首都圏ネットワーク

5月23日放送
きれいな町へ“新兵器” スマホでゴミ捨てなくせ

社会部 成田 大輔
社会部
成田 大輔
拾っても拾ってもなかなか減らない街なかのポイ捨てゴミ。
その解決策として、スマートフォンを使った新たな技術が注目されています。
路上を撮影するだけでゴミの場所や種類を分析し、これまでにない対策が立てられる新たなシステムを取材しました。
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都内で開かれた新たな調査システムの発表会です。
「いろいろな場所を調べたときのゴミの汚さを濃淡で示しています」と画面を説明する発表の担当者。
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スマートフォンで撮影した動画を解析し、たばこやペットボトルなどのゴミを自動的に判別します。
ゴミが集中している場所は地図に赤く表示されます。
ポイ捨ての状況が一目で分かり、効果的な清掃や対策につながると自治体の注目を集めています。
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「非常に期待しています」と話す目黒区の職員。
横浜市の担当者も「本当にぜひ活用したいなあと思います」と話していました。
システムを開発した小嶌不二夫さんです。
京都大学の大学院で環境問題の研究をしていましたが、5年前に退学し会社を立ち上げました。
スマートフォンを使えば、人手をかけずにポイ捨てゴミの対策ができると考えたからです。
小嶌さんは「全部の場所をパトロールしようとすれば、すごいお金になっちゃいますよね。広いエリアを同じ基準で見ようとすると人間の目ではやっぱり限界がある」と話します。
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このシステムを導入した自治体があります。
川崎市です。
市内にはポイ捨てが多く、効率的に清掃するにはどうすればよいのか、課題となっていました。
この日、地元のボランティアが初めて、解析された画像を参考にしてゴミを拾いました。
小嶌さんが「あっちにある仲見世通りのほうが汚いことが分かるので、こういうところから優先してきれいにしていきます」と説明します。
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これまでは駅の周りを中心に清掃してきましたが、この日はコースを見直しました。
画像を解析すると、駅前よりも飲食店街にゴミが集中していることが分かったからです。
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参加したボランティアの人は「タバコの吸い殻がこんなにあるとは思わなかったよ」と驚いた様子でした。
この日は、いつもの1.5倍のゴミを拾うことができました。
ゴミを拾ったNPOのリーダー、田村寛之さんは「ここまで多いとは正直思っていなかったですね。可視化されたデータを基に商店街の人や行政の人たちも一緒に取り組めたらいいなと思います」と話していました。
小嶌さんはオリンピックを前に東京の街も調べています。
このシステムを使えば、ポイ捨ての未然防止にも役立てることができると考えるようになりました。
有楽町です。
駅前の歩道の至る所にこびりついた黒い固まり。
目立つのがガムのポイ捨てです。
小嶌さんは「駅前に大きな交差点があるので、交差点の前でちょっと待ってる間に吐き捨てたり、電車に乗る前にかむのをやめて吐き捨てたりということもあると思います」と分析していました。
有楽町周辺のゴミの分布です。
画面右側、ガムのポイ捨ては駅周辺に多い一方で、画面の左、たばこの吸い殻は駅から少し離れた場所に多く捨てられていました。
場所によって捨てられるゴミに違いがあることが分かったのです。
駅から離れたガード下や路地裏に行ってみるとたばこの吸い殻が多く散乱していました。
区の条例で路上喫煙が禁止されているため、ポイ捨てしても分かりづらい場所に吸い殻が集中しているとみられています。
小嶌さんはこのシステムを参考に、駅前にガムを捨てられるゴミ箱を増やしたり、喫煙所をつくる場所を工夫したりすれば、ポイ捨てを減らせると考えています。
小嶌さんは「東京オリンピックに合わせてこの問題に注目が集まると思っています。まず正確に測って状況把握したうえで、一番有効だと思える対策をどんどん打っていきたい」と意気込んでいました。

これまで現場の感覚に委ねられてきたポイ捨て対策。
データを積み重ねることで、ポイ捨てしづらい街を目指そうという試みが始まっています。

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