赤く燃える炎のように見えることから名付けられた猛毒のキノコ「カエンタケ」。山梨県山中湖村の山林や住宅地で生えているのが確認されました。
過去には食べた人が死亡したケースも報告されているほか、ことしは生えやすい環境になっているということで、村では、絶対に触ったり食べたりしないよう呼びかけています。また、都市部の公園でも注意が必要なようです。
山梨県山中湖村によりますと、カエンタケは8月ごろから村内の山林や住宅地など数か所で見つかりました。
1週間ほど前に見つけました。身近に出て驚きました!
「カエンタケ」は、傘の部分がなく大きいものでは高さ10センチほどにもなり、赤い燃える炎のような形が特徴です。
極めて毒性が強いため、さわると皮膚が炎症を起こし、少しでも食べるとおう吐や手足のしびれなどの症状がでて死亡するおそれがあります。
カエンタケは枯れ木の根の近くにはえることが多く、村によりますと、ことしはナラの木が害虫で枯れる「ナラ枯れ」が去年の数十倍の規模で広がっているため、カエンタケが生えやすい環境になっているということです。村では子どもや散歩の犬などには特に注意するよう呼びかけています。
山中湖村村民生活環境産業課 高村美由紀係長
「見つけても絶対に触ったり食べたりしないよう注意して、村に連絡してほしい」
このニュースが流れると、SNS上には次のような声が続々と…。
でも、このキノコを食べてしまい、死亡するケースがあとを絶ちません。
群馬県中之条町では、2000年10月に近くの山から採ってきたキノコを食べた55歳の男性が、吐き気などの症状を訴えて死亡しました。
群馬県衛生食品課によりますと、男性は近くの山から採ってきたキノコを10月13日の朝、油で炒めて食べたところ、吐き気や下痢などを訴えて病院に入院しました。そして3日後になって腎不全や肝不全などのため亡くなったということです。
男性は家族に対し、このキノコを食用の「ベニナギナタタケ」と説明していたということですが、群馬県で調べたところ「カエンタケ」とわかったということです。
山梨 山中湖村
さらに、1999年10月3日には新潟県見附市の旅館で放置されていた毒キノコを食べて重体になっていた客の58歳の男性が死亡しました。
新潟県によりますと、見附市の旅館で、客の男性5人がロビーに置いてあった「カエンタケ」を食べて、下痢や手足のしびれなどの症状を訴え、3人が病院に入院しました。このうち、58歳の男性は重体になっていましたが、死亡しました。
病院によりますと、この男性は毒キノコのアレルギーによるショックで循環器不全と腎不全を起こしたということです。
新潟県によりますと、このキノコは旅館の主人が採ってきて一旦、庭に捨てましたが、誰かがロビーに持ち込んで放置し、これを5人の男性が自分たちで酒に浸して食べたということです。
この「カエンタケ」、都市部の自治体でも注意が必要なようです。
横浜市でも、公園や市民の森など市内の複数の場所でカエンタケが確認されているとして、ホームページで呼びかけを行っています。