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どうする “LGBT” の住まい確保

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まちの未来
ともに生きる
首都圏ネットワーク
千葉
2017年2月15日

“LGBT”といわれる性的マイノリティーの人たちの住まいの確保についてお伝えします。
いま、さまざまな分野で差別や偏見をなくそうという取り組みが進んでいますが、住まいの確保の面では、同性カップルが賃貸住宅への入居を拒否されるケースがあとを絶ちません。
まずはその実態を見ていきます。

■“家族ではない” と男性2人での入居を断られる

東京・練馬区に住む鈴木雄一朗さんです。
3年前から、この賃貸マンションで男性のパートナーと同居しています。

一緒に過ごす時間を作り、生活費も節約したいと考えた2人。
しかし、物件を見つけるまでには、思いもかけない苦労があったといいます。

鈴木さん
「希望にかなう物件はいくつかあったんですけど、“この物件は入居できないんですよね” と断られて」

男性2人で入居したいと不動産会社に申し出たところ、 “家族ではない” として、相次いで断られたのです。

“部屋を汚されそう”
“周囲の住民とトラブルになるのではないか”
いわれのない理由も挙げられ、下見すらさせてもらえませんでした。
不動産会社を回っては断られる状況が続き、一時は同居をあきらめかけたといいます。

鈴木さん
「探しては断られの連続だったので、正直イライラしますよね。それと同時に、これが現実なんだなと」

■住まいを手にすることができないのは死活問題

同居の事情を深く聞かれなかったこのマンションにようやく入居できるまで、半年かかりました。
鈴木さんは、物件を貸す側に、自分たちに対する偏見があったと感じています。

鈴木さん
「“男性2人だから” で判断するのではなく、まっとうに生活していることを知っていただいた上で、判断してもらいたい」

専門家は、こうしたケースは氷山の一角にすぎず、深刻な問題になっていると指摘します。

棚村政行教授(早稲田大学法学部)
「住まいを手にすることができないというのは、生活の基本が脅かされているということですから。当事者にとっては、死活問題だと思う」

■まだ根強くあるLGBTの人たちへの偏見

左から、合原明子アナウンサー、内藤貴浩記者

(合原アナウンサー)
取材にあたった内藤記者です。
LGBTの人たちへの偏見は、まだ根強くあるんですね。

(内藤記者)
賃貸住宅を貸す側の意識調査からも、そうした実態が見えてきます。

物件のオーナーを対象にした調査では、入居に否定的な回答が、男性カップルの場合、47%にものぼりました。

その理由として、「トラブルや騒音」、「周囲の目が気になる」などの回答がありました。
ただ、今回取材したLGBTの人たちは、みなさんごく普通の生活を送っていて、入居には何の問題もないのではないかと感じました。

(合原アナウンサー)
では、LGBTの人たちが住まいを確保するには、どうしたらいいんでしょうか。

(内藤記者)
公営住宅でいいますと、東京・世田谷区は、同性カップルも区営住宅に入居できるという方針を新たに打ち出しました。ただ、多くの公営住宅では、複数の人が住む場合は親族に限るとしていて、同性カップルの入居を想定していないんです。
こうした中、民間の物件への入居を支援しようという取り組みが始まっています。

■貸す側の偏見や不安をなくすための動きも

賃貸住宅を貸す側の偏見や不安をなくそうと、動き出した会社があります。

この不動産コンサルタント会社では、物件を探している同性カップルの客と、個別に面談を行います。

須藤啓光さん(不動産コンサルタント会社代表)
「どのくらいの期間、住もうと考えていますか?」
「男性2人で住むとなると、オーナーさんは、友達をめちゃくちゃ呼んで、わいわいするんじゃないかと…、その辺は大丈夫ですよね?」

勤務先や収入に加えて、ふだんの生活ぶりや人柄などに至るまで、きめ細かく聞き取ります。

その内容を紹介状にまとめて、物件の管理会社やオーナーに渡します。
当初は入居を拒否していた相手が紹介状を読み、受け入れたケースも出ているといいます。

須藤さん
「LGBTだからマイナスなイメージというのは、漠然としたイメージだけであって、それが払拭(ふっしょく)できれば問題なく普通に貸したいと思うんですよね。知ってもらえる機会が増えれば、オーナーさんたちも変わってくるかなと思います」

■LGBTの人たちが入居可能な物件の情報提供

LGBTの人たちの入居に理解がある物件の情報を、広く提供しようという動きも出ています。

大手住宅情報サイトの運営会社です。

入居が可能だとうたう賃貸住宅の情報を、3月からサイトに登録します。

さらに、こうした物件を検索できるサービスを、夏ごろをめどに導入。
部屋の方角や駐車場の有無といった情報と同じように、物件を探せるようになります。

田辺貴久さん(リクルート住まいカンパニー)
「その物件に対しては、差別・偏見がない状態であるということが表明されているので、それが安心材料になって、お部屋探しをできるような方が増えてくれればなと思っています」

■社会の多様性実現がビジネスチャンスに

(合原アナウンサー)
いま見てきた企業がいち早く支援に乗り出しているのは、どうしてなんでしょうか?

(内藤記者)
LGBTの人たちが暮らしやすい環境を整え、社会の多様性を実現していくことが、ひいてはビジネスチャンスにつながると考えている側面もあります。
逆に、差別や偏見による対応の遅れは、みずからのビジネスチャンスを狭めることになるわけで、企業などの側は、こうした観点から対応を変えてほしいと感じます。

■「行政にも果たすべき役割がある」と専門家は指摘

また、行政にも果たすべき役割があると、専門家は指摘します。

棚村政行教授(早稲田大学法学部)
「差別をしている業者に対して、それを指導・勧告・警告していくことは、行政としてできると思います。住宅・賃貸に関連する方たちに対して、啓発や理解増進のさまざまな働きかけを、行政の側でもしていく必要があると思います」

(内藤記者)
LGBTの人たちの住まいの確保をどう保障し、差別や偏見をなくしていくのか。
さらに取り組みを進める必要があると感じました。

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