MIRAIMAGINE

Menuメニュー
Clip

メニューを開きます

MIRAIMAGINE

Menuメニュー
Clip

メニューを開きます

がん患者 “治療と仕事の両立” を目指して

クリップ
ページを保存しました。画面右上から保存したページを一覧でみれます。
仕事と子育て
働き方あすへ
首都圏ネットワーク
群馬
2017年4月10日

がん患者の3分の1は「働く世代」です。
しかし、国の調査では「治療を受けながら仕事を続けられる環境が整っている」と感じている人は、3割にも届きません。
こうした中、従業員と会社側、双方の理解で両立に取り組もうとする現場を取材しました。

■白血病の診断後、会社からは「辞めてほしい」

群馬県明和町に住む本島勝己さん(53)は、6年前、血液のがんの一つ「白血病」と診断されました。診断の2か月後、当時勤めていた会社から「仕事を辞めてほしい」と言われ、辞めざるをえませんでした。

80代の母親と2人暮らしの本島さん。
収入がなくなる中、入院費と治療費が、家計に大きくのしかかりました。
1か月の入院費が10万円を超える中、貯金を取り崩すなどして生活しました。

本島さんは「『そちらが働けないのが悪いんじゃないですか』って言われたので、『じゃあいいです、辞めますから』って、辞めたんです。できることは、一応少しは頑張ったんですがね」と打ち明けます。

■採用した会社、希望を聞き入れて働き方に配慮

そうした中、本島さんは2016年11月、ようやく病気への理解がある会社に勤めることができました。
明和町の隣にある、埼玉県行田市の運送会社です。

この会社の群馬県と埼玉県の責任者を務める福田耕三さんです。
本島さんは採用の面接で、月に1回通院していること、後遺症で体力がないため1日おきの出勤にしてほしいこと、タイヤなど重い物は運ぶことができないことを伝えました。

福田さんは、本島さんの希望を可能な限り聞き入れ、働き方に配慮しました。
仕事をするのは、週に3日程度。
さらに、ほかの従業員は1日2、3往復する輸送を、近場の1往復のみにしました。

福田さんは「ドライバーがいないことには仕事が発生しないから、フルでできなくても、そういう人が2人、3人いれば、フルでやっている人1人分の仕事はこなしてくれるわけだから」と理解を示します。

■お互いの働き方を理解し合える環境づくり

会社では、働く人に配慮するためには「雰囲気づくり」が欠かせないとしています。
本島さんら、およそ30人の従業員のうち3分の1は、持病などで何らかの配慮が必要な人たちです。

月に1回行われる会議では、会社として、配慮が必要な人の仕事を支えているほかの従業員に対し、感謝の気持ちを伝えるようにしています。

福田さんは「本島さんがそういうハンデを持っていることは、通常行っているお得意さんはほとんど知らなかった。それだけみんながカバーしてくれた」と感謝を伝えます。

会議のあとには、従業員どうしが昼食を一緒にとりながらコミュニケーションを深め、お互いの働き方を理解し合える環境づくりも進めています。

■“できること”を探して、治療と仕事の両立を

この日、本島さんは新車の登録を代行するため、片道20キロの運転を担当しました。

登録時に毎回行うのが、ボディにあるスペアタイヤを外すことです。
しかしタイヤの取り外しは本島さんにはできません。

そこで、会社は同じ時間と場所に数人の同僚を配置し、作業を手伝ってもらっています。

一方、本島さんは、体力を使わないでできる車の誘導を担当します。

会社側と従業員側がお互いに理解と工夫をして、病気になっても“できること”を探せば、治療と仕事の両立も難しいことではないといいます。

福田さんは「これからは人手不足が深刻になってくる。だから、今までのやり方ではいけない。いろんな方法を試してみようと。やれることをやれるだけ、それをうまく組み合わせてやるのが会社だと思っていますから」と話しています。

一方、本島さんは「会社も、月に何回も休まれたら大変じゃないですか。それでも雇ってもらえましたので、その点はありがたいかなとは思います。今後、自分みたいな人がどんどん増えていってもらいたいという気持ちもあります」と話しています。

日本人の2人に1人ががんにかかるといわれる今、誰でも、治療しながら安心して働ける環境づくりが求められています。
厚生労働省は、がんなど長期で治療が必要な労働者の治療と仕事の両立についてガイドラインを作成し、インターネット上で公開しています。
治療技術の進歩などで、がんが治らない病気ではなくなった今、新しい働き方をどう整えるのか、それぞれの現場で見つめ直す必要があるのではないでしょうか。

ぽかぽかどーもくん前橋放送局ホームページ別ウィンドウで開く

続きを読む

関連のページ

首都圏NEWS WEB 関連記事

人気のページ

Twitter公式アカウントで更新情報をチェック

@nhk_shutoken

別ウィンドウで開く

※NHKサイトを離れます