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コロナ禍の夏山 単独登山が増加か 死亡のケースも

  • 2021年7月21日

梅雨が明け、本格的な夏山シーズンとなりましたが、注意が必要なのが「単独登山」。長野県内では単独の登山者が死亡するケースが、7月に入り相次いでいます。コロナ禍の夏山で何が起きているのか?注意すべき点は?

コロナ禍「友人を誘いづらい」

北アルプスの玄関口、長野県松本市の上高地には7月17日早朝から、多くの人が山に入る準備をしていました。そのなかで目立ったのが単独での登山者の姿です。
その理由を聞いてみると。

「友達とも行きたいなと思うけれども、新型コロナにかかるのがこわいなというのもあってあえて1人で来てみた」

 

「友達はまだ誘いづらいですね。コロナ禍だと、ひとまず単独でいいかなと思います」

 

上高地の登山相談所によりますと、この日提出された登山計画書では入山した194人のうち47.4%にあたる92人が単独での登山者だったということです。
長野県警察本部は、はっきりとしたデータはないものの、コロナ禍で密を避けようと単独登山者が増えている印象があると危機感を募らせています。

遭難で死亡 いずれも単独で登山

長野県内では、7月1日から19日までに13件の遭難が発生しています。
このうち北アルプスの奥穂高岳と霞沢岳、八ヶ岳連峰の赤岳では30代から50代の男性3人が滑落するなどして死亡しました。死亡した3人はいずれも単独で登山していたということです。
これは、過去3年の7月の1か月に登山で遭難し死亡した人の数を上回っています。

警察は「単独の登山は安全管理の判断を1人でしなければならず、遭難した際、発見や救助が遅れるリスクがある」と話しています。

単独登山の危険を知ってほしい

長野県警察本部は、単独での登山に注意を呼びかける機会を増やそうと、登山用品の専門店に協力を呼びかけ、従業員を対象にした講習会も開きました。
店員から客に単独登山への注意を呼びかけてもらうのが狙いです。
警察の担当者は、「1人で山に登ろうとする客がいたら、単独登山のリスクを説明したうえで適切なアドバイスをしてほしい」と呼びかけました。

講習会に参加した専門店の店長
「どこに行く予定なのか、仲間がいるのか話を聞いて、しっかりと遭難防止につながるような案内はできると感じた。専門店として、遭難防止のために自分たちができることはまだまだあり、単独なのか、複数人なのかを客から聞き取ったうえでアドバイスしていきたい」

長野県警察本部は、「単独の登山は安全管理の判断を1人でしなければならず、遭難した際、発見や救助が遅れるリスクがある」として、初心者は特に、経験者と複数人で登山するよう呼びかけています。

長野県警 山岳遭難救助隊 岸本俊朗 隊長
「きちんとした知識や情報を備えていただければ防げる遭難というのはある。ガイドさんと一緒に登っていただくとか仲間を見つけて複数で登っていただくことなどが、安全な登山のために大事なことだと思います」

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