首都圏ネットワーク

5月31日放送
シェアが映すニッポン(3)孤立しがちな親を支援

鈴木 陽平

鈴木 陽平
今回は、「子育て」のシェアについてです。
核家族化の進行などで子どもを育てる日々の生活に追われ、孤立しがちな母親などを支えようと、子育てを分かち合う取り組みを取材しました。
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さいたま市の主婦、江島真由美さんです。
この日、自宅から子どもを迎えに行きました。
待っていたのは、小学1年生の男の子です。
男の子のお母さんから頼まれて自分の家で預かることになっていたのです。
夕方まで自分の子どもと一緒に面倒を見ます。
「無事に家に着きました」と報告します。
江島さんが利用しているのは、横浜市のベンチャー企業が立ち上げた「子育てシェア」です。
その仕組みです。
会員登録した母親などはベンチャー企業が開く交流会に参加していざという時に頼ることが出来る知り合いを作ります。
子どもを預けたい母親が専用のサイトから依頼すると、あらかじめ知り合いになった会員のうち対応出来る人が「いいよ」と手を挙げるというものです。
お互いに子どもを預けたり預かったり出来るのです。
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預かってもらったら1時間につき500円ほどを直接相手に支払います。
首都圏を中心に4万8000人が登録しています。
子どもが大好きで、これまでは預かることが多かったという江島さん。
最近は長女が小学校に入り行事が増え、下の子どもを預かってもらう機会が増えているということです。
江島さんは「今までは預かってばかりだったんですけど、逆に私が預けたいと思った時に預けやすかったですし、その時の自分のライフスタイルに合わせて預けたり預かったりとか、どっちでも大丈夫なので」と話します。
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夕方、男の子のお母さんが迎えに来ました。
ことし2月に引っ越してきたばかりで、地域に知り合いはいませんでしたが、子育てシェアが地域とつながるきっかけになっています。
男の子のお母さんは「何かあった時に、あの人に頼れるんだっていう安心材料があるので、急に何かあって不安になって孤立しちゃったりすることがないですよね」と歓迎しています。
江島さんは「周りのお母さんたちが安心してくれる。それが本当にうれしいというか、頼りやすいなって思える地域になって、子どもたちのためにも、私のためにも良かったなって思っています」と話していました。
住民が定期的に入れ代わる団地では、地域のつながりが薄くなり子育て世代の支援はより大きな課題です。
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5月、横浜市の団地の集会所で開かれた交流会です。
集まった母親からは「家に引きこもっちゃうお母さん、多いからね」「悩むけどね」といった声が聞かれました。
多くの母親が孤立を感じていました。
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参加した母親の1人は「まだ保育園にも預けてないので友達などもいなくて、預けられる所はないんですけど」と訴え、別の母親は「交流があまりないので、どうしても助けてほしいなっていう時に助けてもらえないことがすごく多い」と不安を口にします。
このため「子育てシェア」を立ち上げたベンチャー企業は、団地を管理する機構と協力して新たなシェアの仕組みを探っています。
子育てを終えた世代や高齢者なども多く住む団地。
こうした様々な世代にも子育てシェアに参加してもらいたいと考えているのです。
ベンチャー企業の担当者は「子育て世帯の方にフォーカスはしているんですけど、今、日本の人口としてもシニアの方がどんどん増えてくる、支援する側の人というのは必然的に増えてきている」と話します。
UR都市機構の担当者は「お孫さん世代の方とふれあうということを楽しみにされている方がいらっしゃったり、日々の生活を豊かに出来るとは思うので」と、シニアの参加への期待を語ります。
今後、団地の自治会などに協力を呼びかけていくことにしています。
アズママ事業推進部の池田邦彦さんは「同じ困りごとを持っているという子育て世代の方たちが、お互い助け合うというのが第一段階だと思います。その次の段階として、いわゆる高齢者の方が若い世代を助けてあげる。また昔のようにご近所づきあいを増やすために子育てシェアというシステムを使って、現代版のご近所づきあいを復活させようと」と、先を見据えた夢を語ってくれました。

子育てのシェアで広がる助け合いが地域の再生にもつながろうとしています。

紹介した子育てシェアのサービスは、まず親同士が知り合いでないと預けることが出来ないようにしているほか、運営会社が保険に入り万が一の事故にも対応出来るようにしているということです。

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