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時代をひらく “自分ならではの芸”追い求めて・ホーキング青山さん

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まちの未来
ともに生きる
ひるまえほっと
東京
2018年3月12日

左から武内陶子アナウンサー、三上大進リポーター

(武内アナウンサー)
誰もが暮らしやすい社会になることを目指して自ら時代を切り開いてきた方々たちにインタビューすることで、2020年へのヒントを探ります。聞き手は三上大進さんです。三上さんは2月にリポーターになったばかり。湯気が出ています。

(三上リポーター)
出てます?ほやほやでやらせてもらっています。実は私は化粧品の会社でマーケティングをしていたんですね。私自身、左手に障害があったりとか、自分のことを男性とか女性とか分類をしていなかったりとか、そういう個性があるんですね。東京が2020年にオリンピック・パラリンピックを迎えるにあたって、さまざまな個性を持つ方々がすごく住みやすい国に日本がなっていかないとと思っていて、いろんな個性を持つ方々の様子をお届けできればいいなあと思ってリポーターになりました。

今回はホーキング青山さんにお話を聞いてきました。ホーキングさんは、24年前に“史上初”の障害者芸人としてデビューしました。自分らしい芸とは何かを追求し続けるホーキング青山さん。そこには強い信念がありました。

■障害は自分の個性ではない

2月末、ホーキングさんが芸人仲間とともに企画したお笑いライブ。ネタは、自身の経験によるものです。

「ホーキング青山はね、日本一路上ライブが苦手な芸人ですよ。分かります?簡単な話なんです。私が出ていって、はいどうもー。ホーキング青山ですと言っただけでみんな、芸人だなんて思わないわけ。募金かなと思っちゃうわけ」
観客「ははははは」

こうした障害者ネタや時事ネタを毒舌たっぷりに語るのがホーキングさんの芸風です。

一方で著書も出版。障害者のあり方を独自の視点で伝えてきました。その中で、ホーキングさんの持論があります。

ホーキングさん:僕の中で何年これから生きても、障害が個性になることは、絶対ない。

世間で言われ始めた「障害は個性」という言葉への違和感。

三上:その言葉自体、ホーキングさんは今、どのように思ってらっしゃいますか?

ホーキングさん:そうですね。(障害を個性と考えることは)ないですね。やっぱり病気でしょ。病でしょ、簡単に言えば。障害って。うん。僕は、先天性多発性関節拘縮症という障害なわけですよ。ただ障害があるということは、お笑いをやる上で武器にもなる面もある。それは単純に人違いをされないという。他にいない、特にいなかったから。でもそれだけなんですよ。芸人としての、芸を評価されている仕事ではないわけですよ。芸を評価するなら僕はとっくに終わっていますよ。そんな程度だったんです。最初は。

■障害者芸人として注目されて

障害は個性という言葉に違和感を持つようになったのは、デビューしたときの苦い経験があります。

24年前デビューしたホーキングさん。テレビや雑誌で「史上初の障害者芸人」という珍しさが注目され、次々と仕事が舞い込みます。しかし、それが逆にホーキングさんを苦しめます。自分の芸に自信が持てなかったからです。

ホーキングさん:最初デビューしたときは良かったんだけど、そのあとじゃあ今度、ネタを見られるわけじゃないですか。ネタのうまさ。すっごい期待しているんだけど全然面白くなくて、爆笑を待ちながらややウケしているのが失笑に変わり、最後笑いもなく。あ、落胆してってる、落胆してっているっていうのがね。こういうのが分かるんですよ。本当にそのあとは嫌で嫌でしょうがなかった、すぐやめたかった。

■ビートたけしさんとの出会いが転機に

そんなとき転機となったのが、テレビ番組で共演したビートたけしさんでした。
「俺はお前のしゃべりが好きだ」そう声をかけてくれたのです。

三上:ビートたけしさんとの出会いで、何かが変わったとか?

ホーキングさん:しゃべったらたまたま、それが面白いって思ってくださったみたいで。ちょっと夢のようでしたね。で、頑張ろうと思ったんだけど、そうしたらいろいろなことが足りないと気づいてきて。お笑いライブでちょっとネタを作って出るようにして、ちょっとずつ自分の姿勢を悔い改めていったわけですよ。恥ずかしい話ですけどね。ちゃんとまじめにやろうと思って。

■芸人として勝負したい 自分の個性とは

たけしさんが認めてくれたしゃべりを磨き上げ、芸人としての個性にしたい。芸の幅を広げようと、10年ほど前から取り組み始めたのが落語です。

さまざまな落語の名人たちの演目を毎日のように聞いて参考にしています。話の展開やリズムを身につけようとしてきました。

ホーキングさん:芸を磨き続けるということ以外ないですよね。 見てくれがあるから、どうしてもそこから始まっちゃうのはもうしょうがないんだけども。それを超越して、体が不自由なのにこれだけ頑張っている、だから元気をもらう、面白いんじゃなくって。健常者の中で、そこで勝負しないと。お笑い芸人の中で勝負しないと。同じ人間としてみた中で、持っている・・・人を喜ばせたり、仲良くなったり。そういう人と自分の周りの人を含めて喜ばせられる、武器じゃないですか。それが(僕にとっての)個性じゃないですか。

三上:個性があるからこそ生まれる感動であって笑いであるというのを…

ホーキングさん:それでいうとパラリンピックの選手もそうで、障害は個性なんじゃなくて、その人は障害を抱えながら、それを競技に、メダルならメダルを目指す、どこまで努力をしたか、それが個性でしょ。

3年前には、落語会も企画するまでになりました。自分で作ったネタも披露しています。

「車いすが文明の利器って知らないのに、なんだよ簡単って。言ってること矛盾だらけだろ、お前」
観客「はははは」

さらに、お笑いライブにも積極的に出演するようになりました。

「そこへいくとあのー、よっぽど去年から今年にかけての相撲協会のほうが面白かったですね」
観客「はははははは」

観客の男性は「だんだん洗練されてきているね。彼も大変だけどね、大変をね、笑いに変えるというかね、そういうところがすごくいいんだろうね」と話していました。

■新人リポーターへアドバイス…?

三上:ありがとうございました。実は私はリポーターとして2月の1日から始動したばかりの超ビギナーなんですけど、何かひと言、走り始めた私にお言葉が頂戴できれば嬉しいなと思うんですけど。いいですか?
ホーキングさん:書くんですね?

ホーキングさん:はい、どうぞ。「知ったこっちゃない!」これは、やることをやっていれば、どうにかなるという深い意味があるんですよ、これ。ね?
三上:やることをやると。
ホーキングさん:俺に頼るなと。

三上:そりゃそうですね、そうですそうです。自分の足でね。走ると。
ホーキングさん:俺は車いすだから。

(武内アナウンサー)
たけしさんばりの毒舌キャラで。いただいた言葉「知ったこっちゃない!」どんなふうにこちら受け取りましたか?

(三上リポーター)
やるべきことをしっかり自分の力でやっていけば道は開けるんだよという叱咤激励だと受け取りました。実はですね、ホーキング青山さんを長年見守り続けているビートたけしさんからメッセージを頂戴しているんです。

「ホーキングは“障害者”で“努力している”というイメージがついてまわる 障害に気づかれないような芸を持つべきだ!」

まさにこの言葉って障害うんぬんではなくて、しゃべり、語りで人を魅了できてこそが個性であって、それこそがホーキングさんが芸人として持つべき個性だと思いますね。

(武内アナウンサー)
同じ土俵なんだぞということをまさしく言ってらっしゃって、すごく愛のある言葉だと思いますね。

(三上リポーター)
たけしさん自身がホーキングさんを障害者芸人としてではなくて、芸人として認めているからこその言葉ですよね。

(武内アナウンサー)
私たち、障害があるとか、LGBTだとかついひとくくりにしてしまいがちですけれど、障害があるなしにかかわらずそれぞれの人が持っているいいところ、得意なこと、魅力的なところをうまく認め合っていくことがみんなが暮らしやすい社会につながっていく。その一歩なのではないかと感じました。

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