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アップリンク渋谷が閉館 竹中直人さん「思い出にしたくない」

  • 2021年5月21日

東京・渋谷にあり、いわゆる「ミニシアター」の代表格として独自に選んだ作品を上映してきた「アップリンク渋谷」が20日、閉館しました。コロナで資金繰りが厳しくなったためです。最終日の上映では、作品に出演した俳優の竹中直人さんがかけつけ「アップリンク渋谷を絶対思い出なんかにしたくない。また皆さんと出会える事を、ずっと願っています」と語りました。

コロナ禍で資金繰りが苦しく

平成7年に開業した「アップリンク渋谷」は、大手の映画配給会社が扱わない作品を独自に選んで上映してきました。3つのスクリーンのほか、ギャラリーやカフェレストランを併設し、ファンに親しまれてきました。

去年、およそ2か月にわたって休業したあともコロナ禍の影響が続き、4月にウェブサイトに掲載した「閉館のお知らせ」には、「昨年はぎりぎり生き延びることができましたが、今年はさすがに限界を超える状態で、先が見えない状況」などと記していましたが、コロナ禍で資金繰りが厳しくなったとして20日、閉館しました。

“私のオアシス” “一番通った” 惜しむ声

最終日には閉館を惜しむファンが訪れていました。

10年以上通い続けていたという30代の女性
「おうちと映画館の間みたいな空間で、ひまがあると行きたくなる空間でした。一番前の席で見るのが好きで、一番通った映画館なので、閉館してしまうと聞いてショックでした」

チェコから日本に来て4年という女性
「ここは私にとって文化の小さなオアシスです。こんな場所はほかにはありません。いい思い出がたくさんあるので(閉館は)とても悲しいです」

竹中さん「絶対思い出なんかにしたくない」

最終日となった20日は14本の作品が上映され、このうちコロナ禍での映画撮影の舞台裏を追ったドキュメンタリー作品「裏ゾッキ」の上映後には、監督や出演した竹中直人さんなどによるトークショーが開かれました。

竹中さん
「きょう閉じてしまうこのアップリンクで、この時間を共有できる方々が今ここに、本当に限りある人数で存在してくれた時間というのはずっと残っていく。絶対思い出なんかにしたくないし、またアップリンク渋谷で皆さんと出会える事をずっと願っています。『アップリンクは思い出なんかじゃねーぜ!』みたいな感じです」

コロナで追い詰められるミニシアター

ミニシアターの全国団体、「コミュニティシネマセンター」によりますと、「ミニシアター」は、全国におよそ130館あり、多くがコロナ禍で厳しい経営に直面しています。

今回の緊急事態宣言で東京都は、床面積が合わせて1000平方メートル以下の小規模な映画館に対して、独自に休業の協力を依頼しています。都は中小企業が運営するミニシアターが協力に応じた場合、1日2万円を支給するとしていますが、コミュニティシネマセンターなどによりますと、多くのミニシアターが感染対策をとりながら営業を継続しているということで、「アップリンク渋谷」も20日まで営業を続けてきました。

これについて、ミニシアターなどを支援する団体は、「協力金は、とても事業規模に合致しているとは言い難く、このままでは興行の継続が困難に陥ることは時間の問題」などとする声明を発表しています。

一方、苦境のミニシアターを支援する取り組みも広がり、映画監督が発起人となって去年立ち上げた「ミニシアター・エイド基金」では目標としていた1億円の3倍以上となる3億3000万円余りが集まり、全国のミニシアターに配られたということです。

また、文化庁は、映画館で特集上映などのイベントを開催する際の補助金の1次募集の申請を、5月24日まで受け付けています。

 

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