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新型コロナ みんなの “困った” にこたえます ~防災~

  • 2021年3月9日

まもなく、東日本大震災から10年になります。コロナ禍の地震への備えに関する質問について、日本災害医学会理事の石井美恵子さんに話を聞きました

避難について

Q. コロナ禍で避難所に行ったほうがいい人と、いかないほうがいい人、どう判断する?
 コロナに感染すると重症化しやすい高齢者でも、避難所へ避難したほうがいい?

自宅で大きな揺れがあった場合、避難するかどうかの判断基準は次の4つです。

1.避難指示などの避難情報が出た。
2.津波や土砂災害などの危険が迫っている。
3.火災やガス漏れ、家屋倒壊の危険がある。
4.建物は安全だが、ライフラインが止まり備蓄品がない。

13のような身の危険を感じる場合は安全な場所へ避難することを迷わないでください。
コロナウイルスに感染するリスクを防ぐことも大切ですが、まずは差し迫った災害から命を守ることが最優先だからです。
その上で、コロナによる重症化リスクの高い高齢者の方や基礎疾患がある方は、4のような、建物が安全で差し迫った危険がない状態であれば、できるだけ在宅避難をするのがいいと思います。

コロナ禍では在宅避難を含めた「分散避難」が重要だとされています。
災害のおそれがあるとき、これまでのように避難所に多くの人が密集すると、コロナの感染が広がるリスクがあります。そこで、ライフラインが止まっていても、マンションなど建物が安全であれば在宅避難をしたり、親戚・知人宅やテントに避難したり、車中泊やホテルに滞在したりするなど、さまざまな避難先にその地域の住民たちが分散して避難することが大切だとされています。
国は災害時の感染対策として、自治体にホテルなどの宿泊施設を避難所として活用するよう求めています。自治体の中には大規模な災害の際、状況によって避難所として活用できるよう、宿泊施設と協定を締結しているところもあります。


Q. コロナ禍で、車で避難生活をする車中泊のメリットと注意点は?
車で避難生活を送る場合のメリットは、他人との接触を遮断できるため感染リスクを防ぐことができます。また、車から電源も供給できるので、スマホやパソコンなども使え、避難生活に関する情報収集がしやすいこともあげられます。

車中泊では、エコノミークラス症候群を発症するリスクが高くなるといわれています。航空機で長時間移動する時と同じような環境に置かれるからです。
予防するためには、できるだけ水分をとることです。そのためにはトイレが必要となりますので、簡易トイレなどを備蓄しておくことも大切です。
立って歩くと、横隔膜が動いて呼吸がしやすくなることと、ひざから足首までの筋肉の動きがポンプの役目をしてくれることで静脈の血の流れを助け、血栓ができるのを予防します。
歩けない場合には、足の指や足首を動かす運動を行うことで血流を促しましょう。

感染者の避難について

Q. 自宅療養者や濃厚接触者が避難所へ行くときはどうすればいい?
自治体や保健所などと連絡をとって、宿泊療養施設などに避難することが原則ですが、近くの施設に避難できない場合には、まず避難所に避難し、避難先の宿泊療養施設が決まるまで待機することが考えられます。不織布マスクを必ず装着し、人との接触を避けながら避難所の受付で担当者に感染者であることを伝えてください。
避難所の教室や会議室などを活用して、感染している、または発熱などの症状がある人たちの避難場所を確保することが求められています。

備蓄について

Q. コロナ禍で追加すべき避難グッズは?

マスク、ゴーグルもしくはフェイスシールドなど目を保護するもの。
ハンドソープ、アルコール含有の手指消毒薬、アルコール含有のウェットティッシュも用意するといいでしょう。
密閉式の保存袋など、使用済みのマスクなども捨てられるごみ袋や、空のポリタンクやバケツなど、流水による手洗いができるものも用意してください。
被害状況にもよりますが、物資が届くまでに1週間くらいかかる場合もありますので、それぞれおおむね1週間は使用するつもりで備蓄をしておくのがいいでしょう。

人は、危機感を忘れがちです。
それに、「自分は大丈夫」と楽観的に考えてしまいやすいものです。でも、被災は誰にでも起こりうることで、自分ごととしてとらえてこの機会に防災への備えを見直してほしいと思います。

◆回答

日本災害医学会理事 石井美恵子さん
国際医療福祉大学大学院教授

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