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通学路で児童死傷事故「対策徹底していれば…」5年前も別の場所で

  • 2021年7月6日

千葉県八街市で小学生の列にトラックが突っ込み児童5人が死傷した事故から5日で1週間です。八街市では、5年前にも同じ小学校の登校中の児童の列にトラックが突っ込んで4人が重軽傷を負う事故が別の通学路で起きています。

「対策を徹底していればこういう事はなかった。市は子どもの目線に立って対策を進めてほしい」当時、長女がけがをした男性の思いです。

5年前も同じ小学校の児童が 別の通学路で…

5年前の当時、男性の長女は、ガードレールのない歩道を歩いていて、後ろから来たトラックにはねられました。ランドセルには、そのときの衝撃をものがたる傷が残されています。

長女は全身に打撲やすり傷を負い、事故の恐怖心からしばらく学校だけでなく外に出ることもできなくなったといいます。
現場の道路には、事故からおよそ1か月後にガードレールが設置されました。
しかし、長さはおよそ20メートルで、この場所以外はガードレールのない道路が今も続いています。男性は、市内にはほかにも危険な通学路が多いと指摘しています。

男性

「5年前の事故を踏まえて対策を徹底していれば今回の事はなかったと思います。娘も、『やはり事故が起きた。私がひかれたときに対策も何もしていないから、また事故が起きて、その場所だけガードレールをつけるのではないか』と言っていました。歩いてみると、ほかの場所でも、危ない道はたくさんあります。市は子どもの目線に立って対策を進めてほしいです」

八街市の対応は

八街市によりますと、今回事故が起きた市道は、平成20年度から4年にわたって小学校のPTAが毎年ガードレールの整備などを求めていたということです。
しかし、市は財源の制約などから整備は実現しなかったとしています。

八街市 北村新司市長(6月30日の会見)
「財源が限られるなか、今回の場所は申し訳ないが十分な措置ができなかった。通学路全体を考えながら道路の整備を進めていて、順序をつけてやっていたことはご理解いただきたい」

市では、現在は60キロとなっている現場付近の最高速度を、より低く抑えることを警察に要望したり、車道の外側を示す線を引くなどの対策を行ったりして、安全対策を強化する方針です。

注目されるスクールバスの活用

通学路の安全対策が十分進まないなかで、登下校時の安全を確保する方法の1つとして注目されているのがスクールバスの活用です。

千葉県成田市では学校の統廃合に合わせて、市内にある7つの小中学校に、合わせて25台のスクールバスを導入しています。
現在、統廃合で通学が不便になった児童と生徒合わせておよそ700人が利用していて、市は遠くから通う児童の安全な登下校につながっているとしています。

一方、スクールバスの導入を進める上で課題となっているのが費用です。自治体が国から導入にかかる費用の助成を受けられるのは、学校が統廃合した場合などに限られています。

千葉県は、八街市での事故を受けて、スクールバスの助成への要件緩和などを国に求めています。

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