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企画ニュース

東京パラリンピックまで2年(3) 「多くの人に関心を」観客をどう集める? 8月24日

首都圏放送センター

早川 沙希

パラスポーツをめぐっては、8月に開かれた車いすラグビーの世界選手権で日本が金メダルを獲得するなど、選手の活躍を通じて競技への関心も高まっています。

その一方で、東京都が去年行った世論調査で、東京大会の競技を会場で観戦したいと答えた人はわずか20%。

多くの人の関心を高め、そして、実際に観戦してもらうためには何が必要か、東京都の取り組みを取材しました。

 

下半身に障害のある人がバーベルをあげる「パラパワーリフティング」。ウエイトリフティングと違いあおむけの状態で行います。

8月、東京都内で行われたパラスポーツの体験会で紹介されました。

子どもたちも挑戦しました。挑戦した子どもからは「すごく重かった」という声も。

 

こちらは目の不自由な人の馬術。馬の模型を使って競技を体験しました。

都は、ことしから東京大会の22の競技すべてで、体験会を開いています。

 

都は去年、都民を対象に、東京大会で観戦したい競技を調査しました。車いすのテニスやバスケットボールなど、メジャーな競技は50%近くに上りましたが、半数を超える競技が10%以下にとどまっています。

知名度の低い競技も、その魅力を知ってもらいたい。都は今年度、37か所でイベントを開く予定です。

 

今回行われたパラスポーツ体験会の参加者からは「知らない競技のほうがたぶん多いと思いますね。きょうは、いろいろ見られたらと思っています」「オリンピックもパラリンピックも、どちらもいろいろなものを知って、経験できたらいいなと思います」という声が聞かれました。

 

都は、東京大会の観客を増やすため、ことし4月には専従チームを設けました。

東京都パラリンピック部の浅川健太郎担当課長は「2020年のパラリンピック本番では、競技会場を観客で満員にするという、一つの大きな目標があります。今のうちから多くの方々に、競技会場に足を運んで観戦していただくことが重要」と説明します。

専従チームは、高いレベルの競技を通じておもしろさを知ってもらおうと、都内で開かれるパラスポーツの国際大会で観客を増やす戦略を進めています。

 

その1つが、9月、町田市で開かれるパラバドミントンの国際大会です。

パラバドミントンは、東京大会で初めて採用されました。障害の程度に合わせて6つのクラスがあり、車いすのクラスでは車いすを巧みに操ったラリーが魅力です。

去年、開かれた国際大会で日本選手3人が優勝し、東京大会の本番でもメダルが期待されています。

 

この日、東京都の専従チームのメンバーが競技団体のもとを訪れました。スタッフの少ない競技団体のために、観客集めや国際大会の運営を手伝おうというのです。

浅川担当課長から「小中学校を中心に、チラシを生徒1人1人になるべく行き渡るように周知したい。そうすると、生徒が自宅に持ち帰り親御さんが見るので、一緒に来ていただければ」と、そのねらいを伝えました。

パラバドミントンの団体側も「選手もモチベーションが上がるし、大変ありがたい」と歓迎の声が。

都と競技団体が連携し、国際大会に合わせて選手との交流会や競技の体験会などを行うことになりました。

 

日本障がい者バドミントン連盟の平野一美理事長は「大会を開くことだけでも、大変な労力を使っていまして、それを周知するというところまでは正直なところ手が回らないのが現状です。このパラバドミントンという競技自体があまりまだ知られていない状況ですので、1人でも多くファンになっていただければ」と訴えています。

 

さらに、国際大会が開かれる多摩地域の企業にも協力を呼びかけています。訪れたのは、支店や取引先の多い信用金庫。国際大会のPRを依頼しました。

都の担当者は「有力競技なので、応援しがいがあると思います。知っていただくと、2020年もかなり楽しめると思うので」と積極的な協力を求めていました。

多摩信用金庫の担当者は、「支店へのチラシの配架と職員への周知はもちろんなんですが、われわれもいろんな地域の支援機関や拠点を持っている方々と接点がある、可能であればそういう方々にも告知したいと思います」と答えていました。

2年後に向けて、さまざまな競技の国際大会が開かれる見通しで、都はこうした機会を生かしていく考えです。

浅川担当課長は「東京都だけでどうこうなるものではない、地元自治体もそうですが、企業・学校の協力を得ながら進めていくことが重要かなと思っています」と話しています。

 

東京都は、単に競技を知ってもらうだけではなく、世界トップレベルの試合に触れることが競技や選手のファンになってもらう近道だと考えています。来年には、東京パラリンピックのチケットの販売も始まります。それまでにパラスポーツのファンをどれだけ増やしていけるのか、地道な取り組みが続きます。