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離婚・相続などの家事調停 ウェブ会議で試行へ その効果や課題

  • 2021年12月5日

離婚や相続など家族に関する問題の解決をはかる家事調停で、インターネットのウェブ会議を使った手続きが、東京などの一部の家庭裁判所で始まることになり、先日、デモンストレーションの様子が公開されました。
利便性の向上や、DVなど当事者どうしの接触を避ける配慮が必要なケースで活用が期待されている一方、本人確認など課題もあり、最高裁判所は試行の結果を踏まえて全国での導入を検討することにしています。

デモンストレーションを公開

家事調停は家族や親族間のトラブルについて話し合いで解決をはかる手続きで、調停委員が当事者それぞれから話を聞いて進めます。
12月以降、東京・大阪・名古屋・福岡の4つの家庭裁判所で試験的にウェブ会議が導入されることになり、2日、東京家庭裁判所でデモンストレーションが公開されました。
(大阪・名古屋・福岡は12月から、東京は来年1月から試行)
 

非公開手続き カメラで周囲を確認

調停は、夫のDVを理由に妻が離婚を求めているという想定です。まず、裁判所の調停室にいる調停委員2人が、夫と対面で話を聞きました。

左側の男性が夫役

 

そのあと男性が退室。今度は、弁護士事務所にいる妻からウェブ会議で話を聞きます。

PCモニターに映っているのが妻とその弁護士役

「調停員です。まず恐縮ですけれど、カメラでぐるりと部屋の様子を映して頂けますか」

調停は非公開の手続きのため、当事者と弁護士以外の人が立ち会っていないか、妻側の弁護士にパソコンに付いたカメラで周囲の様子を撮影してもらって確認していました。

 当事者「同じ建物にいるだけで怖くて体調不良に」

家事調停を経験した当事者は、ウェブ会議の導入を前向きにとらえる一方、運用にあたっては慎重に進めて欲しいと話しています。
関東地方で3人の子どもを育てる30代の女性は、離婚と、子どもの面会をめぐって夫と調停を行いました。調停は2年に渡って行われ、裁判所に10回以上足を運んで別居中の夫と調停委員を介して話し合いを行ったといいます。
女性によりますと、夫からDVを受けていたということで、接触を避けるため別の階にある調停室を使うなどの配慮がされましたが、恐怖感は大きかったといいます。

家事調停を経験した女性

女性
「同じ建物内にいるというだけで怖くて体調不良になりました。裁判所の行き帰りで鉢合わせするのではないかと不安で、弁護士に一緒に駅まで行ってもらったり、なるべく変装して移動時間を縮めるために走ったりしていました。ウェブ会議の導入は身を守る安全の面ではとてもうれしく、広がってほしいと思います。交通費も積み重なると負担で、時間も有効に使えるのは、とても大きいです。ただ、相手がウェブ会議を利用した場合に、録音や録画をされないか、第三者が隣りにいないかなど不安もある。裁判所には、『物理的に離れてるから安心だ』という前提ではなく、当事者の話を聞いて不安を一緒に解決しながら進めてほしいです」

利便性向上 本人確認などが課題

去年、全国の家庭裁判所に申し立てられた家事調停は13万件あまりにのぼり、ウェブ会議の導入によって移動や交通費の負担の軽減など利便性が向上するほか、DVの訴えがあるなど、当事者どうしの接触を避ける配慮が必要なケースで活用が期待されています。一方、本人確認や第三者の関与を防ぐ対策など課題もあり、最高裁判所は試行の結果を踏まえて全国での導入を検討することにしています。
 

東京家庭裁判所家事部 細矢郁所長代行者
「ウェブ会議という新しいツールで、より充実した合理的な調停運営のあり方を考えていきたい。課題は、本人確認を行うことと、非公開性を担保すること。第三者が本人になりすまして参加してしまうことは避けなければならず、本人確認をしっかりすること。例えば、運転免許証をカメラに写して確認する、あるいは本人しか知り得ない情報で確認することを考えています。また、第三者が同席していないか、場所がふさわしいかを慎重に検討することにしています」

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