10月は“食品ロス削減月間”です。
みなさん、「食品ロス」をご存じですよね?
まだ食べられるのに捨てられている食べ物のことです。「食品ロス」は環境だけでなく、家計も脅かしています。
今回は、食品ロス削減アドバイザーで冷蔵庫収納家の福田かずみさんに“もったいない解消術”を学びます。食品の “収納” “保存” “料理” を見直すと、おいしく、無理なく節約できます!
みなさん、ロスしている場合ではありませんよ!
<教えてくださった先生>
食品ロス削減アドバイザー/冷蔵庫収納家
福田かずみさん
気が付いたら期限が切れていたとか、冷蔵庫の奥から干からびた野菜が出てきたとか、家庭からの食品ロスの多くは“冷蔵庫”から出ています。
みなさんうっかり食べ物を捨ててしまっていませんか?一緒に頑張りましょう!
日本でどれぐらいの量の食品ロスが出ているのか―?
最新の情報で、令和3年度に、およそ523万トンの食品ロスが発生したと推計されている。
内訳は、
・スーパーやコンビニなどの売れ残り、飲食店の食べ残しなど
「事業系食品ロス」が279万トン
・家での食べ残しや買ったのに使わずに捨ててしまうなどの
「家庭系食品ロス」が244万トン
つまり、家庭からの食品ロスが半分近くを占めている。
一般的な4人家族から1年間に出る食品ロスを金額に換算すると、およそ6万円に相当するというデータも出ている。
家庭からの食品ロスの対策は誰もが今すぐに取り組むことができる。
福田さんの“もったいない”解消術をご紹介!
・まずは、 冷蔵庫の中身を全部出す!
※何が入っているのか、ちゃんと把握することが大切。
●ポイント1
“定番品”と“そのほかのもの”に分ける!
・日常的によく食べるもの“定番品”
・定期的に買わないもの“そのほかのもの”
※各家庭で“定番品”と“そのほかのもの”が違うので、臨機応変に考える。
●ポイント2
期限を意識した定位置を決める!
・定位置…(卵置き場のように)家族が誰でもわかる場所。
※定位置を決めると、何があって何がないか一目瞭然なので、買い足すタイミングがわかりやすく、むだな買い物がなくなる。
・最初に“定番品”の定位置を決める!
※期限が長いもの、使用頻度が低いものは、(手が届きにくい)上の棚へ。
期限が短く、使用頻度が高いものは(目線より)下の棚へ。
期限ごとに分けて収納する。
・“定番品”の定位置を決めたら、“そのほかのもの”も同様に収納する!
できあがったのが、こちら。
●ポイント3
調味料の開封日を記入する!
・この調味料大丈夫かな?を解消。
・ふだんあまり使わない調味料には開封日を記入する。
・開封後の使用期限もチェックする。
●ポイント4
使いかけ専用のトレーを作る!
・使いかけのもの、開封したものを入れる専用の容器を作り、冷蔵庫の一番下の棚に収納する。
・この中のものから使うようにする。
※それぞれ食材ごとにトレーに分けて収納すると、他のものと混ざらず、取り出しやすくなる。
・冷凍を活用しよう!
・野菜(キャベツ・白菜など)は鮮度のいい状態で、塊のまま冷凍できる。
・新鮮な状態で、すき間なくきっちりラップをして冷凍すれば、1か月ほど持つ。
・おいしく調理するポイント:生ではなく火を通して食べる。
『冷凍キャベツのフライパン蒸し』
<材料>(作りやすい分量)
・冷凍キャベツ … 1/6個
・豚バラ肉 … 100g
・塩 … 少々
・酒 … 大さじ1
・青じそ(ねぎなど) … 適量
・ポン酢しょうゆ … 適量
・にんにく(すりおろす) … 適宜
<作り方>
1.冷凍キャベツは凍ったまま食べやすい大きさに切る。
2.豚バラ肉は一口大に切り、塩をふる。
3.フライパンに冷凍キャベツと豚バラ肉を並べ、酒を回し入れる。
4.ふたをして強火にかけ、沸騰したら火を弱めて、2~3分間蒸す。
5.お好みで青じそ(せん切り)やねぎ(小口切り)を加える。
6.ポン酢しょうゆとお好みでにんにく(すりおろす)を混ぜたものにつけて食べる。
冷凍キャベツは、フライパン蒸しのほか、スープにするのもおすすめ!
基本的に、野菜は何でも冷凍できる。
ただ、冷凍すると食感が変わるので、好みに合わせて活用するようにする。
『冷凍豆腐の卵とじ』
豆腐を冷凍することもできる。卵とじにすると、高野豆腐のような食感を楽しめる。
こんにゃくも冷凍すると、肉のような食感に!
・困ったら“お好み焼き”!
『ピザ風お好み焼き』
<材料>(作りやすい分量)
・ピーマン … 2個
・たまねぎ(小) … 1個
・ベーコン … 2枚
・ピザ用チーズ … 80g
・サラダ油 … 少々
【A】
・薄力粉 … 100g
・顆粒(かりゅう)スープの素(もと)(洋風) … 小さじ2
・卵 … 1個
・水 … 110ml
【B】
・トマトケチャップ … 大さじ3
・ピザソース … 大さじ1
<作り方>
1.たまねぎとピーマンは1cm角に切る。
Point:ピーマンのヘタ・種・ワタも入れる。
2.ベーコンは3cm幅に切る。
3.ボウルに【A】とピザ用チーズ(30g)を入れて混ぜ合わせ、(1)(2)を加えてなじませる。
4.フライパンにサラダ油をひき、(3)を入れてふたをして5分間、弱めの中火で焼く。
5.裏返して、再びふたをして3分間焼く。
6.【B】を合わせたソースとピザ用チーズ(50g)をのせて、再びふたをして2分間蒸し焼きにする。
※魚・肉・野菜など、余った食材は何でも、お好み焼きに応用できる。
●福田かずみさんのそのほかの“食品ロス削減レシピ”は、横浜市役所のホームページからご覧いただけます。
【編集後記】
物価高で頭が痛いですが、“もったいない”を解消することで、おいしく食べられて、家計も助かります!結果、ゴミも減って、環境にも優しい!
食品ロス削減月間をきっかけに、みなさん、一度見直してみてはいかがでしょうか?
リポーター 丹友美