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緊急事態宣言 都内繁華街の人出「危機的状況 徹底した抑制を」

  • 2021年4月30日

3回目の緊急事態宣言が出された28日の東京の人出は、2回目の宣言の時より増加、また、去年の1回目の宣言の時と比べると、大幅に増えました。さらに、都のモニタリング会議で専門家は28日、先週の都内の夜間の人出は去年4月の1回目の緊急事態宣言のおよそ3倍になるなど「危機的な状況だ」として大型連休中の人の流れの抑制が重要だという認識を示しました。

3回目の緊急事態宣言 都内の28日の人出は

NHKは、IT関連企業の「Agoop」(アグープ)が、利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使って、3回目の緊急事態宣言が出された東京、大阪、兵庫、京都の主な地点の人の数を分析しました。

分析した時間
日中 午前6時~午後6時まで
夜間 午後6時~翌日午前0時まで

このうち東京について見ますと、28日の人出は、2回目の宣言が出ていた期間の平日の平均と比べると、「東京駅付近」で日中が15%、夜間が33%増加、「渋谷スクランブル交差点付近」で日中が7%、夜間が23%増加しました。

また、去年の1回目の宣言が出ていた期間の平日の平均と比べますと、人出はさらに増えました。増加率は「東京駅付近」で日中は99%(2倍近く)、夜間も146%(約2.5倍)、「渋谷スクランブル交差点付近」で日中は69%(約1.7倍)、夜間も152%(約2.5倍)となりました。

夜間の人出「危機的な状況」 都のモニタリング会議

こうした人出について、専門家が警鐘を鳴らしています。都内の新型コロナウイルスの状況について、28日に開かれた都のモニタリング会議では、東京都医学総合研究所の社会健康医学研究センターの西田淳志センター長が、都内7つの繁華街の人出について分析結果を報告しました。

それによりますと、4月18日から24日までの1週間の夜間の人出は、2回目の緊急事態宣言が出されていた、ことし1月と比べると、午後8時から10時までが1.57倍、午後10時から午前0時までが1.53倍でした。

また、1回目の緊急事態宣言が出されていた去年4月に比べると、午後8時から10時までが3.29倍、午後10時から午前0時までが2.80倍でした。

西田センター長
「危機的な状況にある。この水準が続くと大型連休中に感染者数がさらに増加し続ける可能性が高い。この期間に集中して人流を抑制できるかが今後の感染状況を左右する非常に重要な分岐点になる」

また、大阪は人出が減少に転じてすでに1か月経過しているものの、感染の収束の見通しはたたず、医療のひっ迫が極めて深刻だとして、「東京もさらに感染が拡大すると大阪のように収束までに相当な時間がかかる可能性がある」と指摘しました。

急増前のクリスマス前後に似た状況 「徹底した人流抑制を」

都内の感染状況について都のモニタリング会議で専門家は、新規陽性者の7日間平均が、4月27日時点でおよそ716人と、増加比は、4月21日時点のおよそ644人の118%となり、3週連続で120%前後の高い水準だとしています。

そのうえで、専門家は新規陽性者が急増しているいまの感染状況は、年明けに感染が急拡大する前の去年のクリスマス前後と似ていると指摘しました。
そして、大型連休の期間などに、さらに人と人との接触が増えれば、第3波を超える急激な感染拡大が危惧されるとして、徹底した人の流れの抑制が必要だと指摘しました。

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