首都圏ネットワーク

5月25日放送
今、注目集める「野菜すし」 人気の秘密は?

首都圏放送センター 中島 望
首都圏放送センター
中島 望
外国人に人気の日本食のひとつが「すし」。
今、全国で、そして世界で注目が集まる「すし」の正体が明らかになります。
都内で開かれた、あるベンチャー企業のパーティー。
出席者をくぎづけにしていたのが、色鮮やかな料理です。
実はこれ「すし」なんです。
魚介類を一切使わず、野菜を使った、その名も「べジすし」です。
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こちらはセロリやオレンジ、豆腐をマリネにし、酢飯の上にのせました。
これは、古代米の酢飯に、オリーブとトマトを飾ったもの。
いずれも酢飯と野菜の組み合わせなんです。
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出席した女性からは「見た目がきれいでパーティー感もある」という声が聞かれ、男性からも「和風っぽくもあり洋風っぽくもあり、不思議な感じでおいしい」と好評のようです。
このすしを考案したのは3人の若者。
それぞれ海外で活躍する野菜ソムリエ、フードデザイナー、シェフです。
3人が料理を提供したパリでのパーティーの様子です。
海外には宗教や健康上の理由から、魚介類中心の「すし」を食べられない人が多いことを知り、「ベジすし」を考案し食べてもらいました。
3人のうちフードデザイナーの市角壮玄さんは「日本料理を食べたいのに、おすしは食べられない。非常に残念がっている方がとても多いのを見て、彼らが食べられる野菜のすしはないものか」と着想を話しています。
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「ベジすし」はパリで大好評。
瞬く間にSNSを通して話題となり、ドイツや台湾、そして去年からは日本でもケータリングでの提供が始まったのです。
この新たなすしのブームに乗り遅れまいと、町のすし店も変わろうとしています。
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さいたま市北区にあるすし店で、すし桶の中に並んでいるのは、野菜で出来たすしです。
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これはサーモンに見えますが、黄色いパプリカ。
貝に見えるのは、キクラゲ。
野菜を魚介類に見立てて握りずしにしてあるんです。
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このすしを作ったのは、店主の関根利明さんです。
埼玉県のすし組合の理事長も務める関根さんは、多くのすし店で売り上げが減少していることに危機感を抱いていました。
関根さんは「売り上げにしても客数にしても最悪ですね。ただおすしを握るだけのワンパターンでは、今もう、そういう時代はだめです」と断言します。
そこで着目したのが、全国有数の生産量を誇る「埼玉県産の野菜」。
農家や市場をめぐり、握りずしに適したものを1年かけて探し出しました。
関根さんは「埼玉は海なし県なんで、野菜を使ったすしを勉強会がてらやってみようかな」と振り返ります。
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関根さんは、味や見た目に独自の工夫をしました。
この「マグロに見えた寿司」、実は赤いパプリカです。
表面の皮をむき、くし切りに。
だし汁で煮詰め、隠し味に白ワイン。
そして酢飯と握り、アナゴに使うたれを、ひと塗りすれば出来上がり。
野菜すしを1貫150円で提供していますが、野菜を多くとりたい女性やサラリーマン、そして高齢者に好評なんだそうです。
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女性客は「食感がアワビ」と感想を口にし、男性客の1人は「食べてみて『おっ!』という、おすしなのかサラダなのか、いいとこ取りのおいしさ」と話し、別の男性客も「糖尿病なんかには野菜ものはいい。ちょいちょい来て食べてみたい」と好意的に受け止めていました。
関根さんは開発したレシピを冊子にまとめ、県内のほかのすし店に配布しました。
「野菜すし」を、世界に誇れる埼玉県の名物にしたいと考えています。
関根さんは「2020年の東京オリンピックにはどこにでも行きます。埼玉の野菜を持って握りに行きます」と意気盛んです。
赤いパプリカのおすし、食感はシャキシャキして、パプリカの甘みと酢飯の酸味のバランスが絶妙で、とてもおいしいとのことです。

今、野菜すしを自宅で作りたいという外国人も多いといいます。
東京・東村山市で開かれた、外国人が多く参加する料理教室。
野菜すしの作り方を教えてくれます。
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作り方は簡単。
玄米で作った酢飯を一口大に丸く握り、その上に切った野菜をのせていくだけ。
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ほうれん草はおひたしにしてから。
アスパラガスはバターで炒めてからのせるとおいしいそうです。
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参加した韓国出身の女性は「簡単に作れるから、子どもに食べさせたいです」と話し、中国出身の女性も「子どもが野菜をあまりとらない、お肉お肉ばかりで。食べさせたい野菜を入れようかなと思いまして」と、子どもの食事改善をねらっていました。
酢飯に玄米や古代米を使っていましたが、外国人の中には酢飯の酢がきつすぎるという人もいるようなんです。
玄米などは白米に比べてお酢を吸いにくく、味がまろやかになるため、おすすめなんだそうです。

海外で生まれたすしが、また日本に入ってきて進化し、新しい食文化として定着していくのかもしれません。

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