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千葉 八街 通学路事故で被告 飲酒運転「甘っちょろい考えで」

裁判の記録3
  • 2021年12月2日

「自分は事故を起こさないし捕まらないと思っていた」
「甘っちょろい考えでやっていた」

千葉県八街市で酒を飲んでトラック運転し、下校中の児童5人をはねて死傷させたとして元トラック運転手の男が危険運転致死傷の罪に問われている裁判。
元トラック運転手は1日の裁判で、このように述べ、飲酒運転に甘い認識を持っていたことを明らかにしました。

法廷での主なやりとりを掲載しました。

飲酒の状況

検察「酒は毎日飲んでいたのか」

梅澤被告「はい。仕事が終わって午後5時か6時くらいから自宅で飲んでいた」

検察「1日の量は」

梅澤被告「アルコール度数20度の焼酎を1日3合くらいです。翌日に残ることはほぼない」

検察「事故を起こす3日前に昼間に220ミリリットルの焼酎を2本購入し、夜には4リットルの焼酎を買っているのはなぜか」

梅澤被告「家に置いておく焼酎に余裕がないと心配なので買っていた」

検察「この翌日にも1本買っているのはなぜか」

梅澤被告「家で飲むために買った。お守りみたいに置いている」

飲酒運転 “事故起こさないし捕まらない”

検察「酒を飲んでトラックを運転するようになったのはいつ頃からか」

梅澤被告「令和2年の2月、3月、4月頃からです」

検察「飲酒運転をするようになったきっかけは」

梅澤被告「友達ともめて、夜通し飲んでそのまま仕事に行った。酒が残っていることはわかっていた」

検察「なぜ、昼間に酒を飲むようになったのか」

梅澤被告「仕事の相手に対して段取り不足や時間のずれが原因でイライラが起こったのをおさめるためだったと思う。酒に逃げたいというか気を散らそうと思った」

検察「どこで飲んでいたのか」

梅澤被告「幕張パーキングエリアや職場に戻った後のトラックの中で隠れるようにして飲んでいた」

検察「職場から自宅までもマイカーで帰るのではないか」

梅澤被告「そのときも飲酒運転です」

検察「飲酒運転に対する認識は」

梅澤被告「悪いとはわかっていたが、自分は事故を起こさないし捕まらないと思っていた。自分は大丈夫という気持ちだった」

検察「そもそも飲酒運転はなぜダメなのか」

梅澤被告「まともな精神で運転ができず、凶器を持って走っているのと同じだから」

検察「酔って走ったらどうなるか想像できたか」

梅澤被告「ただならぬことになるだろうと思った。甘っちょろい考えでやっていた」

検察「会社からも注意されていたのではないか」

梅澤被告「朝早い仕事だから深酒はしないように言われた。酒のにおいがすると言われ、まずいとは思っていたが聞き流していたところはあったかもしれない」

反省のことば

検察「ごめんなさいしか言えないと前回の裁判で言ってたが、ほかに言いたいことは?」

梅澤被告「許してくださいと言っても許されないだろうし…」

検察「そういうことではなくて。子供や家族の気持ちは考えたのか?」

梅澤被告「お母さんの手記は読ませてもらいました。何十年も前に子育てをしたことと重なっていたたまれない気持ちになりました」

検察「あなたは反省してるのか?」

梅澤被告「取り返しのつかないことをして子どもたち本人や家族に本当に申し訳ないと思っている。本人の夢も、家族の夢も全部奪い去った。お母さんからしたら、体が半分取られたみたいでしょうし。助かった子もこのあとちゃんとした生活ができるのかわからないみたいですし、言葉がでません」

被害者児童について

今回の裁判では、事故の遺族や被害者の家族が被害者参加制度を利用して、審理に参加しています。1日は代理人の弁護士を通じて被告への質問が行われました。

弁護士「あの事故で子どもがどんな思いをしたか分かっているか」

梅澤被告「命、人生を奪ってしまったので申し訳ないです」

弁護士「では、被害者5人のそれぞれの学年は」

梅澤被告「2、3年生です」

弁護士「1年生はいないですか」

梅澤被告「いました」

弁護士「では3年生は何人ですか」

すると、言葉を詰まらせる梅澤被告。

梅澤被告「えーと。6歳の子が1人、8歳の子がえーと。7歳と8歳が1人ずつです。はっきり覚えていないです。1人ずつ聞かれても困ります」。

弁護士は質問を続けます。

弁護士「謝罪はあなたの立場からするものなのですか。被害者の立場に立って考えて始まるものではないですか」

梅澤被告「人生を奪ってしまったと思います」

弁護士「いや、人生を奪ったとか夢を奪ったとか抽象的なことではなく、直視していますか」

梅澤被告「分かりました。これから考えてみたいと思います」

弁護士「謝罪のためにあなたができることは何か」

梅澤被告「行動となると、考えている最中です」

大けがをした3人について

弁護士「被害の子どもたちについてどういう怪我をしたか知っているか」

梅澤被告「7月の状況では1人の子は、いろいろな所を骨折など。もう1人の子は視力がかなり落ちたなど、いろいろなことが調書に書いてありました」

弁護士「あなたから怪我はどうかと確認しようとはしなかったのか」

梅澤被告「しませんでした」

弁護士「あなたは夢や将来を奪ったとか言っていましたが、今の状況について気にならないのか」

梅澤被告「気になります」

弁護士「でも、確認はしていないと?」

梅澤被告「はい、していないです」

事故当時の救護状況

弁護士「あなたは何をしましたか?」

梅澤被告「何もできませんでした」

弁護士「なぜですか」

梅澤被告「119番通報したあと、足がすくんでできませんでした」

弁護士「家族や友人との電話を優先していたんですね」

梅澤被告「はい」

裁判長からも問われる

最後に、裁判長からも梅澤被告に対し、質問がありました。

裁判長「さきほど被害者の弁護士が、1人1人のお子さんについてきいていましたが、どうしてか分かりますか?」

梅澤被告「なんとなく。自分の想像の範囲ですけど」

裁判長「どうしてか、よく考えてくださいね」

次回、1月17日には検察側の論告と弁護側の最終弁論が行われ、すべての審理が終わる予定です。

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