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“フォト軸” 外国人が撮った美しい日本

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まちの未来
まちと人
ひるまえほっと
千葉
2017年8月30日

掛け軸のような形をした里山の写真。
この夏、この写真の展示会が千葉市で開かれました。
掛け軸というと、床の間に飾る日本の文化ですが、実はこの写真、その掛け軸にインスピレーションを受けたニュージーランド出身の男性が撮影したものなんです。
どうしてこの写真は生まれたのか、取材しました。

■里山の自然を撮り続けるニュージランド出身の男性

田中洋行アナウンサー
「いらっしゃいましたね。デイモンさん、こんにちは!」

デイモン・ベイ(Damon Bay)さん

ニュージーランド出身のデイモン・ベイさんです。
高校で英語の指導助手をしながら、日本の里の自然を撮り続けています。

田中アナ「ハスですね」
デイモンさん「ハス田です。きれいですね。この中の水玉を撮っていました」

田中アナ「こういう景色がお好きで?」
デイモンさん「好きですね。全体が新鮮で気持ちがいいですね」

■ブログやSNSには多くの反響、写真集も出版

来日して20年。デイモンさんは日本独特の自然の風景に魅力を感じています。

デイモンさん
「里山、田んぼの風景は日本でしか見られない風景ですから。人と共存しているところに自然があるのがおもしろいと思いますね」

デイモンさんの主な発表の舞台はインターネットです。
ブログやSNSには多くのアクセスがあり、写真集も出版されました。

■縦長の構図の写真、掛け軸のような “フォト軸”

そんなデイモンさんがいま取り組んでいるのが、縦長の構図の写真です。

デイモンさん
「壁にかけてみると、本当に掛け軸みたいな感じで」

掛け軸にちなんで、“フォト軸”と名づけました。

こちらは夕立のあと、緑が深くなった稲と、霧がかかった山を撮った一枚。

波を打つ砂紋と焼ける空を大きく写しこんだ1枚。

景色の奥行きと、自然が一瞬放つ、色のグラデーションを表現しています。

■田んぼと青い空を構図に収めたいと考案

デイモンさん
「ここですね、ここで“フォト軸”を思いつきました」

千葉県には谷津田と呼ばれるこのような奥行きのある田んぼが多くあります。
この田んぼと青い空を構図に収めたいと思いました。

しかしカメラを構えると、大きな空は入りません。
そこで、思い切って縦の構図を作ってみることにしました。

まず、低い所から空の高いところまで何枚か写真を撮ります。

デイモンさん「これが普通の風景写真です」

撮影した写真をパソコンに取り込み、重ねていきます。

デイモンさん
「1、2、3、4枚の写真。それを全部くっつけると、こんな感じになります」

こうして撮影した写真は掛け軸のようになりました。

「出衛門(デイモン)」の落款(らっかん)も押してあります。

SNSで発信すると、世界からたくさんの反響が寄せられました。

「Awsome!(すばらしい)」
「Love the scrolls, they look wonderful!(すてきな掛け軸ですね)」

■和紙に写真をプリントすることで絵画のように

「わあ、すごいなあ」

この写真に興味をもった日本人がいました。
鳥取県出身の写真家・水本俊也さんです。
水本さんは鳥取県の手漉き和紙に写真をプリントする中でデイモンさんの作品に出会いました。

水本さん
「デイモンさんの作風が、そのまま日本文化でもある和紙を使った表現に適している」

去年(2016年)、デイモンさんは水本さんの和紙の作品と一緒にフォト軸を印刷しました。
日本らしい柔らかい風合いに仕上がり、デイモンさん自身も新たな魅力に気がつきました。

手すき和紙の表面には、凹凸(おうとつ)があります。

印刷して、普通の写真と比べてみると、まるで筆で描いた絵画のようです。

■印刷で特にこだわったのは、空の色の変化

デイモンさん「おじゃまします。お久しぶりです」

デイモンさんが印刷で特にこだわったのは、空の色の変化です。

デイモンさん「雲が油絵みたい」

デイモンさん
「初夏(はつなつ)の時期になると、ちょっと霧みたいな湿気が出て白っぽくなるんですよね、空の低いところが。上にいくほど空が濃い青になるのが、このグラデーションがすごい和紙でよく出るんですね。」

デイモンさん
「すばらしいです。ありがとうございます」

■初のフォト軸の写真展、地元の人たちの反応は

千葉の風景の美しさは地元の人にどのように受け入れられるのか。
初のフォト軸の展示会が開かれました。

田中アナ「すごいですね。壮観ですね」

田中アナ「これも谷津田ですね」
デイモンさん「夏の風景ですね」
田中アナ「雲がぽこぽこ浮いて、かわいらしい夏の雲ですね」

絵画のような質感のフォト軸。お客さんの反応も上々です。

来館者
「こんなきれいな景色が千葉県にもあるんだなと。千葉県なんて都会しかないのかと思っていました」

来館者
「微妙な感じなところが、きれいに写ってすてきですね」

■日本の田舎の美しさに気づいてもらいたい

デイモンさん
「多くの日本人は、日本の田舎の美しさに気づいていないと私は感じています。田んぼの間を歩いたりするのと、今は都会の生活が多く、そういうチャンスが少なくなったと思うんですね。こうやって写真をちょっといつもと違うやり方で展示するのをきっかけで、色んな人が日本の田舎の美しさに気づいてもらいたいですね」

■立体的な奥行きが感じられる“フォト軸”の魅力

(武内陶子アナウンサー)
デイモンさんの写真は、平面なのにまるで3Dのような、中に入っていけるような奥行きを感じますね。

(田中アナウンサー)
実は私も房総の自然に親しんで育ったのですが、デイモンさんの写真を見たときに、子どもの頃に見た一瞬がよみがえってきて、本当に立体的に見えるんですよね。
日常の生活の中で、里山が輝く一瞬を忘れている人も多いかもしれません。ニュージーランド出身のデイモンさんの感性は、多くの日本人にメッセージを発しているのではないかと感じました。 
デイモンさんの写真展には、期間中1500人以上が訪れたそうです。
デイモンさんは、機会があればまた写真展を開きたいと話していました。

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