電気代、食料品…さまざまなものが値段上がりし、今年も“値上げの夏”となりそうです。家計への負担も深刻。
そこで番組では、「節約のお悩み」を、視聴者の皆さんから、募集していました。今回は、お悩みも見ていきながら、専門家に聞いた、すぐにマネできる節約術をご紹介します!
<教えてくださったのは…>
節約アドバイザー 和田由貴(わだ・ゆうき)さん
雑誌や書籍をはじめ、講演会などでも節約術のアドバイスを行い、“無理なく、楽しく!”をモットーに、工夫をこらした提案をしています。
▼まずは、お悩みから。
という、東京都・まめさん からのお悩み。
時間があって、いろんなスーパーに行けるよっていう方であれば、それをやってもいいとは思うんですけど、車とかで行っちゃったらガソリン代のむだになると思いますし、もちろん、時間がない方にはちょっと難しいお話だと思うんですね。
『いかに安く買うかということよりも、食費の節約に一番大事なのは、買った食材をむだなくしっかり使いきる』というところなので、値段に振り回されるというよりも、きちんと使い切るとかそういったところを意識してトータルで節約できるといいなというふうに考えられるとよいと思います。
節約のポイントは「目先の安さじゃなくて、先の見通しをもってトータルで考えるように」
ここに注目して、まめさんの2つ目のお悩みも聞いてみました。
4分の1カットになってる野菜とまるっと1個の野菜だと、「おっきい方がお得なんだよな」っていう時、あるじゃないですか。
まるごと買うっていうこともあると思いますので、そういった時には、無理して全部お料理に使ったりとかすると逆に食べきれなくなって捨ててしまうっていうことも、起きやすいので。“ホームフリージング”とかを上手にしながら使い切っていくといいと思いますね。
▼野菜を長く保存!“ホームフリージング”
ホームフリージングは、家庭の冷凍庫で凍らせる方法。保存袋を使います。
大量に買ってしまった野菜を、長く保存するのに、効果的です。
<やり方>
1.野菜を洗い、よく水けを取る。
2.調理で使いやすい大きさに切る。
3.切った野菜を、そのまま保存袋に入れる。空気を抜いてたいらになるようにするのがポイント
4.冷凍庫で凍らせて保存。
この方法は、白菜のほかにも、きのこ、大根、トマトなど…火を通して食べる野菜全般に使えます。
そして、使うときは、解凍せず、そのまま料理に使えます。2週間から1か月で食べきるのが良いそうです。
凍らせると野菜の繊維が壊れるので、普通に煮たり炒めたりするよりも早くやわらかくなるため、その分、時短にもなり、料理の味もしみやすくなるという、いいことも!◎
ちゃんとこうやって、1回ごとに小分けにして冷凍しておくと、無理なく、完全に使い切ることができるかなと思います。
▼続いて、価格が高騰している「卵」
1人分の材料・卵2個で、作れるオムレツを教えてもらいました。
『★キャベツたっぷりオムレツ』
<材料>(4人分)
・卵 … 2個
・キャベツ … 2~3枚
・スライスハム … 2枚
・塩コショウ … 少々
・ケチャップ … 適量
・マヨネーズ … 適量
・乾燥パセリ … 適量
<つくり方>
1.キャベツ2枚分とハムを千切りにして、ボウルに入れる。
2.そこに卵を割り入れて、混ぜる。
3.塩コショウで味をつけ、フライパンに油をひき、焼く。
4.両面焼きあがったら、ケチャップ・マヨネーズをかけて、乾燥パセリを散らし、完成。
食べてびっくり!ちゃんとオムレツ!
ですよね!見た感じはお好み焼きっぽいですけど、ちゃんとオムレツなんですよ。“卵感”がある。
『★メレンゲふわふわ 大きな!?オムレツ』
<材料>(2~3人分)
・卵 … 2個
・塩コショウ … 少々
<つくり方>
1.卵黄と卵白に分け、卵白を泡立て、メレンゲを作る。
2.できたメレンゲを、数回に分けて、卵黄に加えていく。
3.塩コショウで味をつけ、サラダ油をしき、フライパンで焼く。
すごい!ふわふわ!明らかに大きいですよね!!
めちゃくちゃ大きいです。
メレンゲにすることで、普通に作るより、ふわふわで大きくできます。
味はいわゆる“プレーンオムレツ”ですが、シュワっとした食感がおもしろいレシピです。
実際は卵が多くなったわけじゃないんですけれど。すごく、こう…豪華な感じに見えるオムレツなので。またちょっと食感が変わってて、楽しいですよね。
家庭の消費電力で、大部分を占めているもの。何だか知っていますか?
やはり夏は圧倒的にエアコンが多いんですね。そして通年で多いのが冷蔵庫とか照明器具ですね。夏の場合は、この3つの家電だけで大体6割ぐらい、消費電力量を占めてしまってるんです。
この3つをどう攻略するかが、節約のポイントに!
▼照明器具
使用時間を1日1時間減らす。さらに、白熱電球からLEDに交換すると効果的です。
▼エアコン
エアコンは、つけてる間ずっと同じ電力を消費しているものではなく、設定温度と実際の室温が大きく離れているときにたくさん電力を使います。なので、一度消して、室温がすごく上がってしまう。それでまた「暑いな」と思ってつける…ということを繰り返してしまうと、ずっとつけているよりも、よけいに電力を消費してしまうんです。
では、どうやって、部屋が暑くなるのを防げばいいのか。
一番重要なのは、「日射をふせいで、部屋を暑くしないこと」だといいます。
そこで有効なのが、昔ながらの「すだれ」や、「よしず」。
最近は、日よけのタープみたいなちょっとデザインがおしゃれなものもあるそうです。
とにかく夏は、内側から、カーテンなどで日を避けるのではなく、できるだけ窓の外で日を避けてあげるほうが、部屋が暑くなりにくい。そのために、「すだれ」などは効果的です。
これで、日光を遮断して部屋の温度が上がるのを防ぐ、第1段階。
まず、最初に知ってほしいことですね。
▼冷蔵庫
冷蔵庫は、季節に合わせて、温度調整をしたほうがいいといいます。
冷蔵庫の中を見ると、「強」「中」「弱」などと書かれているボタンやつまみがあると思います。
冷蔵庫のなか、「物を詰め込み過ぎない」、「冷気の吹き出し口をふさがない」これに気を付けておけば、たいていの冷蔵庫は、「強」で冷やさなくても、「中」で大丈夫なんだそうです。
冷蔵庫の設定温度を強から中にした場合、年間で2170円の節約に。
※部屋の温度が22度の場合。【出典:家庭の省エネハンドブック(東京都)】
▼一方で冷凍庫は…
冷凍庫のほうは、できるだけ隙間なく詰め込んだほうが、互いに冷やし合い、冷却効果が上がるため、節電につながるそうです。
●“開閉”を減らして節約!
さらにもうひとつ、夏、冷蔵庫の消費電力が上がってしまう理由があります。
夏になると、冷蔵庫から冷たい飲み物を頻繁に取り出すことから、開閉回数が増えると言います。扉を頻繁に開け閉めしたり、開けてる時間が長かったりすると、冷気がたくさん逃げてしまい、余計な電力を使うんです。
そこで、開閉回数を減らす、こんな方法が!
使っていただきたいのは、魔法びんです。
魔法びんに氷を入れて飲み物を入れておくと、保冷効果が長持ち!これだと、冷蔵庫に入れなくても、冷たい飲み物が飲めますよね。
冷蔵庫の扉が開いている時間を半分にすると、年間580円の節約に。
【出典:家庭の省エネハンドブック(東京都)】
お金って、最終的に使う事が目的だと思うんですね。だから節約自体が目的というよりも、“最終的に生きた使い方をするために無駄な部分だけを省いていく”というふうに考えて節約に取り組んでいただくと、我慢するつらい節約ではなく、楽しみながらやっていけるんじゃないかなと思います。
【編集後記】
ここ最近、電気代の請求書を見て、絶句…!
という割には何もしていなかったのですが、取材後、気になって、自宅の冷蔵庫を見てみました。すると、そんなに詰め込まれていないものの…雑に置かれた食材が、見事に、吹き出し口をふさいでいるではありませんか!さらに、温度調整ボタンも、初めて確認(笑)
皆さんは、どうでしょうか?
まずはこれを直して、ちょっと節約。
そして、今回教えていただいた「ホームフリージング」は、たくさん作って入れておけば便利だし、冷凍庫の中も充実させられますよね!(冷凍庫はできるだけ詰め込んだほうが、節電が期待できるというのは、初めて知りました!)これも実行して、またちょっと節約。
特別なことではなく、ちょっとしたことが節約につながるんだと思うと…節約って、楽しいですね!
リポーター 佐藤千佳