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“働き方改革” は “意識改革” で

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女と男
働き方・生き方
おはよう日本 関東甲信越
東京
2017年1月28日

いま、国も重要な課題と位置づけている“働き方改革”。
街の人に聞いてみると・・・。

「(残業は)せざるをえない時も。自分で納得できるまで仕事はしたい」

「(仕事の)量自体は変わらない。短くできるよう工夫してこなすしかない」

「(働き方改革は)積極的にやっていければ。仕事はたまるけど・・・」
Q:そのたまった仕事はどうするんですか?
「難しいことを聞きますね~」

“働き方改革” を本当に実現させるために何が必要なのか。
現場の取り組みからヒントを探ります。

■“働き方改革”のポイントとなるのは“意識改革”

左から、兒玉章吾ディレクター、小郷知子アナウンサー、近田雄一アナウンサー

(近田アナウンサー)
取材した兒玉ディレクターとお伝えします。
“働き方改革” と一口にいいましても、非常に幅広いですよね?

(兒玉ディレクター)
はい、国が2016年から開催している『働き方改革実現会議』では、
・長時間労働の是正
・柔軟な働き方
などの課題が例示されています。
共通するのは、性別・年齢に関係なく、あらゆる人が働きやすい環境を作ることが、個人、そして企業の成長につながるという考えです。

(近田アナウンサー)
頭では考えられるのですが、これを実現しようとするとなかなか難しいですよね?

(兒玉ディレクター)
確かにそうした意見もありますが、一方で、成果を上げている企業があるのも事実です。
ポイントになるのが “意識改革” です。
まずは、“意識改革” を掲げて、働き方を変えた企業の取り組みをご覧ください。

■情報サービス会社の“働き方改革”プロジェクト

大手情報サービス会社のリクルート。
2015年、 “働き方改革” のプロジェクトを立ち上げました。

責任者の林宏昌さん。
改革の狙いは、仕事の効率化です。

カフェのようなテーブルで自由に仕事ができるようにしただけでなく・・・。

誰にも邪魔されず集中したいときに使う、電話禁止の部屋も設けています。

林さんは「『話しかけられて、集中して仕事ができない』という方が一定程度いる。仕事の中身に合わせて、オフィスの中でも場所を変えることが考え方のベース」だといいます。

■リモートワークの導入、当初は慎重な意見も

林さんが特に力を入れたのが、オフィスに来なくても働ける『リモートワーク』の導入です。社員誰でも使えることを目指しました。
背景には、人材の流出を食い止めたいという思いがあります。

社員の4割が女性。
優秀な人材が、出産や育児を理由に辞めていくことが課題だったのです。

「もっと長く、優秀な方々に働き続けてほしい」と林さん。

しかし、当初、慎重な意見がありました。

広報を担当するグループの管理職、高塚剛輝さんは、『仕事の大半は打合せや会議のため、直接顔を合わせないと効率が落ちる』と考えていました。

高塚さん
「何のためにやるんですか、僕らむちゃくちゃ働きたい。同年代の同期たちや同じ年の男性は、同じ意見の人間が多かったのでは」

■本格的導入には社員の“意識改革”が必要と判断

『リモートワーク』を本格的に進めるには、社員の “意識改革” が必要であると考えた林さん。

始めたのが、週に最低3日は『会社に来ることを禁止する』決まり。
これを1か月間おこなうことにしました。
自宅など、会社以外で働く人を多数派にすることで、仕事の効率が落ちるのかを確かめようとしたのです。

林さん
「リモートワークする人たちが大多数になることを一回体験して、本当にうまくいかないのかどうか試してみないといけない」

■生産性が向上し、人材流出の食い止めにも期待

実際始めてみると、仕事の効率が上がったという声が続々と寄せられました。

小学生の娘を育てる斉藤裕子さんもその一人です。

以前なら、午後、子どもの保護者会があるときは、午前中だけで仕事を切り上げていました。
しかし、『リモートワーク』の場合、保護者会の後も働けます。
通勤時間のロスも無くなり、仕事が以前よりはかどったのです。

斉藤さんは「みんなで効率性・生産性を上げていこうという中に、私たち(働く母親)の仕事の仕方が組み込まれているだけなので、みんなが受け入れられたのでありがたかった」といいます。

『リモートワーク』導入後に行ったアンケートでは、6割近くの社員が、生産性が上がったと回答。
今後も会社で働き続けたいという人が10パーセント以上増加し、人材の流出の食い止めにもつながると期待されています。

林さんは「働き方を変えることが、本当に儲かる。従業員それぞれがすてきな自分最適の働き方をしている。ここを両立して、初めて働き方を変えてよかったなとなる。両輪でもう一段進めていきたい」と話していました。

■リモートワークの課題をレンタルオフィスで克服

(近田アナウンサー)
『リモートワーク』は利点が多いという印象を受けましたが、課題はないのでしょうか?

(兒玉ディレクター)
顔を合わせてのコミュニケーションはどうしても減ってしまいます。
そこで、ネットを使ったコミュニケーションを増やそうとしました。

しかし、最初は「自宅のネット環境がよくない」とか、「カフェでは使いづらい」などの声が出ました。
そこで、設けたのが、ネット環境の整ったレンタルオフィスです。
現在、その数は、都内を中心に35か所になります。

こういうふうに工夫をした結果、慎重派だった管理職の高塚さんの意識も変わりました。
以前は、『会社にいるなら、あの会議にも顔を出しておこう』と多くの打ち合わせや会議に出席していたそうです。
しかし、『リモートワーク』導入に伴い、本当に出席すべきかを考え直した結果、以前の半数近くにまで打ち合わせや会議の数が減少したといいます。
「以前と同じレベルの仕事をしながら労働時間が減っているので、生産性は上がった」と喜んでいました。

■大企業だけではなく、中小企業でも実現が可能

(小郷アナウンサー)
でも、こうした “働き方改革” は大企業だからこそできるような気もするんですけど、どうなのでしょうか?

(兒玉ディレクター)
そんなことはありません、中小企業でもできます。
続いて、ご覧いただくのが、人手不足に悩む中で、休みが取りやすい環境作りに取り組んだ中小企業です。

2016年、有給休暇ほぼ100%取得に成功し、新卒の就職希望者が5倍に増えました。
この “働き方改革” を可能にしたのも “意識改革” でした。

■有休100%取得に成功した薬局の取り組み

有給休暇のほぼ100パーセント取得に成功した薬局。
薬剤師の岩田香さんは、2015年に『働き方改革』を任されました。

まず取り組んだのは『仕事の共有化』です。
店では、それぞれの専門知識を元に、仕事を細分化していました。
そのため、誰かが休むと仕事を代わりにできる人がおらず、休暇を取りたくても取りづらい状況になっていたのです。

岩田さんたちは、資格に関係なくできる仕事を洗い出し、互いに教え合うことにしました。
訓練すること半年。多くの仕事を共有できるようになったといいます。

「業務が、みんなできるようになったので、自由に誰でも休みがとれる形になった」と岩田さん。

■必要以上に休みを取ることに抵抗を感じる人も

しかし、それだけでは、有休100パーセント取得は達成できませんでした。

接客や経理を担当する事務職の出口舞さんは、患者のために働く仕事にやりがいを感じていたため、必要以上に休むことに抵抗があったといいます。

出口さん
「『この人でないとだめな仕事を無くすのが一番にある』と言われたとき、初めは正直なところ、自分が必要とされないのではと不安があったので、(働き方を)変えなくていいと思っていた。今の現状に満足していた」

■休日を“見える化”し、スタッフの意識を改革

どうすれば休みに対する意識を変えられるのか。
岩田さんは、スタッフに “休みにしたいこと” を書き出してもらい、見せ合うことにしました。 

『旅行がしたいばかり、場所が石垣島』
『ふだん部屋の片づけがあまりできてないのでしたい』

『休日の “見える化” 』です。
こうすることで、自分も休みを充実させたいという意識が高まるといいます。

休日の “見える化” はこれだけにとどまりません。
岩田さんは、実際に有給休暇を取った日数を表にして貼りだすことにしたのです。

岩田さん
「こういう形で共有してわかりやすく、周りで見て『あまり休んでない』という話もできる」

■休暇中に新たな体験をし、より仕事に積極的に

こうした取り組みを続ける中で、意識が変わっていった出口さん。
2016年、5日間の休暇をとって、タイに行きました。
子どもたちに日本の文化を教えるボランティアに参加したのです。

出口さん
「鶴をみんなで折った。うれしかった、笑顔を見たときは」

新たな体験をしたことで、出口さんは、より積極的に仕事に向き合えるようになったといいます。

「以前は今に満足という感じだったけど、変わっていく自分の変化がうれしい。視野が狭い世界にいたんだと思う」と出口さん。

有給休暇のほぼ100パーセント取得を実現した岩田さん。
今後も取り組みを続けていきたいといいます。

「考え方が変わっていったのは大きい。もっと早くやればよかったと思う」と話していました。

■建設コンサルタント業界では社外に意識改革を

(小郷アナウンサー)
“意識改革” という点で、ほかに参考となる取り組みはありますか?

(兒玉ディレクター)
あります。
それが、建設コンサルタント業界です。この “意識改革” を社外に働きかけたんです。

この業界は、中央官庁や地方自治体が主な取引先になります。
予算案が年度末にある関係で、仕事の納期は3月に集中してしまい、業界として2月・3月の業務時間が激増してしまうということが悩みでした。

「取引先の意識を変えないかぎり、根本的な改革はできない」と、業界団体で、取引先の一つである国土交通省に見直しを要望しました。

こうした声を受けて国土交通省は納期を分散させ、以前は年間の8割が3月納期でしたが、それを6割に減らしました。
その結果、ある企業では、2月・3月の業務時間が以前の3分の2にまで減少したということです。

取材していて、いま “働き方改革” を “経営戦略” として位置づけて、本気で取り組んでいる企業が増えているなと感じました。

もはや “働き方” を変えないと、企業として生き残れない時代になりつつあると思います。

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