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軽石をゼオライト化 厄介者を吸着材にして水質浄化など目指す

  • 2021年11月25日

軽石は、関東では伊豆諸島だけでなく千葉や茨城などの海岸でも確認されています。軽石の漂着が問題となる中、神奈川県などの研究グループが漂着した軽石の表面に吸着材に使われる「ゼオライト」の結晶を作ることに成功しました。グループでは、水質浄化や放射性物質の除去など環境汚染対策への活用につなげたいとして実用化を目指すことにしています。

大量の軽石 ゼオライト結晶

小笠原諸島の海底火山、福徳岡ノ場の噴火で出た軽石が、各地に漂着している問題では、回収後の処分も課題となっています。

軽石の有効活用に向けた研究に取り組む、神奈川県立産業技術総合研究所と鹿児島県工業技術センターの研究員らのグループは、与論島などで採取された福徳岡ノ場から流れ着いたとみられる軽石で実験を行いました。

実験では、軽石を水酸化ナトリウムを溶かした水に入れ、密閉して100度以下で加熱した結果、表面に「ゼオライト」の結晶を作ることに成功しました。現在、漂着が問題となっている軽石では初めてだということです。

左:処理前の軽石 右:処理した軽石

研究グループによりますと、ゼオライトは髪の毛の20万分の1ほどの極めて小さな穴が多くあり、分子サイズの物質も吸着できる特徴から、吸着材などにも利用されているということで、表面をゼオライト化させた軽石を水に浮かべることで、水質浄化や放射性物質の除去など環境汚染対策への活用が期待されるとしています。

神奈川県立産業技術総合研究所 小野洋介主任研究員
「各地域で困っていると思うので回収後の新しい用途として役立てばと思う。今後は企業などへの技術移転という形で実用化に向けて取り組みたい」

千葉の海岸にも軽石漂着

各地に漂着する軽石。
千葉県では新たに南房総市で軽石が確認されました。
千葉県内ではこれまでに館山市や勝浦市などで少量の軽石が確認されています。

県によりますと23日、新たに南房総市にある県の水産関係施設で、数ミリから17ミリほどの軽石がおよそ40個確認されたということです。

千葉県はまとまった量の軽石が漂着した場合に備え、伊豆大島近海に漁業調査船を派遣するなど、海面の監視を続けていて、房総半島沿岸や東京湾の沖合およそ30kmの範囲では現在のところ軽石の漂流は確認できていないということです。

また、県は、港への侵入を防ぐためのオイルフェンスの設置場所を検討するなど、対策の準備を進めています。

茨城の海岸でも確認

茨城県神栖市の海岸でも少量の軽石が見つかりました。軽石が見つかったのは神栖市の日川浜海岸です。

地質を専門にするコンサルタントの横山芳春さんが23日、調査を行っていたところ、20個余りの軽石が砂浜に打ち上げられているのを見つけました。
濃い灰色でゴツゴツとした形をしているほかところどころに黒い粒状のものが混じっているのが特徴です。

地質コンサルタント 横山芳春さん
「この特徴は小笠原諸島の海底火山『福徳岡ノ場』が噴火した際に出たとされる軽石と一致していて、同じ軽石である可能性が高い。大量のものが一気に押し寄せているわけではなく、現状での影響はないのではないか。軽石が漂着すること自体は一般的であり、茨城県は冷静に対応するべきだと思う」

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