モデルナの新型コロナウイルスのワクチンについて、2回目の接種後は、およそ75%の人が発熱していたことが、厚生労働省の研究班の調査でわかりました。けん怠感や頭痛といった症状も1回目より多く見られたということで、国の研究班は症状がおさまるまで安静にしてほしいと呼びかけています。
この調査結果のほか、接種対象の年齢拡大など、このワクチンの最新の動きをまとめました。
アメリカの製薬会社、モデルナの新型コロナウイルスのワクチンは、ことし5月、国内で承認されました。接種方法は筋肉注射で、皮下脂肪の奥にある筋肉に打つ注射の方法で、肩に近い腕の部分、上腕部に注射針を直角に刺して接種します。1回目の接種のあと、通常、4週間あけて2回目の接種を受けます。
モデルナのワクチンについて、厚生労働省の研究班は、接種を受けた自衛隊員のうち、1回目の接種を受けたおよそ5200人と、2回目を受けたおよそ1000人について、接種後の症状を調査しました。
「発熱」(37.5度以上)が見られた人の割合
1回目の接種翌日が4.7% 翌々日が2.2%
2回目の翌日は75.7% 翌々日は22.3%
「けん怠感」
1回目の接種翌日が20.9% 翌々日が14.1%
2回目の翌日は84.7% 翌々日が47.6%
「頭痛」
1回目の接種翌日が11.7% 翌々日が8.5%
2回目の翌日は63.8% 翌々日は38.7%
女性のほうが、頻度が高い傾向が見られたということです。
国の研究班の代表 順天堂大学医学部 伊藤澄信客員教授
「接種から3日後には症状がおさまっていることが多いが、発熱は40度に達することもある。特に2回目の接種後は安静にして、翌々日ごろまでは仕事や学校を休むことも検討してほしい」
厚生労働省はことし5月にモデルナのワクチンを承認した際、接種が可能な年齢を18歳以上に限っていましたが、その後、モデルナは、アメリカで12歳から17歳を対象に行った治験で有効性と安全性を確認したとして、厚生労働省に追加のデータを提出していました。
これを受け、厚生労働省は、接種が可能な年齢を現在の18歳以上から12歳以上に拡大することを決めました。モデルナは、日本以外でも接種年齢の拡大を求めていて、アメリカやEUでも対象年齢を12歳以上にする方向で審査が進められています。
国内では、ファイザーのワクチンも、6月、対象年齢が12歳以上に拡大されています。