各地のすてきな温泉や銭湯を発掘し、地域の魅力を再発見する「#いいお湯見つけました」。
今回は、神奈川県・川崎市にある創業60年の銭湯をご紹介します。
経営は素人だった女性が父親から銭湯を引き継ぎ、“お客さんのテンションを上げる”銭湯を実現させたんです。
(ひるまえほっと リポーター/ディレクター 本庄美奈子)
2018年、三代目の深澤実千枝さんが受け継ぎ、リニューアルオープンしました。
自慢は、入ると体が見えなくなるほどの“漆黒の湯”。父の代で掘り当てた天然温泉です。太古の昔は海だったというこの地域一帯は、海藻などが溶け込んだ黒い温泉が出るんです。
出るかどうかわかんないけど、掘ってみようって掘ったらお父さん大当たり。
もともと銭湯を継ぐ気がなかった深澤さんは、大学卒業後就職し、出産後は子育て中心の生活に。しかし、子供の手が離れた10年ほど前から銭湯を手伝うようになりました。その頃持ち上がっていたのが、銭湯の後継者問題です。
父が80代くらいになってだんだんお店やるのも大変になってきたとき、お店潰しちゃうのもなぁと思って。銭湯って疲れた人が来て帰りにはすごいみんないい顔で帰っていく。いいお湯でした、ありがとうございましたと言ってくれる。すごく幸せな商売だなと思って。第二の人生を銭湯にかけてみようと思いました。
一念発起した深澤さんは銭湯の全面建て替え。どんな年代の人にも受け入れてもらえるようにと、スタイリッシュすぎない、でもおしゃれな銭湯を目指しました。
炭酸風呂など4種類のお湯の先にあるのは黒湯の入った露天風呂。
地下数百メートルから湧き出る黒いお湯は、少しとろみがあり、なめらかな感触です。
お風呂普通に入るのは日常で、銭湯に来るのは半日常だと思ってるんです。温泉地行くほど、旅行行くほどじゃないけど、銭湯に行くのはちょっとした楽しみ、そういう場でありたいな。
あなたの街の「#いいお湯」を教えてください。
お気に入りの銭湯や温泉など、思い出やエピソードを添えてぜひお寄せください。
投稿はこちら