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アレルギー対応食品備蓄の対策は ~東日本大震災5年

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防災減災
避難・備蓄
首都圏ネットワーク
東京
新潟
2016年3月3日

今回は、災害時、食料の確保が命を左右しかねない、食物アレルギーの子どもたちを取り巻く現状と、始まった対策です。

■5日で底をついたアレルギー対応の食品

福島県いわき市。
苅込美樹さん親子です。
長男の空澄くんには、震災当時、卵や小麦などのアレルギーがありました。
しかし、家にあったアレルギー対応の食品は、5日で底をつきました。

市役所に助けを求めたものの対応する食品の備蓄はなく、県外に避難せざるをえませんでした。

各地の避難所では、命にかかわる事態も起きていました。
アレルギーの子どもが、保護者の目の届かないところで誤って食べたものでショック症状を起こし、救急搬送されるなどのケースが相次いだのです。

苅込美樹さん
「命をつなぐもので、間違って食べてしまって命の危険にさらされたりとか命を落としてしまったら、せっかく助かった命も元も子もない」

■アレルギー対応の食品 3分の1超の自治体が「備蓄なし」

震災を受けて、内閣府が作った避難所の指針です。
食物アレルギーの患者に配慮して食料を備蓄するよう、初めて盛り込みました。

しかし、昨年度の国の調査では、避難所に備蓄をしていない自治体が3分の1を超えました。

■対策に向けて動き出した自治体も

こうしたなか、首都圏では、対策に向けて動き出したところもあります。
東京・品川区のアレルギー患者の親の会で代表を務める前田えりさんです。

長男の健太くんには、卵などにアレルギーがあります。
誤って食べてしまいショック症状が出たときに備えて、症状を和らげる注射を今も手放せません。

前田健太くん
「東日本のときはもし被災してたら危なかっただろうな」

前田えりさん
「まずは食べもの。食べるものがないっていう不安と、アナフィラキシーショック症状を起こしたらどうしようという、そっちのほうが不安で」

患者側の声を、行政にどう生かすのか。
震災後、品川区の防災担当だった佐藤和彦さん。
アレルギーに対応する備蓄が必要だと感じていましたが、具体的にどう進めればよいのか悩んでいました。

そこへ訪ねてきたのが、患者の親の会の前田さんたちでした。
どんな対策が必要なのか、話し合いを重ねました。

前田えりさん
「できるのはどこまでですか、今現状どうなっているんでしょうか。
 今できるところまでお願いしたいんです、助けてほしいんです、と。」

例えば、アレルギーの赤ちゃんのための粉ミルクの備蓄。
以前は、備蓄の拠点となる倉庫にしかなく、災害時、地域の避難所に運べないおそれがありました。

前田さんたちの声を取り入れて、50あまりあるすべての避難所で、分散して備蓄するよう改めました。

さらに、それぞれの避難所で運営に携わる地域の人たちに、こうした備蓄があることを知ってもらっています。
いざというとき、避難してきた患者や家族に確実に渡せるよう、備えているのです。

前田えりさん
「自分たちの情報を提供して適切に守っていただく。お互いに『情報を教えて』と言えることが必要なのかな」

品川区防災課(当時) 佐藤和彦さん
「当然『できることはご自分たちで』という話をしてますし、区役所でできることは私どものほうでやっていきたいという形で、一緒にお互いに話しながら進んでいけるような対策の取り組みになった」

■備蓄の内容を改めた自治体も

災害時の備蓄を、アレルギーの子どもが誤って食べる事故を防ぐよう改めたところもあります。
新潟県長岡市が今年度から備蓄に加えた、米粉のクッキー。
小麦や卵、乳製品などを使わず、アレルギーの子どもも食べることができます。

このクッキーを、すべての市立保育園でふだんからおやつの時間に出しています。
災害時には、アレルギーの有無にかかわらず、このクッキーを子どもたちに配ることで、事故を防ごうとしています。

長岡市教育委員会 岩渕さやかさん
「ふだんの楽しいおやつの時間の中で食べ慣れておくことで、『何かあった時にこれ食べるんだよ』ということを伝えながらやっていく」

■専門家「災害の時にいちばん困る人を、いちばん救済」

専門家は、アレルギー患者の命を左右しかねない問題だけに、対策を強化すべきだと訴えています。

災害時の食の問題に詳しい甲南女子大学・奥田和子名誉教授
「特にアレルギー疾患がある方は2次災害が起こりやすい。本当に危険な状況に追い込まれると思います。災害の時にいちばん困る人を、いちばん救済する、そういうことだと思います」

■対策の必要性 十分に認識されず

NHK千葉放送局 山本未果記者
「国が行った自治体へのアンケート調査では、さまざまなアレルギーに対応するのが難しいとか、予算上の制約があるといった回答が目立ちました。さらに、この5年間で一般向けの備蓄の充実が優先されてきた側面もあり、対策の必要性がまだ十分に認識されていないと感じました。
アレルギーの子どもや家族が、どんな手助けを必要としているのか、行政や地域が耳を傾けることが何よりも大切です。こうした声を生かしながら、より実践的な対策を早急に進める必要があります。」

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