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リニアまで10年 新駅周辺の住民 “将来が見えない”

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まちの未来
地域の選択
まるごと山梨
山梨
2017年2月22日

左から、岩野吉樹アナウンサー、濱本梨沙キャスター、都築孝明記者

(岩野吉樹アナウンサー)
東京・名古屋間を結ぶリニア中央新幹線の開業まで10年、現状や課題をお伝えします。
今回は、甲府市に計画されている新駅の建設予定地のいまについてです。
取材にあたっている都築記者です。
リニア新駅の構想、現状はどこまで進んでいるのでしょうか。

(都築孝明記者)
新駅周辺のまちづくりはまだ構想段階です。
まず、場所から説明します。どこに新駅が計画されているかといいますと、甲府市南部の大津町です。山梨県をほぼ直線で貫く計画路線上で1キロ余り平地が続くことや、幹線道路が近いことなど一定の条件を満たしていたのがこの場所だったのです。
県は、甲府市・中央市・昭和町を含む、新駅から半径4キロ程度の範囲を「リニア環境未来都市」として、この場所からリニア中央新幹線の効果を県内全域に波及させたいとしているんです。
ただ地域の住民たちは、地域の姿を大きく変えるリニア開業を10年後に控えて、“将来が見えない”と不安に駆られています。

■新駅建設予定の大津町、26haの土地が買収対象に

甲府市南部、一面に農地が広がる大津町です。
田畑が広がるこのあたりは、リニア新駅の建設予定地になっていて、10年後には大きく変わることが予想されています。地元の人たちの生活も変わるため、対応が迫られています。

この地域では、新駅の建設で東京ドーム5個分以上の26ヘクタールの田んぼや畑が買収の対象となっています。

■新駅候補地に決まって6年、農地の代替地決まらず

「大変だよ、本当に。景観も変わるんだよ。(高さ)20mのところが通るんだからね」

リニア新駅の建設計画をめぐって、行政とまちづくりについて話し合う住民の代表、土屋章さんです。地域に40年以上暮らし、農地を所有しています。

住宅は対象区域に入っていませんが、50アールの田んぼは買収される見通しです。

この地が新駅の候補地に決まってから6年。開発で自分たちの暮らしがどう変わるのか。
買収される農地の代替地などがいまも決まっていないことに不安を感じています。

土屋さん
「計画がどういう形になるかわからないと、生活のプランを立てられないですね。ナスなども3年先をみているんですよ。連作きかないですから、情報をくださいと。生活がかかっている。そういうことがわかっていないんですよね、行政側は」

■総合球技場の建設地も決まらず、地域の将来像は…

さらに気がかりなのは、県が新駅の半径4キロ圏内に計画している総合球技場の建設地が決まらないことです。渋滞や騒音が予想されるなか、総合球技場があるのとないのとでは、地域の将来像はまったく違うものになるからです。

土屋さん
「(総合球技場の)中身がどういうものつくってどうなるのか。地域活性や土地利用がこうなりますと、ああいうものであれば、そういうことなどと考えますよね。細かい情報を流してくれないから困るよね」

■市と住民の話し合い、農地の代替地計画示されず

一方、行政側はリニア新駅周辺のまちづくりについて、何度も住民と話し合いを重ねてきました。
この日も、地域の公民館におよそ20人の住民が集まって、市の担当者からまちづくりの方向性について説明を受けました。

しかし、説明されるのは企業誘致やほかの観光地との連携の強化などで、最も知りたい農地の代替地の計画は示されませんでした。

土屋さん
「基本構想を見てがっかりした気持ちが非常に強いです。将来的に大津町は、26ヘクタールの優良農地を提供して、この地域はどうなるのか」

住民
「住みやすい地域・場所になってほしいという意見・望みが何も入っていない」

住民
「年をとった人はいいけど、小学生の子どもを持った後継者たちは、あしたからの生活が困る。裏づけをつくってくれというのは、最初から言っていること」

甲府市の担当者
「大事な意見として受け止め、県の方にも強く言うとともに市も協力したい」

■市「県がやる」 住民「市が主体的に」議論は平行線

さらに、総合球技場についても議論になりました。

甲府市の担当者
「総合球技場は、現在県の方で検討している。設置場所が検討されているということで、いまの段階では設置場所がはっきりしないと…」

あくまでも県がやる事業だとする甲府市側と、県任せではなく市が主体的に関わってほしいという住民側。話は平行線をたどりました。

住民
「甲府市独自の施策はどこにあるんですか。甲府市で“これをやる”というのがどこにも見当たらないんですよね」

住民
「イニシアチブがあってもいいんじゃないか。県に追随して、県が決めます、結構でございますというスタンスでいいのかどうか」

■地域をよくしたいという思いは行政も住民も同じ

2時間に及んだ話し合い。
住民にとって地域の将来像が見えるような進展はありませんでした。
リニア中央新幹線で地域をよくしたいという思いは行政も住民も同じ。
住民たちも行政との信頼関係を築きたいと考えています。

土屋さん
「どういう形で開発するのか、信頼関係をもって納得すれば、ここへリニア駅が来てよかったと地感じれば、甲府市・県が絶対よくなる。信頼関係がなければ、いいまちづくり・いいものはできない。行政でやればといろいろ協力してやると」

リニア中央新幹線の効果で大きく変貌を遂げようとする山梨県。
地域の将来像を描くために、いま行政と住民との間の溝を埋めることが重要になっています。

■行政と地域住民との間の溝が埋まるか

(濱本梨沙キャスター)
やはり行政と住んでいる人の信頼関係を築くことはなかなか一筋縄ではいかないんですね。

(都築記者)
取材した住民の多くは、地域がどう変わるのかJRや行政が必要な情報を出していないと不信感を抱いていました。ただ行政も住民も、リニア新駅の建設について地域が飛躍的に発展するとして期待しているのも事実です。
計画を進める主体が県・市・JR東海など、組織が違うということもありますが、住民からしてみれば一貫した情報を早く提示してほしいというのは理解できるところだと思います。
甲府市は住民説明のあり方について、県とも連携して住民の声が計画に反映されるように取り組んでいきたいとしていて、住民との間の溝が埋まるのか動向を見ていきたいと思います。

■リニア新駅の今後の整備スケジュールは?

今後はどのように整備が進められるんでしょうか。

(都築記者)
県が示す整備のスケジュールです。
新駅の駅舎については、現在測量と設計が進められていて、このあと用地取得の交渉などが行われることになっています。また、新駅の周辺整備については今年度中に整備方針が策定され、整備方針に基づいて測量や設計などが始まる見通しです。
実際の建設工事は、いまのところ5年後の2022年ごろをめどに始めるとしています。ただ、総合球技場の建設場所は来年度に持ち越されたままです。
さまざまな課題は残されていますが、行政と住民が主体的に知恵を出し合って、リニア中央新幹線を生かしたまちづくりを進めていってほしいと思います。

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