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企画ニュース

東京五輪・パラで東京の野菜を世界に発信 8月8日

首都圏放送センター

橋本 奈穂

東京オリンピック・パラリンピックには大きな経済効果が見込まれ、ビジネスチャンスとしても期待が集まっています。

そうした中、東京都が売り込みに力を入れているのが東京の野菜です。

選手村などで提供される食事に地場の野菜を使ってもらうことで、東京の農業のPRにつなげようという狙いなんです。

 

2年後に迫った東京大会に向けて、今月7日開かれた関係省庁の会合。

大会を通じて、日本の食文化を世界に発信していくことを目標に掲げました。

会議では鈴木俊一五輪・パラ担当大臣が「世界から集まる選手や観客の皆さんに、日本の『食』のすばらしさを実感してもらえるよう、ともども力をあわせて頑張りましょう」と強調しました。

 

こうした動きにあわせて、東京都が売り込もうとしているのが野菜です。

地元で作られる野菜を選手や大会関係者に食べてもらい、東京の農業のPRにつなげたい考えです。

 

東京都食料安全課の小寺孝治課長は「東京の農業は全国に比べたら規模はやや小さいのですが、新鮮な農産物を日々、直売を中心に提供させていただいている。東京の農業を世界の、国内外の人たちに知っていただける大きなチャンスだと思います」と意気込みます。

 

東京都の呼びかけに応じた小平市の農家、岸野昌さんです。

選手村や競技会場で、自分が育てた野菜を食べてもらいたいと考えました。

岸野さんは「海外からいらっしゃった選手の方、観光客の方、そういう方に東京の野菜を味わっていただければ」と期待を寄せます。

 

「これが内藤トウガラシです」。

岸野さんが生産しているのは、江戸時代から地元で栽培されてきた伝統野菜です。

その歴史と、限られた地域でしか手に入らない希少価値がセールスポイントです。

「オリンピックに向けて外国の方が来たときに、お肉の付け合わせとして、薬味として使っていただければ幸せかなと思います」。

 

岸野さんのような農家の野菜を大会で採用してもらうため東京都が設けたのが、野菜の品質にお墨付きを与える「東京都GAP」と呼ばれる制度です。

このGAP、国際的に知られる認証制度で、農作物の安全性や生産方法を評価するものです。

これにならって、東京都は88項目からなる厳格な基準を独自に設け、認証の取得を農家に呼びかけています。

 

この日、農業用ハウスの設置状況や農機具が適切に管理されているかなどを入念に見て回った都の指導員。

途中で、意外なものに目をとめました。

 

視線の先にあるのは、畑と道路の境目です。

指導員が「風が吹いて砂が道路側に流れることはありますか」と質問したのに対し、岸野さんは「雨のときですね。畑から流れてきた土が道路に出てしまうことはあります」と答えました。

都の指導員は、雨や風によって畑の土が外に流出するおそれがあることを問題点として指摘しました。

東京都GAPでは独自の基準として、周辺の環境に影響を与えない工夫も義務づけているのです。

 

「ここは対策をお願いします」。

「はい、わかりました」。

指摘を受けた岸野さんは人工芝を敷いて、土が流れ出ないよう対策をとることにしました。

東京都と二人三脚でGAPの取得を目指す岸野さん。地元野菜の世界発信に挑みます。

岸野さんは「日本産、しかも東京の野菜。これがすごく魅力的な言葉だと思います。目の前にしたオリンピックに向けての、まずは一つのチャレンジだと思って頑張ります」と思いを話していました。