千葉県内有数のすいかの産地、富里市。すいかの町を盛り上げようと、若手農家が新品種の栽培に挑戦しています。市内の農業法人に勤める齋藤恵さんに話を聞きました。
(千葉局・木下愛季子)
新品種に挑戦!ということですが
どんな品種ですか?
金色羅皇(こんじきらおう)です!
私の感想ですが…すいかなのにメロンのような風味がするんですよ
金色羅皇(こんじきらおう)は、およそ2年前に誕生したばかりの新品種。糖度が15度近くにもなる、とびきり甘くて黄色いすいかです。
齋藤さんはすいか栽培2年目。若手ながら、ベテランでも栽培が難しいと言われる金色羅皇に挑戦しています。
今まで食べてきたすいかも、もちろんおいしかったのですが…
よりおいしいものを目指して、チャレンジしてみました!
大玉すいかの多くは1株から2つ収穫しますが、金色羅皇は養分を集中させるために、あえて1つしか収穫しません。形よく丈夫に育ちそうな実だけを残し、不要な実は取り除きます。
どの実を残すかで質が変わってくるのです。
すいか栽培は壁にぶつかることばかり…困った時は、先輩農家からもらったアドバイスを書きとめたノートを見返します。
日々、勉強。今までブランドを守ってきた先輩農家さんから教わることが多いです。
収穫日がやってきました。ドキドキの糖度測定です。
齋藤さんの目標は13度以上・・・この日は14.5度がでました!
「甘くてシャリ感があっておいしい!」農業法人の仲間から感想がとびかいます。
すいか作りをしてくれる人が減っている中で
やる気をもってやってくれているのが頼もしいです
今後、金色羅皇をどうしていきたいですか?
富里の黄色と言えば…金色羅皇でしょ!と言われるくらい知ってもらいたいです。
他の農家さんの中には、糖度20度以上を出した人もいるので私も負けずにそのぐらいの甘さを出すのが目標です!
齋藤さんは今後、より金色羅皇の栽培面積を増やして、多くの人にそのおいしさを広めたいとしています。
今年の金色羅皇のシーズンは終了したそうなので、また来年楽しみにしています。
<取材後記>
初めてお会いした時、「こんにちは~」と気さくに声をかけてくれた齋藤さん。ふんわりとした笑顔に「・・・え?本当にすいか農家さん?」自分の中のイメージと違いすぎて驚いたのを覚えています。数時間、取材で私も畑にいましたが暑くて大変な仕事。さらに日々の勉強まで。新品種に挑戦するのは、数えきれないほどの苦労があるかと思います。ただ、取材中に見えたのはその笑顔の裏にあるメラメラ燃える農家としての向上心。高齢化が進む中、齋藤さんのような存在は、富里すいかに進化をもたらしてくれる「宝物」であると感じました。
齋藤さん、これからも応援しています!