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高齢者のポリファーマシー 副作用の実態

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シニア
くらしを支える
ひるまえほっと
千葉
2018年10月11日

私たちに身近な薬は、けがや病気を治してくれるものですが、知らず知らずの間に「ポリファーマシー」という状態に陥ることがあります。ポリーは複数、ファーマシーは薬。つまり、複数の薬を服用していることをいいます。

何種類からがポリファーマシーかというはっきりした定義はないのですが、国が2018年5月に出したガイドラインでは、薬を6種類以上飲むと、体に有害な事象が起こる可能性が高まると書かれています。

このポリファーマシーによって、本人が気づかないうちに副作用に陥るケースがあります。《浅岡理紗リポーター》

■処方された薬で異変が…

千葉県に住む80代の男性は、ことし2月に転倒して左足を骨折。救急車で病院に運ばれ、手術を受けました。
もともと4種類の薬を飲んでいた男性。術後にさらに2種類の薬が処方され、それを飲んだ直後から意識がもうろうとしてきたといいます。

男性は「幻覚です。まったくの幻覚です。変なものにとりつかれたようにひどいものです」と当時の様子を語ります。男性の娘が当時の状況を記録していました。

“突然、意味不明な言葉を叫ぶ”
“自分の年齢が分からなくなった”

■ポリファーマシーの副作用の疑い

異変はおさまらず、男性は1か月後に転院。転院先の医師は、男性の症状はポリファーマシーによる副作用ではないかと診断しました。

病院の見解はこうです。男性は最初の病院で術後強い痛みを訴えたため、「リスペリドン」という抗精神病薬と、「ロゼレム」という睡眠薬が処方されました。「リスペリドン」には、意識の混濁や眠気などの副作用があります。高齢者には慎重な投与が求められる薬ですが、このとき80代の男性は成人と同量を服用しました。

しかし、もともと飲んでいた薬などの影響で肝臓の機能が低下しており、薬の代謝排出作用が落ちていたため、「リスペリドン」の副作用が出たと疑われます。さらに一緒に飲んだ睡眠薬によって増幅され、意識障害という強い症状となった可能性があるといいます。転院先の医師の判断で2種類の薬を中止したところ、意識が改善。1か月後には以前と同じように会話が出来るようになりました。

男性の娘は「薬の効き具合が合っているか、家族は疑いもしなかったです。そういうものだと。お薬の怖さだけ残った」と話しています。

■服薬数が増える高齢者は特に注意

ポリファーマシーついて20年以上研究してきた東京大学医学部付属病院の秋下雅弘医師は、ポリファーマシーによる副作用は、特に高齢者に注意が必要だといいます。

「肝臓の機能や腎臓の機能が低下していますので、若い人と同じだけの量を飲むと、どうしても血液中の薬の濃度が高くなる。75歳以上の高齢者の6人に1人ぐらいの割合で、薬物有害事象が起こっているというデータがありますので、気をつけなければならないです」

現在、医療機関同士で情報を共有できるシステムはありません。薬の情報がまとめられるのは「お薬手帳」だけです。お薬手帳を薬局に持っていくことが大事ですが、この運用に問題があると、秋下医師は指摘しています。

お薬手帳をめぐっては、何冊にも分かれていたり、処方した時の健康状態の記載がなかったりして、薬剤師が判断する情報が不足していることがあるほか、医師や医療機関との連携も十分とは言えない状況です。

プライバシーの問題に配慮しながら、投薬に必要な情報をどう共有して望ましい投薬につなげるか、課題がうかびあがっています。

ポリファーマシーについて気になる方は、自己判断で薬を減らすことはしないで、必ず医師や薬剤師に相談してください。

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