い固定観念で、性別による役割分担をしているケースが残っている。男女関係なく多様なライフデザインを組み立てられる労働市場が地方に根づかなければ女性を呼び込むことは難しいし、若い女性がいない地域では男性の未婚率も上がる。そうなれば東京一極集中の流れは続くことになる」

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