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千葉 八街 通学路で児童5人死傷事故 初公判【詳細】

  • 2021年10月6日

千葉県八街市で小学生の列にトラックが突っ込み児童5人が死傷した事故で、酒を飲んで運転し事故を起こしたとして危険運転致死傷の罪に問われている元運転手の初公判が開かれ、元運転手は起訴された内容を認めました。初公判の詳しい内容です。

被告 危険運転致死傷の罪

千葉県八街市の元トラック運転手、梅澤洋被告(60)はことし6月、酒を飲んでトラックを運転し、居眠りをして下校中の小学生の列に突っ込み、谷井勇斗さん(8)と川染凱仁さんを死亡させるなど児童5人を死傷させたとして危険運転致死傷の罪に問われています。

6日、千葉地方裁判所で開かれた初公判。朝から傍聴を希望する多くの人が列を作りました。裁判所によりますと、用意された27席の傍聴席に対し、284人が傍聴を希望し、抽せんの倍率はおよそ10倍でした。

列に並んだ20代女性

事故の経緯や、客観的な判断で判決が下されるのかを知りたかったので来ました。被害者遺族のことを考えると胸が痛みます。

開廷~罪状認否

午前10時。
開廷直前に一般の傍聴人や記者が法廷に入った際には、すでに梅澤被告は弁護士の席の隣に着席し、黒っぽいスーツに紺色のシャツを着てうつむいた様子でした。


午前10時すぎ開廷。
裁判長に促され梅澤被告が正面の証言台に立ちました。

裁判長)「名前は」
梅澤被告)「梅澤洋です」
裁判長)「職業は」
梅澤被告)「無職です」

○罪状認否
裁判長)「内容に間違いはありませんか」
梅澤被告)「ないと思います」
被告側弁護士)「被告人と同じです」

冒頭陳述の内容

続いて行われた冒頭陳述で検察は、事故にいたる経緯を明らかにしました。

○経歴など
「被告は月曜日から土曜日までの午前6時から午後5時までの間に、トラックを運転して、資材を近郊の建設現場まで運ぶ仕事をしていた。平成30年5月、13トントラックで事故を起こし、それ以降は7トントラックを割り当てられ、同様の業務にあたっていた」

○飲酒しての業務は以前から
「令和2年中には、業務中にトラックで酒を飲んで運転するようになり、会社の従業員から飲酒について注意を受けていた。しかし、被告は注意を聞き流して飲酒を続けていた」

○事故前の飲酒はPAで
「事故当日のことし6月28日、勤務先に出勤したあと、午前中に資材運搬を行って勤務先に戻り、午後、2件目の運搬業務として、東京・江戸川区の建設現場に向けて、資材を積んで八街市の会社を出発した。江戸川区で資材を積み下ろしたあと、八街市の勤務先への帰途についた。八街市に戻る途中、午後2時ごろ、コンビニエンスストアで、アルコール度数20度、220ミリリットルの焼酎を購入した。インターチェンジから京葉道路に入り、幕張パーキングエリアで昼食をとりつつ、購入した焼酎を飲みきった」

○飲酒後の運転状況
「パーキングエリアを出発し、京葉道路から東関東自動車道に入ったが、その頃から、走行車線内を左右に寄って走行したり、方向指示器を点滅させたまま直進を続けたりする運転を行った。東関東自動車道をおりて、勤務先に向けて一般道を走行し、現場に至った。
現場は、幅約6.9メートルの見通しのよい直線道路で、歩道や路側帯は設けられていない道路である。

被告は、現場のおよそ120メートル手前では、摂取したアルコールの影響で仮睡状態に陥っており、トラックを左前方に斜行させながら、時速56キロで走らせ続けた。現場の直近では、道路左側の畑に脱輪しながらトラックを逸走させ、道路と畑の間の電柱にぶつかってこれをなぎ倒し、被告から見て道路左端を歩いてきた児童5人に次々とトラックを衝突させた。その後、その場に駆けつけた警察官に現行犯逮捕され、飲酒検知では、呼気1リットルあたり0.15ミリグラムのアルコールが検出された」

証拠調べ~閉廷

冒頭陳述のあとの証拠調べでは一部の関係者の証言などが読み上げられました。

会社の取引先 会社員の証言
「酒くさかった。深酒かと思ったが、酒くさい日がつづいたので、『大丈夫か?』と勤務先に警告した」

初公判は、午前10時40分ごろに終了し、次回は11月15日に証人尋問や被告人質問が行われる予定です。事故に至る経緯などを、被告本人がどう語るのか注目されます。

 
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