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年末にぜひ読んでほしい3冊

  • 2020年12月14日

没後50年。三島由紀夫を多くの女性の視点から浮き彫りにする一冊。 平安時代の歌人、在原業平の人間力とは?伊勢物語を小説に著した著者自身によるガイドブック。 絵を描き教えることを通して生きる力を取り戻していく主人公と周りの人々の、再生の物語。
年末にぜひ読んでほしい3冊を紹介します。

【番組で紹介した本】

『彼女たちの三島由紀夫』
編者:中央公論新社
出版社:中央公論新社

三島は女性たちに何を語り、どう愛されていたのか。三島が女性誌につづったエッセイや、著名人との対談、回想録を収録。
また三島作品を読んで育った現代の女性たちも寄稿した。初の、女性たちによる三島読本です。

中江さんポイント
女性を前にした三島は、小説の世界や、晩年の硬派なイメージとは違い、かわいらしい。特に著名女性たちとの対談は、素の部分や相手との関係性が見えて面白い。
いまも、三島文学に “宿命” を感じて読む読者がたくさんいる。さまざまな角度から女性視点でうきぼりになる三島由紀夫の魅力を楽しめる一冊。

 

『伊勢物語 在原業平 恋と誠』
著者:高樹のぶ子 (※高はハシゴダカ)
出版社:日本経済新聞出版

千百年前から読み継がれる『伊勢物語』。主人公、在原業平(ありわらのなりひら)の人間力に迫る!
『小説伊勢物語業平』の著者自身が、執筆しながら気づいたことを解き明かしたガイドブックです。

中江さんポイント
『小説伊勢物語業平』著者自身による新書。小説を読む前でも、読んだ後でも楽しめる。恋愛を通して歌人として成長していった業平の生き方や対人関係に “雅” な人間力を感じる。
白黒はっきりつけ息苦しさを感じる現代の私たちも参考にしたい、生き方のヒントがつまった一冊。

 

『階段にパレット』
著者:東直子
出版社:ポプラ社

夫を突然の病で亡くしたイラストレーターの女性。古い民家を借りて開いた絵画教室は、さまざまな人々が集う場所になっていく…。
絵を教え、共に描くことで少しずつ生きる力を取り戻す主人公と、絵を通したやわらかなつながり、静かな時間が丁寧に描かれる、再生の物語。

中江さんポイント
表紙の絵も著者自身によるもの。色鮮やかさ、みずみずしさなど物語の世界観がよく表れている。
何か始まりそうで何も始まらない、それがとても心地よい物語。
読後、無性に絵が描きたくなった。文章なのに絵の魅力がとても伝わる一冊。


【案内人】
☆女優・作家 中江有里さん

1973年大阪生まれ。1989年芸能界デビュー。
2002年『納豆ウドン』で第23回BKラジオドラマ脚本懸賞最高賞受賞。
読書家としても知られ、NHK-BS「週刊ブックレビュー」で長年、司会を務めた。
近著に小説『残りものには、過去がある』(新潮社)、『トランスファー』(中央公論新社)など。

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