秋本真利 衆院議員 逮捕 千葉9区･若葉区での反応は 洋上風力発電めぐり受託収賄の疑い
- 2023年09月07日
秋本真利衆議院議員が、洋上風力発電をめぐる受託収賄の疑いで、東京地検特捜部に逮捕されました。
事業への参入を目指す風力発電会社の元社長から、会社が有利になるような国会質問をするよう依頼を受け、その見返りにあわせて約6000万円にのぼる借り入れや資金提供を受けた疑いが持たれています。
千葉市若葉区、佐倉市、四街道市、八街市からなる衆議院千葉9区で立候補を続けてきた秋本議員。地元の人たちの反応を取材しました。
「人としてどうなんだ」「情けない」
衆議院千葉9区の千葉市若葉区。逮捕の速報を受けて、JR都賀駅前で地元の人たちに話を聞きました。
がっかりです。最初はまじめにやっていたが、この数年は歯車がくるってしまったのではないか。
素直ないい人だと思って応援したこともあったので、急にこんな話が出て、「ええ、なんで」とびっくりしたし、残念です。説明もなく、政治への不信感につながってしまいます。
政治家としての権利を使ってやった容疑でよくないし、議員だからというより、人としてどうなんだと思う。政治家のこういう問題が続くと、氷山の一角ではないかと考えてしまう。
誠実で政策に積極的だったので、支援してきました。支援者もいっぱいいたのに裏切られて、地元での説明もなく非常に残念ですし、情けないという思いが強いです。
熊谷知事の反応は
逮捕を受けて、千葉県の熊谷知事は次のように述べました。
こういうことになったのは、大変残念に思う。真相究明がなされていくので、それを見守っていきたい。秋本議員には、説明責任を果たし、捜査に協力してほしい。
（「政治とカネ」の問題について政治家としてどう思うか、という質問に）改めて政治に対する不信が高まるのは、間違いないと思う。しっかりと襟を正し、疑念を持たれず、政治に信頼と希望を感じてもらえるような行動をしていかなければならない。
秋本真利 衆議院議員とは
秋本真利 衆議院議員は、千葉県富里市出身の48歳です。
富里市議会議員を2003年から2期・8年務めたあと、2012年の衆議院選挙から4回連続で、千葉9区の自民党の公認候補として立候補。
2012年の初当選から3回連続で選挙区で当選したあと、前回、おととしの衆議院選挙は選挙区で敗れましたが、比例代表南関東ブロックで復活当選しました。
2017年8月～2018年10月に国土交通政務官を務め、洋上風力発電の導入を促進する「再エネ海域利用法」の法案の作成に関わりました。
そして、去年8月から外務政務官を務めていましたが、ことし8月4日、東京地検特捜部から事務所などを捜索されたことを受けて辞任。翌日の8月5日、自民党を離党しました。
秋本議員の容疑は
東京地検特捜部の調べによりますと、秋本議員は、洋上風力発電事業をめぐり、東京の風力発電会社「日本風力開発」の塚脇正幸元社長（64）からあわせて約6000万円にのぼる借り入れや資金提供を受けたとして、受託収賄の疑いが持たれています。
日本風力開発は、洋上風力発電事業のうち、青森県の陸奥湾や、秋田県沖の海域などへの参入を目指していて、秋本議員は、2019年以降、塚脇元社長から日本風力開発が有利になるような国会質問をするよう複数回にわたって依頼を受けていた疑いがあるということです。
衆議院のホームページより（去年2月）
秋本議員は、国会で会社側の希望に沿う形の質問を繰り返していて、その見返りとして、中央競馬の馬主登録をめぐって2019年3月ごろに塚脇元社長から3000万円を無利子無担保で借り入れる「金融の利益」を得たほか、おととし10月ごろから、ことし6月ごろまでに、2人が設立した馬主組合をめぐって約3000万円の資金提供を受けた疑いがあるということです。
秋本議員は周囲に、「自分も一部負担しているのに、馬主組合への支出がなぜ賄賂になるのかわからない」などと説明しているということです。
一方、塚脇元社長は、調べに対し秋本議員への贈賄を認め、提供した資金について「国会質問の謝礼だった」という趣旨の供述をしていて、特捜部は贈賄の疑いで在宅のまま捜査を進めるものとみられます。
