首都圏ネットワーク

1月13日放送
2017はばたく(7)世界のニナガワも評価!若き演出家の挑戦

首都圏放送センター 加藤 洋
首都圏放送センター
加藤 洋
今回は、演出家で劇作家としても活躍する藤田貴大さんです。
5年前、26歳で「演劇界の芥川賞」ともいわれる岸田國士戯曲賞を受賞。
手がけた作品が注目を集め続けています。

去年亡くなった世界的な演出家・蜷川幸雄さんも高く評価した藤田さん。
ことしはどのように飛躍を図るのでしょうか。
藤田貴大さん、31歳。
個性的な演出が若い世代を中心に人気を集めています。
去年12月に上演した『ロミオとジュリエット』。
対立する家の、男女の悲劇の恋を描いた物語です。
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ふたりが死を遂げる原作のラストシーンを冒頭に置き、舞踏会で初めて出会うシーンへとストーリーをさかのぼらせました。
古典を大胆に再構成した演出は、観客を驚かせました。

この作品の演出では、蜷川幸雄さんの存在を意識したといいます。
「ゼロ地点には、蜷川さんの『ロミオとジュリエット』が、たぶんあった気がしています。蜷川さんは男性のキャストだけでやってたところを、僕は女性だけのキャストでやりたいとか、そういうところもたぶん意識しているし、蜷川さんの舞台を見ているときに、これ“逆再生”にしたら面白いんじゃない、ということを考えていて、それを終演後に彼に伝えたら『面白いかもね』という話をしていたから」。
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2人が出会ったのは、蜷川さんが亡くなる2年前でした。
蜷川さんが藤田さんの劇を見に訪れたのが、きっかけです。
蜷川さんは藤田さんの才能を高く評価し、自ら演出する舞台の脚本を依頼するほどでした。
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「蜷川幸雄さんとたどりつきたかったところに、これからたどりつきたいなと。蜷川さんは、すごい自分の作品への向かい方がストイックで、それは彼の真面目さなんだと思うんだけど、ああやって真面目で自分がいられるかなというふうに、常に考えさせられたというか、まだまだ彼の言葉を聞いていたかったなというのはあります」。
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ことし藤田さんは、演劇のすそ野を広げていきたいと考えています。
震災のあと、福島県の中学生や高校生と続けている舞台を作る活動。
3月の上演に向けて稽古を重ねています。
「子どもたちとは『震災があったから出会ったよね』という始まり方ではなくて、『何か面白い作品つくろうよ』というだけの関係でいるんですけど。ただ、やっぱり過ごしていくと、福島県の中の変化もすごい考えることになっていくというか、時間というのは前に進むだけなので前に進んでいくのだろうけど、やっぱり刻まれている傷もあるし、何かそういうことを感じながら作品を作っているので」。
藤田さんは、福島だけでなく、地方の多くの町で自分の作品を見てもらう計画です。
それは、自分自身を振り返るとともに飛躍のきっかけになると考えています。
「僕自身、北海道出身で、18歳まで北海道で演劇やっていたんですよ。東京で高校のときに演劇やっていた人たちからは遅れたところに自分はいるんだろうなということでコンプレックスだったんだけど、そういう気持ちがまだ何かあるというか。そのころの自分の気持ちがまだ結構ビビッドにあって、18歳の頃の自分に今作っている作品を見せたいな、という気持ちで地方に行くというのがあって。作品を見られない人たちに作品を届けに行くような気持ちって、たぶん絶対必要だなというふうに思っていて」。
斬新な演出で新たな演劇の世界を切り開いてきた藤田さん。
ことしは、さらに新しい変化を生む年にしたいと考えています。

「“次に行かなきゃな”ということが明確になったので、自分の作品をどんどんある意味でシャープにしていったり、20代のころとは違う30代の凝った世界を作っていく、新しいことを始める年にしたいなと強く思いますね」。

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