新型コロナウイルスの感染者数が増加に転じ、「第8波」の到来を感じる中、季節性のインフルエンザとの同時流行も懸念されています。
千葉県は12月5日から自己検査キットの配付を再開し、インフルエンザが疑われるコロナ陰性者向けのオンライン診療の受け付けも始めます。
万が一、発熱した場合にどう行動すればよいのか、まとめました。
(千葉放送局記者 岡本基良)
千葉県内では7日、6678人が新型コロナウイルスに新たに感染したことが確認され、1週間前の水曜日と比べて642人増えました。
さらに、インフルエンザも流行が始まろうとしています。
千葉県市川市の幼稚園では、園児6人と職員2人がインフルエンザに感染し、今月1日から4日間の学級閉鎖に。県内でインフルエンザによる学級閉鎖は今シーズン初めてです。
千葉県の想定では、ピーク時には新型コロナ患者が1日あたり2~3万人、インフルエンザの患者が1日あたり約2万人で、あわせて毎日4~5万人の発熱患者が出るおそれもあるとしています。
こうした想定が現実のものとなると、発熱外来に患者が殺到する事が予想されます。
このため、県は新たな2つの対応策を打ち出し、12月5日から始めました。
<千葉県の新たな対応策>
✅ 新型コロナ自己検査キットの配付再開
✅ コロナ陰性者向けのオンライン診療窓口の開設
これを踏まえ、千葉県で発熱した場合どうすればいいのか?詳しく見ていきます。
まず、自分で新型コロナの検査を行う抗原定性検査キット(「体外診断用医薬品」のもの)を用意します。
薬局の店頭やインターネットでも購入できますが、12月5日から、発熱等の症状がある人を対象に、県が無料で配付する事業を再開しました。
<検査キット無料配付の対象者>(※すべてに該当する必要あり)
✅ 発熱やせきなどの軽い症状がある人
✅ 県内在住の人(長期滞在の人も含む)
✅ 中学生以上、65歳未満
✅ 重症化リスクがない人
✅ 妊娠していない人
インターネットの申し込みサイトで1日あたり5000キットを上限に受け付けています。
また、新型コロナとインフルエンザを同時に検査できるキットも、今月中にも薬局やインターネットでの販売が解禁される見通しです。
※コロナ・インフル同時検査キットについて詳しい記事はこちら
新型コロナの自己検査で陽性となった場合、結果が分かるキットの写真を撮影し、住所・氏名・連絡先などの情報とともに「陽性者登録センター」の「登録申込サイト」から送信することで、感染者として登録できます。
感染者として登録されると、医師によるオンラインの健康相談や、食料の配送サービスなどの支援を受けることができます。
県が設けた「オンライン診療センター」で、医師の診察を受けることができます。
<「オンライン診療センター」の対象者>
✅ 発熱の症状がある人
✅ 新型コロナの自己検査で陰性の人(※医療用か一般用の抗原定性検査キットに限る)
✅ 中学生から65歳未満の人
この仕組みは、発熱外来のひっ迫を防ぐために12月5日から受け付けが始まりました。
初めは1日あたり500人を上限に、感染のピーク時には最大1日3000人の診察を受け付けるということです。
かかりつけ医や発熱外来を受診する際は、電話などで相談の上、予約して受診して下さい。
医療機関での検査で「陽性」だった場合、行政から支援を受けるための行動です。
医療機関では、下記の「診断票」が手渡されます。
この紙に医療機関の診察券を置いて写真を撮り、「陽性者登録センター」の「申請サイト」で住所・氏名・連絡先などとともに送信します。
一方で、受診したその場では検査結果が判明せず、翌日などに結果が伝えられる場合は、医療機関で下記の「登録申込票」が手渡されます。
後日になって「陽性」と分かった場合、検査結果が分かる書類が手元になければ、検査を行ったことが分かる「診療明細書」と医療機関の「診察券」を「登録申込票」の上に置き、写真を撮って「陽性者登録センター」の「申請サイト」から送信します。
自己検査・医療機関の検査で「陽性」となった人の多くは、自宅療養となっています。
定期的な換気を行い、同居する家族に感染を広げないようにしながら、体を休めて下さい。
<自宅療養になったらどうする?>
効果的な換気の方法はこちら
第6波の際の体験者の話はこちら
一番大事なことは、どのような立場の方でも医療にアクセスできる状況を作ることです。感染のピークが来たとしても、限られた医療資源を適切に活用し、医療へのアクセスを保障していきたいと考えています。
また、これからの季節は、行事や外出、飲食の機会が多くなります。
3点のポイント、「開けて防ぐ(=換気)」「打って防ぐ(=ワクチン)」「避けて防ぐ(=高リスクの行動を避ける)」に注意して、改めて対策の徹底をお願いします。