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女と男 働き方あすへ(14)イクメンになるのも楽じゃない

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女と男
働き方・生き方
首都圏ネットワーク
2015年11月4日

「模索する女と男」をテーマにお伝えしているシリーズの2回目は、「イクメン」についてです。
保育園への送り迎えなど、積極的に子育てをする男性。
しかし、どこまで分担できているか聞いてみると・・・。

「7:3くらいですかね。7が奥さんで、3が自分で」「もっと関わらなきゃいけないなと思ってるんですけど・・・」という答えが返ってきて、なかなか難しいようです。

男性を含めた育児休業などの制度が整備されて久しいのに、なぜ、イクメンになるのが難しいのでしょうか。
共働きの妻と家事や育児を公平に分担するため、正社員を辞める決断をした男性のケースです。

■非常勤職員として働き4歳の娘を育てるイクメン

夕方6時半、帰宅を急ぐ2人。
岩手県北上市に住む後藤大平さん(36)と、娘のうららちゃん(4)です。

帰ったのは、真っ暗な家。
妻は、まだ仕事中です。

大学の非常勤職員として働く後藤さんは、4歳の女の子を育てる「イクメン」なのです。

娘が「パパー開けてよー」とおやつをねだると、「ごはんの前に食べるやつじゃないぞ」とあやしながら、夕食の支度にかかります。

看護師の妻の幾子さんが帰ってきたのは、午後8時前です。
お互い仕事がある後藤さん夫婦は、家事と子育てを半分ずつ分担しています。

「そのとき空いている方が、空いていることをやるっていう感じ」と説明する後藤さん。

■会社に1か月の育児休業を申請したところ・・・

しかし、後藤さんがイクメンになるには、正社員という安定した職を捨てなければなりませんでした。

長女が生まれたのは、4年前。
夫婦で一緒に子育てしようと考えていましたが、後藤さんは当時は仕事中心の生活。
学習塾の正社員として授業から営業まで任され、帰りは連日、深夜に及びました。

こうした中、ある出来事が起きます。
後藤さんが当時残していたメモです。
子どもと妻が同時に体調を崩し、1日だけ休みたいと上司に相談したところ・・・。
「『おまえのガキなんて1円にもならねえよ』『おまえ休むのか、この大事な時期に』と言われました。ショックでしたね」。

このあと、妻が仕事に復帰したらどうなるのか。
会社に育児を理解してもらおうと、1か月の育児休業を申請したところ、今度は本社に呼び出されました。

「紙を見せて『どういうことだ』という話から始まって、『男だろ』『昇進を諦めるんだな』と言われ、育児休業の書類もその場でポイッと捨てられて。人の家のことを何だと思っているんだろうと。結局、社員はただの駒で、すごく頭にきた」。

■仕事と育児を両立できる生活を求め転職を決意

看護師の妻だけに、仕事と育児の負担を負わせていいのか。
後藤さんは転職を決意しました。
両立の道を求め、新たな職を探し回ります。
子どもの迎えと、家族と一緒に過ごす時間をできるだけ確保することを優先しました。

およそ50社と面接しましたが、対応はどこも冷たいものでした。
「『子どもがいると使えない』とか『男だったら子どものことは、奥さんにだけやらせとけ』みたいな」と振り返る後藤さん。
仕事と家庭の両立が叫ばれていても、イクメンになれない現実。
後藤さんがたどり着いたのは、非正規の仕事でした。

■正社員の立場を失うかわりに得た生活に悔いはなし

ようやく手に入れた、3人そろっての夕食の時間。
パパが作ったごはんは、娘にも好評です。

後藤さんの今の仕事は、1年ごとの契約です。
この先、ずっと勤められる保障はありません。
一方で、仕事は午後5時すぎに終わり、週末の休みも確保できるようになりました。
正社員という立場を手放すかわりに得た今の生活、決断に悔いはありません。

しかし、後藤さんは「子育てとか介護とか、仕事にのめり込みたいとか、自分はそういう風にしたいんだと選んで、それに向かって行けるような環境や風土があるのが一番いいかなと思います。みんなで選べるというか、それがほしいと思う」と話し、男性の育児に対する理解がもう少し広まってほしいと、強く願っています。

■部下の育児や生活に理解示す上司「イクボス」に注目

取材にあたった、さいたま放送局の野田綾記者は、次のように話しています。

「育児支援の制度は整いつつありますが、実際に男性が制度を利用できるには、まだまだ壁があるのが現状です。後藤さんも『制度を利用しやすい環境づくりが、何よりも大事だ』と話していました。

その『環境づくり』で、今注目されているのは『イクボス』という言葉です。育児など部下の生活に理解を示す『上司(=ボス)』のことです。職場には言い出せずにいるイクメンも、たくさんいると思います。そのイクメンが声をあげやすいように、職場の雰囲気を変えられるのは上司であり、そうした上司を『イクボス』として広めていく必要があると言われています。実際に、企業や団体に講師を派遣して、上司を『イクボス』に変身させる講座を開いているNPO法人もあるということです」。

鉄どーもくんさいたま放送局ホームページ別ウィンドウで開く

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